<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、ドルが小安い。株安を受けてリスク回避志向が強まると、先週安値108.16円に接近する局面も観測されていた。
ドル円は108円半ばで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。108.50-60円という極めて狭いレンジ取引をたどっていたものの、底割れすると、そのまま日中のドル安値圏である108.20円台まで一気にドル安が進行した。その後は108.25-35円という低い揉み合いとなり、16時時点でもドル安値圏を維持したまま欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨(暗号資産)ビットコインは本日早朝に9400ドル近くまで上昇したものの、その後は軟調裡。一時は300ドル近く下落し、9100ドル前半まで値を下げていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「タンカー攻撃問題を含めたイラン情勢」について。
イラン国営メディアが「ペルシャ湾からの米軍撤退を要求」そして「米CIAのサイバースパイ網を摘発」と報じたほか、参謀総長から「海峡封鎖を決断すれば公然と実行」といった発言が聞かれるなど強固な対米姿勢が示されていた。反面、米サイドからは「米軍、『タンカー攻撃』でイラン軍関与とする新たな画像を公表」したことが明らかになっており、対立構造はさらに強まった。
そのほか単発モノとして、共同通信「北委員長、軍幹部に核手放さずと強調か」、毎日新聞「金融庁、『老後最大3000万円必要』と独自試算」、「中国の米国債保有、4月は17年5月以来の低水準に」、豪中銀「今後さらなる緩和の可能性大きい」、「外務省、北朝鮮タンカーを瀬取り疑いで国連に通報」−−とする発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、筆者は「レンジの上限抜けが視界内に捉えられてきたが、上値トライが失敗に終われば、一転してレンジ下限を試すような値動きをたどっても不思議はない」−−と指摘をしたが、その後の値動きをみると懸念が現実のものになりつつあるようだ。昨日欧米時間に高値108.70-75円を示現し、レンジ上限の108.80円に迫るも越えられず。その後は、108.25円レベルまで軟落に転じている。もっとも、今度は「レンジの下限割れをトライするも割り込めず、ドルは再び上昇に転じる」−−可能性も。
材料的に見た場合、継続案件が山積み。たとえば、「北朝鮮」や「タンカー攻撃問題を含めたイラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」、「英政治情勢」などになる。なかでも市場でもっとも関心が高いものは「米利下げ観測」、明日に予定されているFOMCならびにパウエルFRB議長の記者会見だ。昨日発表された最新6月分の米経済指標が冴えない内容だったこともあり、市場ではさらに警戒感が強まっている。明日のFOMCを注視しつつ、目先は「イラン情勢」や「米貿易問題」などに絡む発言や報道に一喜一憂する展開が予想される。
テクニカルに見た場合、6月以降、すでに半月以上も続いている107.80-108.80円の1円レンジの上限突破トライとなったが、結果的に失敗に終わっている。今度はレンジ下限をトライする展開となるのか、それともどこかで切り返し、上限突破を再チャレンジするのか、ともかく引き続き足もとの1円レンジをめぐる攻防には要注意。
レンジ下限を割り込んだ場合には、107.25-30円がターゲットとなる反面、上抜けるようだと109円台回復、具体的には109.25円レベルが意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、5月の住宅着工件数や同建設許可件数といった米経済指標が発表される予定となっている。前述したように、昨日発表された米経済指標が予想より悪かっただけに、本日の指標に対する関心も高く、数字如何では一時的な相場変動要因となる可能性もあるだろう。
そのほか、明日までの予定でFOMCが開催(結果の公表は明日)されるほか、2回目の投票が実施される「英保守党党首選」の行方を中心とした英国情勢なども気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、107.80-108.70円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値圏である108.70-75円が最初の抵抗。抜ければ108.80円、109円レベルなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日安値を含む、短期のレンジ下限に当たる108.15-25円の攻防が注視されている。割り込めば108円割れもありうるが、6月安値107.80円が強いサポートとなりそうだ。
ドル円1時間足
オーダー/ポジション状況
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