先週のドル円は形成レンジ、今週は抜けていく展開か(週報6月第2週)

先週のドル円は、「行って来い」。一時ドル安が進行、108円を割り込む局面も観測されたが続かなかった。

先週のドル円は形成レンジ、今週は抜けていく展開か(週報6月第2週)

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先週のドル円は、「行って来い」。一時ドル安が進行、108円を割り込む局面も観測されたが続かなかった。

前週末に、「ドイツ社会民主党の党首が辞任へ、連立解消の動き加速も」、「中国が白書発表、『貿易協議』で米非難」−−などといった報道が観測されるなか、週明けの為替市場がオープン。ドル円は108.25円レベルとわずかながら、ドル安・円高水準で寄り付いたのち続落。108円を一時割り込んだものの、下値も限られた。結局、107.80-108.60円程度、週間を通して1円未満のレンジ取引を続けると、週末NYは108.20円前後で取引を終え、越週している。
なお、ビットコインは、先週も週間を通して依然荒れ模様。大雑把に言って、週の初めには8700ドル台で推移していたものが、半ばにかけ7500ドル台まで暴落。一旦持ち直し7800ドル台へ戻すも再下落し、7500ドル台でダブルボトムを完成させた。以降はじり高で、8000ドル台を回復する局面も。

一方、週間を通して注目された材料は、「米貿易問題」について。
先月末、突然マーケットの争点に浮上した米国の「メキシコ関税」について、トータル3日間の協議が開催され、紆余曲折あったものの、最終的にはトランプ米大統領が10日期限とされた「関税導入見送り」を表明している。それに対し、米中は週初に前述した「中国が白書発表、『貿易協議』で米非難」といった状況が観測されたことについて、米財務省とUSTRが「中国は通商協議の過程を誤って伝えている」と反論するなど、対立構造は変わらず。途中、中国商務省から「対米通商問題は対話と交渉で解決すべき」などとこれまでの態度から変化を感じさせるコメントが聞かれたものの、「焼け石に水」だった。

そのほか単発モノとして、「トランプ大統領、18日に再選出馬表明へ」、米紙「米政府は豪州への関税を検討したが、見送りを決定」、「『強制労役説』、北朝鮮・金英哲氏の健在を確認」、パウエルFRB議長「景気見通しが悪化すれば利下げで対応する可能性がある」、トランプ氏「イランへの軍事行動の可能性がある」、「週末発表の米雇用統計が予想以上の悪化、ネガティブサプライズに」−−などといった発言やニュースが報じられていた。

<< 今週の見通し >>

先週は結局、1週間を通して1円も動かず。終わってみれば107.80-108.60円といった80ポイント程度の変動にとどまった。ドルの上値は重く、上抜けトライが失敗に終わった感があるが、逆方向の底割れについても失敗した。これは、週間発表された米雇用統計がネガティブサプライズとなったにもかかわらず、週間安値に近い107.85-90円で下げ止まったためで、むしろドルの底堅さが確認された。ドルの下値リスクはそれほど高くない可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」などのほか「英国情勢」、「米貿易問題」、「米利下げ観測」への関心も高く材料は盛りだくさん。うち、米貿易問題についての関心がとくに高いという状況に変化はないが、前述したように「米による対メキシコ関税」は見送りで取り敢えず決着。また日米についても、今週予定されている日米通商交渉実務者協議は要注意だが、G20財務相・中銀総裁会合にあわせて実施された日米財務相会合で「為替の議論は見送られた」ことが明らかになっており、マーケット的にはやや懸念が和らいでいる感も。もっとも、米中はその限りではなく、今週も双方の鍔迫り合いが続きそう。今週発表される中国経済指標などとあわせ、米中の動きには引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、先週形成した80ポイントレンジ、107.80-108.60円をめぐる攻防にまずは注視。果たしてどちらに抜けていくのか、その方向性が注視されている。
下方向に放れた場合には、年初来安値104.10円を起点とした大きな上げ幅のフィボナッチ61.8%戻し107.25-30円がターゲットになる反面、上抜けた場合にはまず109円前後、週初には109円半ばに位置し、毎日10ポイント程度ずつ切り下がってくる移動平均の25日線などが抵抗として意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、5月の消費者物価や6月のミシガン大消費者信頼感指数といった米経済指標が発表され、それらへの関心が高い。先週発表された米経済指標は、雇用統計をはじめ、悪い内容となったものが多かっただけに、同様の傾向が続くならばドルの上値抑制要因となりかねないだろう。
また、いわゆる米国ファクターとは別に欧州情勢、とくに「英国ファクター」にも要注意。13日には「英国の次期首相選びにつながる与党・保守党の党首選(第1回目の投票)」が実施される予定で、こちらの結果次第でポンド相場が荒れる可能性もある。

そんな今週のドル円予想レンジは、107.40-109.40円。ドル高・円安については、先週高値の108.60円が最初の抵抗に。抜けると109円や109円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週、週間を通してドルの下値を何度も支えた107.80-90円がかなり強いサポートとして意識されている。割り込むと、フィボナッチサポートの107.25-30円を目指す展開か。

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