ドル、短期的には底堅いイメージ(週報7月第1週)

先週のドル円は、終わってみればドルが小じっかり。週のザラ場ベースでは1月3日以来となる一時106円台突入も見られたが、その後はドルの買い戻しが優勢だった。

ドル、短期的には底堅いイメージ(週報7月第1週)

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先週のドル円は、終わってみればドルが小じっかり。週のザラ場ベースでは1月3日以来となる一時106円台突入も見られたが、その後はドルの買い戻しが優勢だった。

先週末に、米NBCテレビはトランプ大統領が「FRB議長は利上げを急ぎ過ぎて間違いを犯した」、「議長を降格させる権利を持っている」と指摘したと報じるなか、週明けの為替市場は寄り付いた。しかし、ドル円は107.25円レベルと、先々週末NYクローズと大差ない水準でオープンするなど、初動ベースで週末ニュースの影響は結果限定的。
その後はドル売りがやや優勢となり、一時107円を割り込む展開に。週間安値である106.78円まで弱含むも、下げ止まったあとは、逆にドルが堅調裡。108円台まで1円以上ドルは逆行高をたどると、週末NYも107.90-95円の高値圏で大引け、越週となった。

一方、週間を通して注目された材料は、「米貿易問題」と「イラク情勢」について。
G20サミットにあわせた米中そして日中の首脳会談、ならびに事務方などによる事前協議など二国間協議も連日話題に。米中については、事前に香港紙が「米中、貿易問題で暫定的な停戦合意」と報じ物議を醸したが、29日に実施された首脳会談でトランプ氏は実際に「3000億ドル分の中国からの輸入品に対する『第4弾』の追加関税を当面、課さないことで一致した」ことを明らかにしている。それに対して、日米は首脳会談後に西村官房副長官から「トランプ氏から為替については言及は一切なかった」、「両首脳、早期の成果達成で一致」との発言が聞かれていた。

対して後者は、トランプ氏が「イラン最高指導者に制裁へ」と発言するなか、イランサイドは「新たな制裁は外交の道筋が『永遠に』断たれたことを意味する」、「イラン最高指導者が『米国の侮辱には屈しない』と発言」などと、強固な反発姿勢をうかがわせている。
そのほか単発モノとして、朝鮮中央通信「米大統領が北朝鮮委員長に親書、金氏は満足感を表明」、米紙「女性作家、トランプ氏からの性的暴行を告白」、「仮想通貨ビットコインが一時14000ドル直前まで上昇、昨年1月以来の高値を示現」、米国務省「日米安保条約破棄報道にはまったく根拠がない」「政府、『参院選は7月21日投開票』と閣議決定」、−−などといった発言やニュースが報じられている。

<< 今週の見通し >>

先日終了した6月相場は、月末にかけて動意したためか、それなりに動いたイメージだったが、調べてみるとドル円の月間変動はわずか2.02円。4月の同1.61円に次ぐ、年間2位の小変動にとどまっていた。そんな6月の流れを継ぎレンジ取引が続くとの声も聞かれるが、月替わりし7月入りしたことで、需給要因の変化などを期待する声も少なくない。先週末のNYクローズがちょうどレンジの真ん中に位置していることは気掛かりだが、6月形成した106.78-108.80円のレンジを上下どちらに抜けていくのか、その方向性が注視されていることは間違いない。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」−−など継続案件は多いものの、そのなかでも目先のもっとも注視されていた「米貿易問題」は前述したように「米中が暫定的な停戦合意」といった様相で、市場には一服の安心感が台頭している感も否めない。むしろ、敢えて言えばドルの買い材料か。また、週末に電撃的な「米朝首脳会談が実現」した「北朝鮮情勢」もドルの支援要因に。そうしたなか、今週は注目の米経済指標の発表が相次ぐこともあり、指標内容を受けた「米利下げ観測」が再び脚光を浴びる可能性が取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドルは先週一時106円台突入し形成レンジを下放れるも、週末にかけて結局回帰。前述したように、6月は月間を通しても106.78-108.80円の2.02円レンジにとどまっている。
なお、レンジの上下ともブレークを狙ってトライしたものの、失敗に終わった格好で、足もとは方向性が乏しい。ただ、チャート的には上抜けした方の展開が興味深そう。108.80円のレンジ上限をめぐる攻防に、より注視したい。

一方、材料的に見た場合、6月のISM製造業景況指数や同雇用統計をはじめとする重要な米経済指標の発表が相次ぐ予定となっている。次回以降の米利下げについての見極めは、発表される経済指標が重要との認識になっているなか、米雇用統計については、前月予想値を大きく下回る内容となったことはまだ記憶に新しい。2ヵ月連続で予想外の数字が出た場合などは、相場が波乱含みの展開をたどることもありそうだ。
そのほか、中国で開催される「夏季ダボス会議」や、週末4日の「米独立記念日」も取引の縮小を予想させ、「薄商い=乱高下」を警戒する声も聞かれている。

そんな今週のドル/円予想レンジは、107.00-109.20円。ドル高・円安については、先週のドル高値である108.16円が最初のドルの抵抗。抜けると、レンジ上限である6月高値の108.80円、109円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107.40-50円などに弱いサポートが見られるものの、意識される強いものとしては、やはり先週示現した安値106.78円か。ただ、いずれにしても、ドルは底堅いイメージだ。

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