ドル円はレンジ下限割り込む、材料多く波乱含みか(週報6月第4週)

先週のドル円は、ドル安・円高。6月安値の107.80円を割り込み、107.05円まで下落、1月3日以来の安値圏へと一時達する局面も。

ドル円はレンジ下限割り込む、材料多く波乱含みか(週報6月第4週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル円は、ドル安・円高。6月安値の107.80円を割り込み、107.05円まで下落、1月3日以来の安値圏へと一時達する局面も。

前週末15日に、「トランプ米政権は、2000億ドル分の中国製品に対する制裁関税『第3弾』を全面適用」、閉幕したG20エネルギー相会合では「タンカー攻撃で懸念を共有することで一致」との報道が観測されるなか、金融市場は寄り付いた。
ドル円は先週末のNYクローズと大差ない108.45-50円で寄り付いたのち、しばらくは108円台での一進一退をたどるも、底割れすると、そのまま107円前半までドルは一気に下落している。週末にはさすがに調整の動きも入り、107.75円程度まで戻すも買いは続かず。結局、週末NYは、107.30円台まで再び緩み越週となった。

なお、ビットコインは、週間を通して大荒れ。週の初め17日には9000ドル以下で推移していたものが、週末には実に10000ドル台へ。これは昨年3月8日以来のレベルとなる。また、ビットコインはその後も上昇、為替が休場となる22日には11000ドル台へとさらに続伸している。

一方、週間を通して注目された材料は、「米貿易問題」と「FOMC」について。
前者は、週初に中国共産党機関紙が「米国と長期的貿易戦争を戦う用意」と表明するなど、対立構造に変化は見られないなか、週の半ばにトランプ氏から「習中国国家主席と電話会談実施」、「G20で時間をかけて会談する」との発言が聞かれ、一気に協議進展期待が高まる。また週末には、香港紙が「米中、25日にも貿易閣僚協議を再開」とも報じていた。
対して後者、FOMCにおいては「政策金利は現行水準で据え置き」と発表したが、これは予想通り。しかし、声明で「19年の想定利上げ0回」、「8人が年内利下げを予想」−−などと指摘したうえ、その後の会見でパウエルFRB議長が「利下げは適切だと多くの参加者は考えている」、「利下げを決定する前に状況を確認したい」と発言。利下げ実施に踏み込んだとの見方から、為替市場はドル売り・円買いの反応に。

そのほか単発モノとして、「新潟・山形で震度6強の地震発生」、ブルームバーグ「トランプ氏がパウエル氏の降格を検討(米NEC委員長などがのちに報道内容を否定)」、「トランプ氏、2020年大統領選の再選出馬を表明」、「イラン、米軍無人偵察機を撃墜」、トランプ米大統領「パウエルFRB議長はもっと早く利下げの意向を表明すべきだった」−−などといった発言やニュースが報じられている。

<< 今週の見通し >>

6月に入って以降の2週間は1円レンジ(107.80-108.80円)にとどまっており、方向性を欠く動きだったが、先週末にレンジ下限をしっかりと割り込んできた。一時107.05円まで値を下げている。テクニカルには、ドル安方向にバイアスがかかりそうで、次の下値メドは年初来安値104.10円を起点とした上昇幅に対する76.4%戻しの106.05円レベル。そのレベルを下回ると、いよいよ105円台突入もみえてくる。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」−−など注目される継続案件は少なくない。そうしたなか、「イラン情勢」は当初の「日本のタンカーが攻撃された」といったモノから、前記したように「イラン、米軍無人偵察機を撃墜」といったように色合いを変え、さらには「トランプ氏、イラン攻撃承認の数時間後に撤回」といった軍事衝突の危険性をうかがわせる報道まで観測されている。今週も引き続き注意を払いたい。また、「米貿易問題」については、今週末のG20とあわせ、米中や日米首脳会談が実施される見込み。進展か、それとも決裂か、結果如何で為替市場が荒れる展開もありそうだ。

テクニカルに見た場合、先週末には一時107.05円まで下落、106円台突入も否定出来ない状況となっている。下げ足がやや早いものの、基本的なリスクは下向きで、再びドル売りが進展する展開には要注意。107.05円を割り込んだ際のドルの下値メドは106.05円で、その次となるといよいよ105円台となる。
対するドルの抵抗は、これまでドルのサポートとして寄与してきた107.80円レベル。これは、先週末のNY高値に近い。抜けても108円半ばなどはなかなか強いレジスタンスだ。

一方、材料的に見た場合、6月のダラス連銀製造業活動指数や同消費者信頼感指数をはじめとする重要な米経済指標が連日発表される予定となっている。次回以降の米利下げについての見極めは、発表される経済指標が重要との認識になっていることから、その内容をめぐり相場が一時的にせよ上下動する展開もありそうだ。
そのほか、週末にはG20首脳会議が開催されるうえ、それをにらみ日米や米中などによる事前協議も幾つか実施される見込み。一連の会談、貿易問題を中心とした政治要因にも注意が必要だろう。

そんな今週のドル円予想レンジは、106.00-108.50円。ドル高・円安については、これまでサポートだった107.80円レベルが今度は抵抗に。抜けると108円半ばや109円などを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、先週のドル安値107.05円が、最初のドルのサポートに。割り込むと106円台突入、強いサポートは106.05円となる。

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