【概況】
7月4日は米国が独立記念日で祝日、深夜以降は小動きにとどまった。特に新たなイベント、発表、注目すべき要人発言等も目立たず。
ドル円は6月4日から6月19日まで上下1円弱の値幅での持ち合いを続けていたが、6月20日未明のFOMCから早期の利下げ観測が強まったとして持ち合いをいったん下放れした。6月25日にはトランプ大統領の日米安保破棄への言及もあって106.75円まで下落したが、その後は米連銀の早期大幅利下げ期待がややトーンダウンしたことと、米中首脳会談での貿易戦争「休戦」入りにより7月1日高値108.53円まで戻した。持ち合いから下放れしたものの元の持ち合い水準まで戻したわけだが、持ち合い中の高値だった6月11日高値108.79円超えには至らずに7月3日安値107.53円まで失速した。4日の米独立記念日と5日の米雇用統計を控えてその後は107.75円を挟んだ横ばいにとどまった。
【7月3日安値割れか、7月1日高値超えか?】
6月25日安値から7月1日までは60分足で見れば二段上げで、上昇幅は1.78円だった。7月3日への下落はちょうど1円であり、二段上げの半値押しを若干割り込む下落だった。また二段目の上昇起点でもあった。
6月28日夕安値107.58円もわずかに割り込んでいる。このため60分足レベルでは6月25日安値からの上昇トレンドから転落しており、7月3日安値を割り込むところからは7月1日高値を起点とする下落が二段下げに発展、さらに6月25日安値へ迫るところからは先行き三段下げへと発展する可能性も高まりやすい。
現状から108円台回復、維持、さらに7月1日高値を上抜き返す場合は、いったん崩れた上昇トレンドの再構築となるために市場心理も弱気傾斜から強気回復となってかえって勢いがつきやすくなるため、7月3日安値までの下げ幅の倍返しで109.53円、4月24日からの下落に対する109.57円等、109円台中盤を目指す可能性も出てくると思われる。6月25日安値からの反発は、概ね3か月周期の底打ちサイクルによるリバウンドと思われる。6月25日安値割れ回避のうちは7月後半へ向けて上昇余地が残るが、戻り幅の半値以下へ崩れた状況が続く場合は下げ再開の可能性が高まり、6月25日安値割れからは新たな3か月サイクルによる下落期入りとして次の安値形成期となる8月末から9月末にかけての間へ下落継続しやすくなってゆく。その場合は1月3日安値104.82円、昨年3月26日安値104.63円のある104円台を目指し、先行きはさらにそれらを割り込む可能性も高まると思われる。7月5日夜の米雇用統計からの動きで明暗も大きく分かれるのだろうと思われる。
【60分足一目均衡表・サイクル分析】
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月28日昼安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしていたが、7月2日朝時点では108円割れから続落の場合は弱気サイクル入りの可能性を優先して7月3日から5日にかけての間への下落を想定するとした。7月2日深夜の下落で108円を割り込んだため3日朝時点では7月1日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして7月3日の日中から5日にかけての間への下落を想定した。3日昼安値からはやや戻していたため4日朝時点では6月28日安値から3日目となる7月3日安値でボトムをつけた可能性があるとした。
7月4日からは107.75円を挟んだ持ち合いが続いているので、7月3日安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避のうちは7月5日の日中から9日にかけての間への上昇余地ありとするが、7月3日安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして7月8日から10日にかけての間への下落を想定する。またその際は概ね3か月周期の底打ちサイクルにおける下落期入りにより、6月25日安値割れへ進む可能性も高まるとみる。
60分足の一目均衡表では2日深夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。その後は横ばいのために遅行スパンは実線と交錯しているが、先行スパンが107.70円台から108.00円にかけて分厚い抵抗帯を形成している。7月4日午後安値107.68円を割り込むところからは遅行スパン悪化感が強まるので下向きとし、7月3日安値107.53円割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。108円超えからは先行スパン突破となるため上昇に弾みがつくとみて7月1日高値108.53円を目指す可能性も出てくると思われるが、先行スパンを超えられないか、わずかに超えてからの下落で先行スパンから転落する場合は下げ再開と一段安入りを想定する。
60分足の相対力指数は持ち合いのため50ポイントを挟んで横ばい推移中。60ポイント超えからは70ポイント超への上昇を想定するが、40ポイント割れからは下げ再開を疑う。また急落発生の場合、7月3日の20ポイントを割り込まなければ指数のボトムアップによる強気逆行発生と反騰の可能性も出てくるが、20ポイントを割り込む下落の場合は、いったん戻してもその後の下落期間が長引く可能性があると注意する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月4日安値107.68円、次いで7月3日安値107.53円を下値支持線、7月4日未明高値107.88円を上値抵抗線とする。
(2)107.88円以下での推移中は一段安警戒とし、107.68円割れから下向きとして7月4日安値試しとし、底割れからは6月25日安値106.75円試しへ向かうとみる。107円以下は反発注意圏とするが、107.50円以下での推移中は週明けも安値試しを続けやすいとみる。
(3)107.88円超えからは108円試しとし、108円超えから続伸の場合は108.25円から7月1日高値108.53円にかけてのゾーンへの上昇を想定するが、108円台を維持できずに107.70円割れするところからは下げ再開を疑う。
【当面の主な予定】
7/5(金)
14:00 (日) 5月 景気先行指数(CI)速報値 (4月 95.9、予想 95.4)
14:00 (日) 5月 景気一致指数(CI)速報値 (4月 102.1、予想 103.1)
15:00 (独) 5月 製造業新規受注 前月比 (4月 0.3%、予想 -0.1%)
15:00 (独) 5月 製造業新規受注 前年同月比 (4月 -5.3%、予想 -6.2%)
17:00 (欧) デギンドスECB副総裁、パネル討論参加(マドリード)
21:30 (米) 6月 雇用統計・非農業部門就業者数 前月比 (5月 7.5万人、予想 16.0万人)
21:30 (米) 6月 失業率 (5月 3.6%、予想 3.6%)
21:30 (米) 6月 平均時給 前月比 (5月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 6月 平均時給 前年同月比 (5月 3.1%、予想 3.2%)
オーダー/ポジション状況
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