ドル円見通し 株安円高一服するも戻りは鈍い(5/15)

米中問題は混沌とし、市場心理も悲観が一挙に拡大する場面やその揺れ返し的な楽観が繰り返されており、今後も一喜一憂が続くと思われる。

ドル円見通し 株安円高一服するも戻りは鈍い(5/15)

ドル円見通し 株安円高一服するも戻りは鈍い

【概況】

5月5日のトランプ大統領による対中国関税引き上げ宣言からリスク回避的な株安債券高・米長期債利回り低下となりドル円は5月6日に111円を割り込んだ。9日と10日の米中閣僚級協議では合意に至らず、10日に米国は制裁関税拡大を表明する中で先週末には109.47円まで続落した。
米中双方が制裁関税対象及び税率を引き上げた13日には109.02円まで一段安したが、トランプ大統領が米中協議への楽観見通しを述べたこと等から株安が一服、ドル円も109円割れをひとまず回避して14日午後には109.77円まで戻したが、その後は横ばいとなっている。

トランプ米大統領は13日にホワイトハウスでの夕食会で「米中貿易摩擦の解消について楽観している」と発言したと報じられて株安にはブレーキがかかった。14日には「習主席への尊敬と友情は無限大」と述べて6月下旬の大阪でのG20において米中首脳会談を望む姿勢を示した。米中貿易戦争激化を懸念してNYダウは13日に前日比617.38ドル安と大幅下落し、株安債券高により米10年債利回りは5.2ベーシスポイント低下して2.4033%となり、ドル円も13日深夜に109円ギリギリまで円高が進行するなどリスク回避感が高まったのだが、14日は落ち着いてダウは270ドル高と反発、米10年債利回りも2.41%へやや上昇、ドル円も109円割れを回避してやや戻したという状況だが、悲観が一掃されたわけではなく、株の反発も長期債利回りの上昇もドル円の上昇もまだ鈍い。

【米中問題はまだ混沌】

中国は13日に米国からの600億ドル相当の輸入品に対する追加関税を最大25%に引き上げるとし、米国も13日に従来までの対象外だった3000億ドル相当の中国製品3805品目に最大25%の関税を上乗せするとした。
中国外務省の報道官は14日の記者会見で「自らの権益を守ろうという中国の決意をアメリカは低く見積もるべきでない。中国は貿易戦争を戦いたくないが絶対に恐れもしない。さらに圧力を強めるのならどこまでもつきあう」と述べて米国への反発姿勢を示したが、その一方で「米中両国の首脳はさまざまな方法を通じて連絡を続けている」と述べて交渉の継続姿勢を示した。

トランプ大統領は関税強化による打撃への対策として「中国は恐らく利下げするだろう」がFRBが同様にすれば「ゲームオーバーだ。我々は勝つ」とツイートする一方、ルイジアナ州での演説では「FRBの金融緩和が必要だ」とも述べて株安への影響への懸念も抱えているところを見せた。
米中問題は混沌とし、市場心理も悲観が一挙に拡大する場面やその揺れ返し的な楽観が繰り返されており、今後も一喜一憂が続くと思われる。米国の対中国制裁関税の対象が全品目にまで拡大したため、ひとまず制裁合戦のピークには到達しているかもしれないが、今後はそれが発動されて実体経済に影響がどの程度出るのかにより、市場も材料を織り込んで落ち着けるのか、実体の悪化から先行き悲観が増してゆくのか見定めてゆく展開に入る。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、5月9日深夜安値でボトムを付けて下げ渋っていたが、13日夜に底割れしたために新たな弱気サイクルに入ったとして次の安値形成期となる14日夜から16日深夜にかけての間への下落を想定した。また新たな強気サイクル入りは10日の戻り高値110.04円を超えるところからとし、超えないうちは一段安警戒とした。13日深夜安値の後は戻しているが10日午前高値超えには至っていない。ボトム形成を短縮して強気サイクル入りするケースもあるので109.77円超えからは強気転換注意とし、10日午前高値超えからは強気サイクル入りとして15日の日中から17日にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では13日夜の一段安により遅行スパンが悪化、先行スパンからの転落状況も継続したが、その後の反発により15日朝時点では遅行スパンが好転、先行スパンも上抜けている。このため、遅行スパン好転中は高値を試す可能性を優先するが、遅行スパンが再び悪化するところからは下げ再開からの一段安警戒とする。

60分足の相対力指数は13日夜に20ポイント台前半まで低下したが、9日深夜安値から13日夜安値への一段安では指数のボトムがほぼフラットとなりその後の上昇で50ポイント台へ戻した。50ポイントを上回るか一時的に割り込んでも回復するうちは戻り高値を試す可能性ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開の可能性ありとして30ポイント割れを目指す流れを想定する。

【当面の主な予定】

5/15(水)
11:00 (中) 4月 小売売上高 前年同月比 (3月 8.7%、予想 8.6%)
11:00 (中) 4月 鉱工業生産 前年同月比 (3月 8.5%、予想 6.5%)
15:00 (独) 1-3月期GDP速報値 前期比 (前期 0.0%、予想 0.4%)
15:00 (独) 1-3月期GDP速報値 前年同期比 (前期 0.6%、予想 0.7%)
15:00 (独) 1-3月期GDP速報値・季調前 前年同期比 (前期 0.9%、予想 0.7%)
18:00 (欧) 1-3月期GDP改定値 前期比 (速報 0.4%、予想 0.4%)
18:00 (欧) 1-3月期GDP改定値 前年同期比 (速報 1.2%、予想 1.2%)

21:30 (米) 4月 小売売上高 前月比 (3月 1.6%、予想 0.2%)
21:30 (米) 4月 小売売上高・除自動車 前月比 (3月 1.2%、予想 0.7%)
21:30 (米) 5月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (4月 10.1、予想 8.0)
22:15 (米) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 -0.1%、予想 0.0%)
22:15 (米) 4月 設備稼働率 (3月 78.8%、予想 78.8%)
23:00 (米) 5月 NAHB住宅市場指数 (4月 63、予想 64)
23:00 (米) 3月 企業在庫 前月比 (2月 0.3%、予想 0.0%)
25:00 (米) バーキン・リッチモンド連銀総裁、講演

5/16(木)
08:50 (日) 4月 国内企業物価指数 前月比 (3月 0.3%、予想 0.2%)
08:50 (日) 4月 国内企業物価指数 前年同月比 (3月 1.3%、予想 1.1%)
10:30 (豪) 4月 新規雇用者数 (3月 2.57万人、予想 1.50万人)
10:30 (豪) 4月 失業率 (3月 5.0%、予想 5.0%)
18:00 (欧) 3月 貿易収支・季調済 (2月 195億ユーロ、予想 190億ユーロ)
18:00 (欧) 3月 貿易収支・季調前 (2月 179億ユーロ)
21:30 (米) 4月 住宅着工件数・年率換算件数 (3月 113.9万件、予想 120.9万件)
21:30 (米) 4月 建設許可件数・年率換算件数 (3月 126.9万件、予想 128.7万件)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 22.8万件、予想 22.1万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 168.4万人、予想 168.0万人)
21:30 (米) 5月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (4月 8.5、予想 9.0)
25:05 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演
27:00 (メ) メキシコ中銀、政策金利 (現行 8.25%、予想 8.25%)

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    ・トランプ政権の「ロシアゲート」の広がり ◎↓
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