ドル円、やや円高にバイアス、109円割れなるか!?(5/29夕)

29日の東京市場は、ドルが小安い。小幅ながら連日の直近安値更新で、5月安値109.02円を意識した値動きだった。

ドル円、やや円高にバイアス、109円割れなるか!?(5/29夕)

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29日の東京市場は、ドルが小安い。小幅ながら連日の直近安値更新で、5月安値109.02円を意識した値動きだった。

ドル/円は109.30-35円で寄り付いたものの、明確な方向性は乏しい。終日を通した値幅も30ポイントほどにとどまったものの、そのなかでドルがやや冴えない値動きをたどっている。一時109.15円レベルまで下落し、前日記録した直近安値を再び更新する局面も観測されていた。日経平均株価が終値ベースで250円以上下落したほか、NYダウ先物も150ドル程度値を下げたことなどが嫌気されていたという。16時時点のドル/円は109.20-25円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、ようやく落ち着きを見せてきた感のあった仮想通貨ビットコインだったが、早朝を目先高値に弱含み。8700ドル台から8400ドル台まで300ドル近い下落を一時たどっている。

一方、材料的には、再び米中を中心とした「米貿易問題」に関心が集まる。
キッカケは、昨日欧米時間に伝えられた環球時報による「中国はレアアースの対米輸出制限を検討」との報道。そののち、新華社もほぼ同じ内容の「中国高官、レアアースの国内需要優先へ」と指摘していた。対して、米国は半期に一度の為替報告書を発表。日本や中国など9ヵ国を「監視対象」に指定したものの、「為替操作国認定」は見送っている。
そのほか単発モノとして、欧州委員長「英離脱協定の再交渉は行わず」、米国務省報道官「北朝鮮の大量破壊兵器は国連安保理決議に違反」、英紙「労働党党首、国民投票の再実施に支持表明へ」、黒田日銀総裁「先進国の低金利は新興国をかく乱する恐れ」−−などといった発言やニュースが報じられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

先週23日NY時間以降の50ポイントレンジは脱したものの、それでも依然として109円台での値動き。値幅はいまだ1円に満たない。明確な方向性は乏しい状況だが、前述したように日米を中心とした株価が再び崩れ始めていることは気掛かりだ。実際に株安を受けたリスク回避の動きも観測されている。このあとは、レンジ下限かつ5月安値でもある109.02円をめぐる攻防に注意を払いたい。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」、「米貿易問題」、「英国情勢」などが継続案件として引き続き注目されている。どれもそれほど差し迫った要因ではないものの、「米貿易問題」なかでも米中関係については、対立がなかなか解けないだけでなく、さらに関係悪化を懸念させるような報道も少なくないことが懸念されている。逆に言えば、その割にドル/円は底堅く推移しているとも言えそうだが、時間外の先物取引だけでなく、本取引においてもNYダウなど米株が大きく値を崩せば、さらにリスク回避志向が強まる可能性もありそうだ。

テクニカルに見た場合、昨日報じた109.25-75円といった50ポイント程度のレンジ取引は脱したものの、それでも109円台での値動きにとどまっている。引き続き、足もとの狭いボックス圏を上下どちらに放れていくのか、その方向性が注視されている感を否めない。
なお、5月安値109.02円を下回った場合には、108円半ばが次の下値メドとして意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、5月のリッチモンド連銀製造業指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債入札が実施される見込みだ。ちなみに、昨日発表された米経済指標は好悪マチマチであまり材料視されなかったが、市場の関心がファンダメンタルズに戻りつつあるとの指摘も聞かれていた。
そうした米国ファクター以外では、政治を中心に様々な要因を抱える欧州情勢に注目。とく英国は、複数の「次期英首相候補」からの発言が連日盛んに伝えられており、ポンド相場への影響も観測されているだけに、本日も注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.70-109.70円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値圏である109.60-65円の攻防にまずは注視。抜ければ109.75円レベル、そして110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の109.15円レベルが最初のサポート。割り込むようだと今月安値109.02円を目指す展開で、2月1日以来の108円台もみえてくる。(了)

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