ドル円 一時6月安値割り込む、リスクはドル安方向(6/20夕)

20日の東京市場は、ドル安・円高。しかも、「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルの弱さが目についた。

ドル円 一時6月安値割り込む、リスクはドル安方向(6/20夕)

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドル安・円高。しかも、「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルの弱さが目についた。

ドル/円は108.05円前後で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。その過程で日中高値の108.15円レベルを示現したものの、推移していた揉み合い圏を底割れすると、6月以降のドル安値107.80円も下回り107円半ばへ。一時持ち直したがすでにドルの上値は重い。終盤になり再び弱含むと、107.45-50円へ。16時時点では107.60円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨ビットコインは、レベルこそ違うが前日の写真相場といった様相。未明の9050ドルレベルを安値に、東京タイムはじり高推移。9350ドル手前まで、300ドル近い上昇が観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日米金融政策」について。
米国は注目のFOMCで、「政策金利は現行水準で据え置き」とされたが、これは予想通り。しかし、声明において「19年の想定利上げ0回」、「8人が年内利下げを予想」−−などと指摘したうえ、パウエルFRB議長が会見で「利下げは適切だと多くの参加者は考えている」、「利下げの決定の前に状況を確認したい」と発言、利下げ実施に踏み込んだとの見方から、為替市場はドル売り・円買いの反応に。それに対して、日本サイドは「日銀が金融政策の現状維持を決定」したほか、黒田日銀総裁から「追加緩和の手段はさまざまな手段がある」、「現在の強力な緩和を粘り強く続けていくことが適当」との発言が聞かれていた。
そのほか単発モノとして、米USTR代表「対日農業交渉の早期合意を望む」、ロイター「G20前に米中閣僚級会合へ、首脳会談に先立ち通商協議」、「中国の習国家主席、北朝鮮に向けて出発」、中国国営紙「米国との貿易問題、来週の首脳会談で解決見込めず」、トランプ米大統領「中国、ロシアと良好な関係を持つことが重要」−−とする発言や報道が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日NY時間のFOMCを受けて、ドル/円は108円割れ。しかし、6月安値の107.80円を下回ることはなく、一抹の底堅さもうかがえたが、本日東京で同レベルを割り込み、107円半ばまで値を崩してきた。テクニカルには、ようやくレンジを下放れてきたこともあり、ドルの続落を予想する声が少なくない。そのターゲットは年初来安値104.10円を起点とした上昇幅に対するフィボナッチ61.8%戻しの107.25-30円となりそうだ。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「タンカー攻撃問題を含めたイラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」、「英政治情勢」など継続案件は依然として多い。そうしたなか、「米利下げ観測」については、前述したとおりで、引き続きドルの弱材料として寄与する公算が大きい。また、FOMCが「力強い労働市場」を見込んでいることで、来月初めに発表される米雇用統計の内容如何では、さらに利下げ観測が高まるとの指摘も聞かれていたし、それ以外の米経済指標の内容にも要注意だ。

テクニカルに見た場合、東京時間に6月安値の107.80円を下回ると、107.45-50円へ。レンジ下限を割り込んできたことで、ドルの続落が懸念されている。ドルの下値メドは、まず107.25-30円であり、仮に同レベルを下回るとドルの下値余地がさらに拡大しかねない状況になる可能性もある。
対するドルの抵抗は、取り敢えず本日東京高値に近い108.10円レベル。いずれにしても、ドルの上値が徐々に切り下がっている感を否めない。

一方、材料的に見た場合、6月のフィラデルフィア連銀景況指数など幾つかの米経済指標が発表される予定で、その内容が注視されている。
ほかにも、いわゆる米国ファクターの注目材料は多いが、習国家主席訪朝を受けて実施される「中朝首脳会談」や、ここから先はサプライズなどなさそうだが、それでも実施される「4度目の英保守党党首選」の行方などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.30-108.50円。ドル高・円安方向は、本邦実需筋のオファーが並び始めているとされる108円前後が最初の抵抗。抜ければ108.10円レベル、108.70円前後などを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京で示現した安値107.45-50円の攻防に注視。割り込めば107.25-30円がターゲットに。(了)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る