ドル円、日銀による追加緩和見送りと中東を巡る地政学的リスク再燃で急落(6/21朝)

ドル円は1/3のフラッシュクラッシュ以来、約5ヶ月半ぶり安値となる107.21まで下げ幅を広げました。

ドル円、日銀による追加緩和見送りと中東を巡る地政学的リスク再燃で急落(6/21朝)

ドル円、日銀による追加緩和見送りと中東を巡る地政学的リスク再燃で急落

海外時間の為替概況

20日の海外市場でドル円は急落。@日本時間早朝に発表された米FOMCで「ハト派的」な見解が示され、米長期金利低下→ドル売りの流れが強まったこと、A日銀金融政策決定会合で金融政策の「現状維持」が決定され、日銀の追加緩和限界論が改めて強まったこと、B米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(結果0.3、予想11.0)が急低下したこと、C米5月景気先行指数(結果0.0%、予想0.1%)が市場予想を下回ったこと、Dトランプ米大統領による「イランは大きな間違いを犯した」とのツイートを受けて米国とイランの軍事衝突への警戒から地政学的リスクが高まったこと等がドル円急落の背景。6/28-6/29の大阪サミットで予定されている米中首脳会談への警戒感もくすぶる中で、ドル円は1/3のフラッシュクラッシュ以来、約5ヶ月半ぶり安値となる107.21まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局107.30台でのクローズとなっております。

ユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@ハト派な米FOMCを受けて米長期金利が急低下したこと、A冴えない米経済指標(米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米5月景気先行指数)の結果がドル売りの流れに拍車をかけたこと、Bトランプ米大統領による「ユーロ安牽制」発言を受けてユーロのショートカバーが誘発され易い地合いが続いていること等を背景に、ユーロードルは一時1.1315まで急伸しました。しかし、Cユーロ圏6月消費者信頼感指数(結果▲7.2、予想▲6.5)が市場予想を下回ったことや、DECBによる追加緩和観測、E英国情勢を巡る不安定化、F中東を巡る地政学的リスクを背景にリスク回避的な「ユーロ円売り」が強まったことが重石となると、1.1271まで反落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局1.1290台でのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B40営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が強く意識されます。米墨貿易摩擦の緩和や、G20での米中協議進展への期待感などから、一時的にリスク回避ムードが後退しておりましたが、昨日は中東を巡る地政学的リスクの高まりを受けてリスク回避ムードが再燃しました。世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政問題、米独関係悪化懸念など、ファンダメンタルズ面での不安要素を考慮すれば、ドル円の上値余地は乏しいと考えられます。欧米を始め世界中の中銀がハト派姿勢を鮮明に打ち出す一方、日銀は「事実上のゼロ回答(追加緩和の可能性を滲ませつつも、副作用を警戒して具体的な手段に踏み込めない)」となり、「日銀の金融政策手詰まり感→追加緩和期待の剥落→日本とその他各国との金融政策格差の縮小」との連想から、ドル円、クロス円には今後も下押し圧力が加わり易い地合いが続きそうです。当方では、短期的にも中長期的にも「ドル安・円高」をメインシナリオとして予想いたします。

ドル円、日銀による追加緩和見送りと中東を巡る地政学的リスク再燃で急落

ドル円日足

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