<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場は、109円半ば挟みの揉み合い。終日を通した値動きはわずか20ポイントほどのレンジ取引で、明確な方向性は乏しかった。
ドル円は109.45-50円で寄り付いたものの、上下ともに動きにくい。日経平均をはじめ、アジアの株価は先物取引を含めて総じて堅調に推移したが、為替市場への影響は限定的でリスク志向には繋がらなかった。寄り付きレベルを中心とした、トータル20ポイント程度のレンジ取引のまま、16時時点では109.50-55円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、依然として値動きの落ち着かない仮想通貨ビットコインは、東京時間だけ見れば比較的静か。ただ、それでも未明には8900ドル近くから8600ドル半ばへと急落するなど、まだまだ波乱含みの様相は続いている感がある。
一方、材料的に注視されていたものは、トランプ氏来日を受けた「日米貿易協議」について。
トランプ米大統領自身から「安倍首相との昨日の会談は非常に順調だった」との発言が聞かれたことに続き、日本サイドは麻生財務相「2年前から米大統領から為替の話が出たことはない」、茂木再生相「トランプ氏の8月合意発言は、迅速に協議進めたいとの趣旨だと理解」などというコメントが観測されている。
そのほか単発モノとして、甘利・自民選対委員長「消費増税の延期はない、衆参同日選もない」、読売新聞「アジア安保会議で日韓防衛相会談を行わない」、ロイター「仏ルノー、来週にもFCAとの統合判断へ」、中国紙「広東省が自動車購入規制を緩和へ」−−などといった発言やニュースが報じられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日英米市場が休場となったこともあり、為替は小動き。と言うより、ドル円は少し時間を遡った先週23日のNY時間以降、わずか50ポイント程度と、かなり狭いレンジ内で推移していることがみてとれる。いずれにしても、明確な方向性は乏しい。まずは、足もと推移している109円台を上下どちらに放れるのかが注目されそうで、上放れれば110.40円レベルに位置する移動平均の25日線、下放れれば1月末安値の108円半ばが、それぞれターゲットに。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」、「米貿易問題」、「英国情勢」などが継続案件として引き続き注目されている。しかし、どれも喫緊の課題というわけではなく、目先の要因としては米ファンダメンタルズに目が向く可能性も。発表される米経済指標の内容には要注意。
また、先日行われた欧州議会選の選挙結果は、まだ消化しきれていない感があり、そうした意味で欧州情勢にも注意を要する。実際、「スペインのサンチェス首相とマクロン仏大統領が欧州議会選の結果について協議した」と報じられるなど、まだまだ手探り、影響を見極めている状況のようだ。
テクニカルに見た場合、先週末からのまだ2-3日ではあるものの、ドル円は109.25-75円といった50ポイント程度のレンジ取引。まずは、そんな50ポイントレンジ、さらにいま少しレンジを広げた109円台での動きから脱却することが出来るのかが注視されている。
なお、敢えてリスクを指摘すれば下方向という気がするが、110円を抜ければ再び上値トライの芽も台頭しかねない。
一方、材料的に見た場合、5月の消費者信頼感指数や同ダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による2年債、5年債入札が実施される見込みだ。とくに発表される米経済指標には注意を払いたい。
そうした米国ファクター以外では、「臨時EU首脳会議」に注目。英国のEU離脱問題で進展があるのか否か、あれば冴えないポンドがようやく下げ止まることになる、との指摘も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.00-109.80円。ドル高・円安方向は、本日東京高値109.60-65円の攻防にまずは注視。抜ければ先週末だけで2度ドルが上げ止まった109.75円レベル、そして110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末と昨日の2度下値をサポートした109.28円が最初のサポート。割り込むようだと今月安値109.02円を目指す展開となりそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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