ドル円、メキシコ関税を巡るヘッドラインに振らされる展開。ドラギ総裁発言でユーロドルは急伸(6/7朝)

6日の海外市場でドル円は下落後に急反発。

ドル円、メキシコ関税を巡るヘッドラインに振らされる展開。ドラギ総裁発言でユーロドルは急伸(6/7朝)

ドル円、メキシコ関税を巡るヘッドラインに振らされる展開。

6日の海外市場でドル円は下落後に急反発。@「米国とメキシコは関税・移民を巡り合意できず」との報道や、A新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想21.5万件)の冴えない結果、Bユーロドル急伸に伴うドル売り圧力が重石となる中、ドル円は一時108.03まで下げ幅を広げました。しかし、108円割れが阻まれると、その後は、C「米国政府はメキシコへの関税適用の先送りを検討している」との報道が支援材料となり、リスク回避ムードの後退を背景に、ドル円は一時108.57まで上昇しました。もっとも、同水準では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、引けにかけて再び反落。米雇用統計を前に様子見ムードも強まる中、結局108.40付近まで押し戻されてのクローズとなっております。

一方、ユーロドル相場は急伸後に伸び悩む展開。注目されたECB(欧州中央銀行)理事会では、@政策金利の据え置き、Aフォワードガイダンスの修正(現行の低金利水準の据え置き期間を、従来までの2019年末から2020年上半期まで最低6ヶ月間延長)、BTLTRO3(貸出条件付き長期資金供給オペ)に適用される金利を最も低いケースでマイナス0.3%を適用すること等が決定されました。また、その後のドラギ総裁会見では、C「ECBは不測の事態に行動することを約束する」としつつも、「経済指標は悪くない」「経済見通しについて大幅な悪化は全く見込んでいない」等、欧州経済の先行きに楽観的な見方が示されました。市場では、BやCが予想ほどハト派的では無いと受け止められ、ユーロドルはショートカバー主導で、一時1.1308まで上値を伸ばしました。もっとも、前日同様、1.13絡みでは「戻り売り」意欲も根強く、伸び悩むと、再び反落。結局1.1275付近でのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B30営業日連続でのボリンジャー・ミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が強く意識されます。メキシコ関税を巡る「警戒感」が幾分和らいだことで、昨日はボリンジャーバンド下限からの上放れ(バンドウォークの終焉)が確認されましたが、米中貿易摩擦や中東を巡る地政学的リスク、世界経済の減速懸念、英国情勢の不透明感、イタリア財政問題など、ファンダメンタルズ面での不安要素を考慮すれば、ここからドル円を買い進む展開には至らないと予想いたします。一目均衡表転換線が走る108.88付近では「戻り売り」が強まると見られ、ドル円の上値余地は限られそうです。本日21:30に発表される米雇用統計が冴えない結果となれば、「米経済の先行き不透明感→米利下げ観測高進→米長期金利低下→ドル売り」の経路で、ドル円が再び108円割れを試す展開も十分想定されます。ドル安・円高をメインシナリオに据えつつ、108円台半ばから後半では、「戻り売り」を続ける方針です。

ドル円、メキシコ関税を巡るヘッドラインに振らされる展開。

ドル円日足

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