ドル円、中国の監視カメラ最大手企業への禁輸措置検討報道で反落
海外時間の為替概況
22日のドル円相場は、アジア時間に一時111.63まで上昇するも、前日高値111.68を抜け切れず失速すると、その後はテクニカル要因主導で軟調推移が継続しました。「米中首脳は6月末に会う可能性が高い」との報道で一時的に反発する場面も見られましたが、@トランプ米大統領が監視カメラ最大手の中国ハイクビジョン社(杭州海康威視数字技術)への禁輸措置を検討していると報じたことや、Aムニューシン米財務長官が「現時点ではまだ訪中する予定はない」と発言したことが伝わると、米中貿易摩擦の長期化懸念→米主要株価指数の下落→米長期金利の低下への連想から、為替市場ではドル安・円高が進行。NY時間引けにかけては、一時110.24まで下げ幅を広げるなど、上値の重い展開が継続しました。尚、注目された米FOMC議事要旨(4/30ー5/1開催分)では、「多数がインフレ低下は一時的との見方」「辛抱強いスタンスが当面適切」など真新しい材料は特段見られず、ドル円相場への影響は限定的となっております。
一方、ユーロドル相場は上昇後に反落。欧州時間序盤にかけて一時1.1180まで上昇する場面も見られましたが、同水準で伸び悩むと、その後は、中国ハイクビジョン社(杭州海康威視数字技術)への禁輸措置検討報道が嫌気される中、リスク回避的なユーロ円の下落に連れる形でユーロドルも下落しました。5/23から5/26にかけて投票が行われる欧州議会選挙にてEU懐疑派が躍進するとの警戒感も重石となる中、引けにかけて1.1150まで押し戻されてのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は結局、21日移動平均線(110.60)、前日高値(110.68)一目均衡表基準線(110.71)、90日移動平均線(110.75)一目均衡表雲下限(110.77)などチャートポイントが密集する110円台後半を抜け切れず反落に転じました。5/13に付けた安値109.02をボトムに始まった短期的なドル高・円安トレンドにひとまず調整が入った格好です。米中貿易摩擦の激化やイランやトルコを巡る地政学的リスクなど、ファンダメンタルズ的な不安要素を考慮すれば、ここからの上昇にはもう一段の材料と時間が必要と考えられます。ファーウェイ問題に加えて、昨日は監視カメラ最大手の中国ハイクビジョン社(杭州海康威視数字技術)への禁輸措置検討も報じられました。中国政府はこうした米国の対応について「経済的ないじめ行為」と強く非難しており、何かしらの報復措置に発展する可能性も残されています。世界的な株安連鎖に波及すれば、ドル円が再び110円台を割り込む恐れもあるでしょう。本日は110円台を維持できるか否かに注目が集まりそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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