<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、揉み合い。110円前半、25ポイントほどのレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。
ドル円は110.05-10円で寄り付いたのち、じり高。日経平均を中心とした株価の動きに一喜一憂しつつ、日中高値である110.25-30円へと値を上げたものの続かなかった。しかし、大きく崩れることもなく、高値示現後は110円前半でのレンジ取引に。16時時点では110.20円前後で推移、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨ビットコインは幾分値動きも落ち着いてきたが、まだまだ荒っぽい。未明の7700ドル台から8000ドルへ上昇したのち、7800ドル台へ下落するという、なかなかの乱高下をたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易協議」について。
中国外務省報道官から「米は通商合意に行き過ぎた期待」との発言、対する米国からは「ファーウェイ禁輸に暫定猶予、措置を正式発表」が聞かれるなど、米中の情勢に対する関心も高いが、短期的には日米の動きに注目が移行している感がある。そうしたなか、日本サイドから茂木再生相が「米通商代表との協議、詳細は決まっていない」、世耕経産相は「同盟国である日本からの輸入が脅威になったことはない。なる可能性すらない」などといった発言が観測されていた。
そのほか単発として、「オーストリア連立政権、極右の閣僚が全員辞任へ」、「日米外相が電話会談、米大統領の訪日成功に協力を確認」、パウエルFRB議長「通商協議の結論は分からず、判断には時期尚早」、「北国連大使 21日に米の貨物船押収で異例の記者会見へ」−−などといった発言やニュースが報じられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
日米を中心とした株価の動きに一喜一憂しつつ、ドル円は緩やかな回復基調。実際、時間足など短期のチャートを見ると、先週初め13日の109.02円を起点に、細かな上下動を入れつつ、少しずつ下値を切り上げている事が見て取れる。とくにNY勢のドル買い意欲が強いようで、下がったところは確実に拾っている。ドルの上値も重そうだが、大きく崩れず底堅い値動きが続く可能性が考えられるだろう。
材料的に見た場合、「北朝鮮」や「イラン」、「英国を中心とした欧州情勢」も要注意だが、やはり米中や日米を中心とした「米貿易問題」がもっとも関心を集めている。日米についてはハガティ米駐日大使が本日の講演で、「トランプ大統領は今後数週間単位での合意を望んでいる」、「週明けの日米首脳会談で短期間に大幅に進展することを願っている」などと述べるなど、緊迫感が増してきた。なお、日本の世論を意識した動きからか、先週末には麻生財務相が「為替問題、米財務省はUSTRほど激しく言って来ない」と発言しているものの、額面通りに受け取っていいのかという疑念もくすぶる。
テクニカルに見た場合、上下動を繰り返しつつ、ドルはジワリと下値を切り上げる展開となっている。それからすると、足もとにみられるドル高・円安の起点は昨日NYの109.80円レベルで、同レベルを維持する限り、ドルの続伸リスクは継続することになりそうだ。
そんなドルの上値メドは、引き続き目先ドル高値の110.32円。これはフィボナッチで見たテクニカルポイント(38.2%戻し)にほぼ合致する。それを上抜けると、同半値戻しは110.70円レベル、61.8%戻しは111.10円レベルなどとなる。
一方、材料的に見た場合、4月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表されるほか、エバンス・シカゴ連銀総裁の討論会参加やローゼングレン・ボストン連銀総裁による講演などが予定されている。ここ最近、NYのドル買いが目立つのは発表される米経済指標の内容が良いことが多いためで、そうした意味では本日の指標発表にも一応要注意。
また、上記以外にも米国ファクターには注意すべき要因が少なくないが、23-26日の「欧州議会選」をにらみ欧州情勢も波乱含みだ。そちらに関するニュースなどにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.70-110.70円。ドル高・円安方向は、目先高値の110.32円の攻防にまずは注視。抜ければ、フィボナッチのテクニカルポイントのほか、移動平均の25日線なども位置する110.70円が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値である109.80円レベルが最初のサポートに。割り込めば、先週末安値の109.49円や直近安値の109.02円前後がターゲットとなる。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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