ドル円、メキシコ関税を巡るヘッドラインに振らされる展開。
6日の海外市場でドル円は下落後に急反発。@「米国とメキシコは関税・移民を巡り合意できず」との報道や、A新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想21.5万件)の冴えない結果、Bユーロドル急伸に伴うドル売り圧力が重石となる中、ドル円は一時108.03まで下げ幅を広げました。しかし、108円割れが阻まれると、その後は、C「米国政府はメキシコへの関税適用の先送りを検討している」との報道が支援材料となり、リスク回避ムードの後退を背景に、ドル円は一時108.57まで上昇しました。もっとも、同水準では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと、引けにかけて再び反落。米雇用統計を前に様子見ムードも強まる中、結局108.40付近まで押し戻されてのクローズとなっております。
一方、ユーロドル相場は急伸後に伸び悩む展開。注目されたECB(欧州中央銀行)理事会では、@政策金利の据え置き、Aフォワードガイダンスの修正(現行の低金利水準の据え置き期間を、従来までの2019年末から2020年上半期まで最低6ヶ月間延長)、BTLTRO3(貸出条件付き長期資金供給オペ)に適用される金利を最も低いケースでマイナス0.3%を適用すること等が決定されました。また、その後のドラギ総裁会見では、C「ECBは不測の事態に行動することを約束する」としつつも、「経済指標は悪くない」「経済見通しについて大幅な悪化は全く見込んでいない」等、欧州経済の先行きに楽観的な見方が示されました。市場では、BやCが予想ほどハト派的では無いと受け止められ、ユーロドルはショートカバー主導で、一時1.1308まで上値を伸ばしました。もっとも、前日同様、1.13絡みでは「戻り売り」意欲も根強く、伸び悩むと、再び反落。結局1.1275付近でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B30営業日連続でのボリンジャー・ミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が強く意識されます。メキシコ関税を巡る「警戒感」が幾分和らいだことで、昨日はボリンジャーバンド下限からの上放れ(バンドウォークの終焉)が確認されましたが、米中貿易摩擦や中東を巡る地政学的リスク、世界経済の減速懸念、英国情勢の不透明感、イタリア財政問題など、ファンダメンタルズ面での不安要素を考慮すれば、ここからドル円を買い進む展開には至らないと予想いたします。一目均衡表転換線が走る108.88付近では「戻り売り」が強まると見られ、ドル円の上値余地は限られそうです。本日21:30に発表される米雇用統計が冴えない結果となれば、「米経済の先行き不透明感→米利下げ観測高進→米長期金利低下→ドル売り」の経路で、ドル円が再び108円割れを試す展開も十分想定されます。ドル安・円高をメインシナリオに据えつつ、108円台半ばから後半では、「戻り売り」を続ける方針です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.06.07
ドル円見通し 108円割れを切り返して下げ渋りからややジリ高、米雇用統計待ち(6/7)
月4日午後には107.82円まで続落したが、6月5日夜に再び107.82円まで下げた後は新たな安値更新を回避して概ね108円台前半を中心とした持ち合いが続いている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:橋本 光正
2019.06.06
アメリカ4月貿易収支予想(日本時間2019年6月6日21時半発表予定)
本日21時半に米国の4月貿易収支が発表されます。ここ数ヶ月間、赤字額はほとんど横這い傾向ですが、対中貿易が下降を続けています。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。