ドル円見通し 5月13日深夜安値以降の「高値・安値切り上げ」続く(5/21)

20日の米国市場では特にハイテク中心のナスダック総合指数が1.5%下落、ナスダック100指数が1.7%安となり下げが目立った。ファーウェイへの制裁については

ドル円見通し 5月13日深夜安値以降の「高値・安値切り上げ」続く(5/21)

【概況】

5月5日のトランプ大統領による中国への制裁関税拡大発動宣言から5月6日には111円を割り込んで一段安入りとなり、米中双方がさらに制裁関税拡大を表明した13日には109.02円まで続落したが、その後はトランプ大統領の米中合意への楽観的発言等で株安が一服したためにドル円も109円割れをひとまず回避して戻している。

戻り高値は14日の109.77円、17日の110.02円、20日午前の110.31円と切り上げ、安値も13日深夜以降は15日深夜の109.72円、17日夜の109.50円、20日夜の109.80円と切り上げてきている。20日午前までの戻り幅は1.29円であり、4月24日高値112.39円から13日深夜安値109.02円までの下げ幅3.37円に対しては38.3%で黄金分割の38.2%に近いが50%戻し110.70円には届いていない。
13日深夜からは丸5日を経過したが、13日深夜への下落は5月5日夜から丸5日間であり、直前の下落とその後の上昇は日柄的に対となる、しかし直前の下げ幅1.93円に対して戻りの1.29円は劣っている。戻り高値を切り上げつつ、その後の安値も底上げしているうちはリバウンドを試す流れだが、底上げパターンが崩れる場合は下落再開感が強まると思われる。

【ファーウェイ制裁問題は深刻】

米中問題では、5月13日に米国が中国製品全てへの対象拡大を宣言し、中国側も対抗措置をとったことで、ひとまず関税強化については打つべき手を出し切ったと思われる。またトランプ大統領が13日の株安不安をなだめようと、米中合意への楽観見通しを示したことで目先の売り材料消化として株が戻し、ドル円も戻りを試し始めた。
しかし米国が中国IT企業大手の華為技術(ファーウェイ)を米国市場から実質的に閉め出す大統領令を出したことにより、米IT大手グーグルがファーウェイとの取引を一部停止し、インテルなど米半導体メーカー4社も取引を停止すると報じられたことで再び貿易交渉の先行き不透明感が強まっている。

上海総合指数は17日に2.4%安となったが、20日も0.41%安と下落した。NYダウも14日から3連騰で戻したが、17日に反落、20日も84.10ドル(0.3%)安と続落した。20日の米国市場では特にハイテク中心のナスダック総合指数が1.5%下落、ナスダック100指数が1.7%安となり下げが目立った。
ファーウェイへの制裁についてはやや緩める経過措置も見られるが、大統領令という法的な規制がかかってしまった以上は不法取引に陥らないように米国企業もファーウェイ等との取引を避けざるをえなくなる。
米中貿易戦争では日本企業には漁夫の利という見方もあるようだが、世界貿易の萎縮、米国との軋轢拡大への警戒感がそれに勝ると思われる。日米通商協議も始まっているので、徐々にその中身も見えてくれば日本企業への先行きの圧迫感も強まる可能性があると懸念するところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、5月13日深夜安値から4日目となる17日夜安値で直近のサイクルボトムをつけたと思われる。20日午前への上昇で17日高値を超えて強気サイクル入りしているとすれば、次の高値形成期は22日から24日にかけての間と想定される。ただしサイクルのトップ形成は短縮や延長も多いので、20日夜安値109.80円割れからは弱気転換注意として17日夜安値109.50円試しとし、109.50円割れからは新たな弱気サイクル入りとして22日夜から24日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表ではジグザグの戻り歩調のために遅行スパンは実線と交錯を繰り返しているが、16日以降は先行スパンを上回っている。このため先行スパンを上回る内は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、先行スパンから転落するところからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は17日から20日への高値更新時に指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せている。40ポイント台へ低下してもその後に切り返す内はもう一度高値を更新し、その際にも指数のピークが連続的に逆行して急落警戒サインとなりやすいと思われる。40ポイント割れからは弱気逆行による下落期入りの可能性を優先する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、20日夜安値109.80円を支持線、20日午前高値110.31円を抵抗線とみておく。
(2)109.80円を上回るうちは高値更新から110.50円前後を目指す可能性ありとみる。110.50円超では戻り売りにつかまりやすいとみるが、110円台を維持するうちは22日へ上昇継続及び110.70円から111円手前への上昇へ進む可能性ありとする。
(3)109.80円割れからは下げ再開の可能性を優先して17日夜安値109.50円試しを想定する。17日夜安値も割り込む場合は13日深夜以降の戻りが一巡しての下落期入りとして、当初は13日深夜安値109.02円試しとするが、先行きでは13日深夜安値を割り込む一段安へ進みやすくなるとみる。

【当面の予定】

5/21(火)
10:30 (豪) 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
17:30 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、議会証言
23:00 (欧) 5月 消費者信頼感 速報値 (4月 -7.9、予想 -7.6)
23:00 (米) 4月 中古住宅販売件数 年率換算件数 (3月 521万件、予想 535万件)
23:00 (米) 4月 中古住宅販売件数 前月比 (3月 -4.9%、予想 2.7%)
23:45 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、討論会参加
25:00 (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁、講演

5/22(水)
07:45 (NZ) 1-3月期小売売上高指数 前期比 (前期 1.7%、予想 0.6%)
08:50 (日) 4月 貿易統計 通関・季調前 (3月 5285億円、予想 2295億円)
08:50 (日) 4月 貿易統計 通関・季調済 (3月 -1778億円、予想 -236億円)
08:50 (日) 3月 機械受注 前月比 (2月 1.8%、予想 0.0%)
08:50 (日) 3月 機械受注 前年同月比 (2月 -5.5%、予想 -3.5%)
10:30 (日) 原田泰日銀審議委員、金融経済懇談会出席・会見
14:00 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、香港で講演
16:00 (欧) ドラギ欧州中銀(ECB)総裁、フランクフルトで講演

17:30 (英) 4月 消費者物価指数 前月比 (3月 0.2%、予想 0.7%)
17:30 (英) 4月 消費者物価指数 前年同月比 (3月 1.9%、予想 2.2%)
17:30 (英) 4月 消費者物価コア指数 前年同月比 (3月 1.8%、予想 1.9%)
17:30 (英) 4月 小売物価指数 前月比 (3月 0.0%、予想 0.9%)
17:30 (英) 4月 小売物価指数 前年同月比 (3月 2.4%、予想 2.8%)
17:30 (英) 4月 生産者物価コア指数 前年同月比 (3月 2.2%、予想 2.2%)
23:00 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、会合挨拶
23:10 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、会議の開会挨拶
27:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

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