<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、レンジ取引。110円半ばを挟んだ一進一退で、依然として方向性は乏しかった。
ドル円は110.45-50円で寄り付いたものの、方向性に欠ける値動き。終日を通して110.35-65円といったボックス内での乱高下となった。相場変動要因として警戒されていた日米株価もいまひとつ冴えず、値動きはマチマチ。結果として材料視されにくかった。16時時点でドル円は寄り付きとほぼ同レベルの110.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、ここのところ荒っぽい変動が続いた仮想通貨ビットコインは、ようやく落ち着いた動き。7900ドルを中心とした100ドル強のレンジ内での変動にとどまった。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易協議」について。
「日米貿易交渉事務レベル協議」がワシントンで実施され、双方の主張が確認されている。また、終了後に日本側の交渉担当者から、「かなり主張に開きがあるが、お互いの立ち位置が分かったことは有意義だった」との発言が聞かれていた。そうしたなか、ロイターは「ライトハイザー米通商代表部代表が、欧州および日本の高官と23日にパリで会談」と指摘するなど、日米については短期間で何度も協議が実施されることが明らかに。
そのほか単発モノとして、英首相「EU離脱の国民投票『再実施を問う』」、北朝鮮国連大使「米国による船押収を『もっとも強い言葉で非難』」、米紙「トランプ政権は中国・杭州海康威視数字技術による米技術購入の制限検討」、原田日銀委員「景気が悪化し2%達成困難なら躊躇なく緩和が必要」−−などといった発言やニュースが報じられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは先日まで回復したかどうか微妙だった110円台にしっかりと乗せており、さらなる高値トライを視界内に捉えている。年初来高値112.40円を起点とした下げ幅のフィボナッチでは38.2%戻し(110.30円レベル)を超えており、次のターゲットは半値戻しの110.70円レベル。同レベルには一目均衡表の基準線が位置するほか、少し上には先行帯の雲の下限や移動平均の25日線などが横たわる。リスクは上向きだが、111円手前には各種チャートのテクニカルポイントも少なくない。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」、「米貿易問題」、「英国情勢」、「欧州議会選」など注目要因が目白押し。また、21日に土壇場で決裂した「米債務上限」問題も新たな材料として浮上してきた感を否めない。ただ、ドル円相場への直接的な影響という意味も含めて、もっとも注視されているのは、やはり日米を中心とした「米貿易問題」か。昨日の事務レベル協議を皮切りに、来週の日米首脳会談まで、関連協議は連日のように実施される。関係者の発言や一連の報道などには注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、上下動を繰り返しつつ、ドルはジワリと下値を切り上げる展開が続いている。それも、時間足など短期のチャートを見ると、オセアニアや東京時間にドルはやや弱含むものの、ロンドン早朝からNY早朝を起点にドルは再上昇に転じることが少なくない。
仮に、そうした傾向が続いているとすれば、足もとのレベルは絶好のドル買い場と言えるかもしれず、このあとの欧米時間に111円に向けたドル高再始動をたどる可能性もある。
一方、材料的に見た場合、とくに目立った米経済指標の発表は予定されていないが、5月1日まで実施されていた米FOMCの議事要旨が発表される予定だ。3週間ほど前、実際の会合直後は利下げ期待が後退、短期的なドル高材料になっていただけに、今回の議事録要旨公開を注視している向きも少なくない。
そのほか、ウィリアムズNY連銀総裁やボスティック・アトランタ連銀総裁による会合での挨拶などにも一応要注意。また、米国ファクター以外では、英紙サンが報じた「英保守党議員、22日にメイ氏への新たな信任投票へ規則変更を試みる」との内容が気に掛かる。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.00円。ドル高・円安方向は、フィボナッチによるテクニカルポイントも近い昨日高値110.67円の攻防にまずは注視。抜ければ111円台回復も否定出来ないが、その手前にも抵抗は多くドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値を含む110.30-40円は弱いサポート。
昨日NY安値である109.80円レベルが最初のサポートに。割り込めば、110.05円レベルがターゲットとして意識されそう。いずれにしても底堅いイメージで109円台に突入しても、目先大崩れは見込みにくい。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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