ドル円、窓埋めに成功。米中合意を背景としたポジティブムードは早くも賞味期限切れか(7/3朝)

2日の海外市場でドル円は反落。

ドル円、窓埋めに成功。米中合意を背景としたポジティブムードは早くも賞味期限切れか(7/3朝)

ドル円、窓埋めに成功。米中合意を背景としたポジティブムードは早くも賞味期限切れか

海外時間の為替概況

2日の海外市場でドル円は反落。ナバロ米大統領補佐官による「米中通商協議が大東な合意に達するには時間を要する」との発言や、カーニーBOE総裁による「世界的な貿易摩擦のリスクが下振れリスクを高めた」とのコメント、トランプ米政権によるEUへの追加関税を巡る警戒感が「ドル安・円高」を促しました。米10年債利回りの低下を背景に(2.024%→1.976%)、ドル円も一時107.76まで下げ幅を広げるなど、米中合意を経て作られた週初のギャップアップ(28日の終値107.89→1日の始値108.38)の窓埋めに成功しました。米中合意を背景としたポジティブムードは早くも賞味期限切れとなっております。

一方、ユーロドル相場は方向感を見出しづらい展開。米長期金利の低下を反映した「ドル売り」の流れを受けて一時1.1320まで上伸するも、一目均衡表転換線(1.1319)に続伸を阻まれると再び反落。トランプ米政権によるEUへの追加関税を巡る警戒感が高まったことに加えて、カーニーBOE総裁による「世界的な貿易摩擦のリスクが下振れリスクを高めた」とのコメント、次期ECB総裁にラガルド氏(IMF専務理事)が指名されたこと等が重石となった格好(※タカ派と目されていたバイトマン独連銀総裁がECB総裁に指名されなかったため)。ユーロドルは1.1280台まで下落した後、1.1290前後でクローズしました。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は結局、一目均衡表基準線に続伸を阻まれる形で反落に転じました。昨日は、ボリンジャー・ミッドバンドを割り込んだ他、21日移動平均線の下抜けにも成功するなど、テクニカル的に見て「上値の重さ」が意識されます。強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転が継続していることも、ドル円の上値を抑制していると考えられます。米中首脳会談を経て、米中貿易摩擦を巡る警戒感は幾分和らぎましたが、ここに来て新たに欧米貿易摩擦の問題が浮上するなど、世界的な貿易摩擦→世界経済の減速懸念の流れは止みそうにありません。

また、英国情勢の不安定化やイタリア財政悪化問題、イランを巡る地政学的リスク、日本とその他各国との金融政策格差の縮小(欧米をはじめ主要中銀がハト派化に方針転換する一方、副作用を警戒して日銀は次の一手に踏み込めない状況)など、ファンダメンタルズ的な弱さもドル円の上値余地を狭めております。事実、米中合意や米朝電撃会談のサプライズを経ても尚、クロス円の上値は重く、リスク選好の円売りには繋がりませんでした。米中合意を背景としたポジティブムードは既に終焉した可能性が高く、市場の関心は既に今月の米FOMCに移りつつあります。本日は米6月ADP雇用統計や、米6月ISM非製造業景況指数の結果を睨みながらも、ドル円の続落リスクに警戒が必要でしょう。(予想レンジ:107.50ー108.30 下落見通し)

ドル円、窓埋めに成功。米中合意を背景としたポジティブムードは早くも賞味期限切れか

ドル円日足

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