ドル円、米長期金利の低下を背景に心理的節目108円を割り込む展開(6/4朝)

3日の海外市場でドル円は続落。

ドル円、米長期金利の低下を背景に心理的節目108円を割り込む展開(6/4朝)

ドル円、米長期金利の低下を背景に心理的節目108円を割り込む展開

海外時間の為替概況

3日の海外市場でドル円は続落。@米中貿易摩擦の激化が世界的な貿易戦争に繋がるとの警戒感に加えて、A米5月製造業PMI(結果50.5、予想50.6)や、B米5月ISM製造業景況指数(結果52.1、予想53.0)、C米4月建設支出(結果0.0%、予想0.4%)が軒並み市場予想を下回る冴えない結果となったこと、Dセントルイス連銀ブラード総裁が「近い将来利下げ適切になる可能性」について言及したこと等が背景。米10年債利回りが約1年9ヶ月ぶり低水準となる2.064%を記録すると、ドル円は心理的節目108円丁度を割り込み、一時107.89まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、結局108.06でのクローズとなっております。

一方、ユーロドル相場は急伸。欧州時間序盤にかけて一時1.1159まで下げ幅を広げるも、ドイツ5 月製造業PMI確報値(結果47.3、予想47.3)や、ユーロ圏5月製造業PMI確報値(結果47.7、予想47.7)が市場予想通りの結果に留まると、安堵からユーロ買いが優勢に。米国時間には、米5月ISM製造業景況指数の予想比下振れや、セントルイス連銀ブラード総裁によるハト派的な発言を受けたドル売りも重なる中で、5/13以来、約3週間ぶり高値となる1.1264まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局1.1244でのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B27営業日連続でのボリンジャー・ミッドバンド割れ、C強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークの発生など、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されています。通貨オプション市場でも、ボラティリティの急騰+リスクリバーサルの急拡大(円コールオーバー)が継続するなど、「ドル安・円買い」を織り込む動きが足元で一段と加速しました。オシレータ系インジケータのRSI(27%)にやや過熱感(売られ過ぎ感)が見られるものの、トレンドが明確に出ている状況下、安易な逆張り(ロングでのエントリー)は危険を伴うでしょう。

ファンダメンタルズ面では、「米中貿易摩擦の激化→世界的な貿易戦争への波及→世界的な景気減速懸念→グローバルな株安・債券高→リスク回避の円買い」への連想から、ドル円やクロス円の上値が抑制され易い地合いが続いています。パウエルFRB議長が本日22:45から予定されている講演にて「ハト派的な見解」を滲ませた場合、米年内利下げ観測の一段の高進→米長期金利低下の経路で、ドル円が、1/10に付けた安値107.77を割り込む展開も想定されます。米国債利回りの低下に伴う「ドル売り圧力」と、リスク回避ムードの高まりを背景とした「円買い圧力」の双方の影響から、ドル円は当面上値の重い時間帯が続きそうです。

ドル円、米長期金利の低下を背景に心理的節目108円を割り込む展開

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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