ドル円見通し 米中協議始まる、進捗状況と結果待ちの中で3月25日安値を割り込む(5/10)

9日深夜にかけては下落基調が続き109.47円の安値をつけて3月25日安値109.72円を割り込んだ。その後はやや戻している。

ドル円見通し 米中協議始まる、進捗状況と結果待ちの中で3月25日安値を割り込む(5/10)

【概況】

5月5日にトランプ大統領が中国への追加制裁関税発動を表明したことで週明け6日に110.27円へ急落、さらに7日には米政府が中国への追加制裁関税を10日から発動すると公示したことで続落となり110円を割り込んだ。9日も深夜にかけては下落基調が続き109.47円の安値をつけて3月25日安値109.72円を割り込んだ。その後はやや戻している。

米国時間9日夜(日本時間10日早朝)から米中閣僚級協議の初日が始まった。開始前にトランプ米大統領が「中国の習近平国家主席から素晴らしい書簡を受け取った」と述べたため、急転直下の合意もありうるとしてNYダウは一時450ドルを超える下落だったが終値では138.97ドル安まで下げ幅を削った。ドル円も深夜安値の後は突っ込み警戒感でやや戻している。
トランプ大統領の追加関税発動については合意を急いだための駆け引きであって結局は合意するのではないかとの観測もあるが、決裂により強い姿勢を示したことでの支持評価を目指しているのかは結果をみるまで分からないところだ。9日の協議終了時に中間報告的な高官発言が決裂感を強めるか、決裂回避感を強めるのかにより動きも変わってくるが、日本時間の明日朝2日目の協議が終わった段階でどうなるのか、その反応は週明けからと思われる。

米労働省が発表した4月の生産者物価指数は前月比0.2%上昇で市場予想と一致、エネルギーと食料品を除いたコア指数は0.1%上昇で予想の0.2%を下回った。前年同月比では全体が2.2%上昇、コアが2.4%上昇でいずれも予想を下回った。米労働省が発表した週間新規失業保険申請は季節調整済みの22万8000件で前週比2000件減少したが市場予想の22万件を上回った。失業保険受給者総数は168万4000人で前週比1万3000人、市場予想の167万人を上回っている。

【3月25日安値を割り込んだ意味】

3月25日安値109.72円を割り込んだ。このため1月31日安値と3月25日安値を結ぶ支持線割れに続き、上昇トレンド形成中の底上げパターンも崩れた。米中協議決裂等でさらに円高ドル安が進むようだと1月3日からの上昇一巡による下落開始感が強まり、今後の下値支持線が1月31日安値108.50円、1月3日暴落時の下ヒゲを除いた安値水準である107.50円前後へと段階的に切り下がる可能性がある。
ただし、3月5日から4月24日へわずかに高値を更新した後のため、レンジ拡張型=高値更新の後に安値を更新してもまた高値更新へと揺れ返しを続ける可能性も残る。米中協議が合意するか、合意が極めて近い現実感を伴って協議継続となる場合は111円超えから上昇再開として4月24日高値超えを目指すレンジ拡張の上昇期に入る可能性が高まると思われる。

【60分足一目均衡表、サイクル分析と今週の目安】

【60分足一目均衡表、サイクル分析と今週の目安】

概ね3日から5日周期の短期的な高値安値形成サイクルでは5月6日午前安値を直近のサイクルボトムとして反発したが、7日午前時点では戻りは短命の可能性があるので111円台を回復できない内は110.50円割れから6日午前安値試しとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとした。
8日未明の下落で6日午前安値を割り込んだため、8日朝時点では6日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして9日から13日にかけての間への下落を想定した。9日深夜へ続落し、その後は下げ渋っているもののまだ10日夜、13日朝への下落余地が残る。ただし6日午前安値からも4日目に入るので110円超えからはいったん強気サイクル入りの可能性を優先して8日夜高値110.26円試しとし、高値更新の場合は10日夜から13日夜にかけての間への上昇を想定する。いったん強気転換した後にこの間の安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとして14日夜から16日深夜にかけての間への下落が想定される点に注意する。

60分足の一目均衡表では3日夜からの下落で先行スパンから転落し、7日夜の下落で遅行スパンも悪化した。9日深夜安値からはやや戻しているので遅行スパンは好転しやすい位置にある。先行スパン帯が戻り抵抗と思われるので、先行スパン突破へ至らない内は一段安警戒とするが、遅行スパン好転からは高値試し優先として先行スパン突破を試すとみる。

60分足の相対力指数は8日昼安値から9日深夜へ安値を更新する間で指数のボトムが切り上がる強気逆行型のため、50ポイント超えからは戻り高値を試しに向かいやすいとみる。ただし50ポイント超えを維持できずに再び30ポイント割れとなる場合は一段安入りが警戒される

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、5月9日深夜安値109.47円を下値支持線、110.00円、次いで8日夜高値110.26円を上値抵抗線とする。
(2)110円を超えないかわずかに超えても維持できない内は一段安警戒とし、9日深夜安値割れからは109円前後試しを想定する。109円割れではいったん買い戻しも入りやすいとみるが、リスク回避感が強まる中での下落なら108円台後半まで突っ込む可能性ありとみる。
(3)110.26円超えからは強気サイクル入りとして110.50円試しとするが、110.50円手前では戻り売りに崩されやすいとみる。ただしリスクオン心理が拡大するような材料を伴って110.50円超えとなる場合はさらに反騰継続として111円へ迫ってゆく可能性もあると注意する。

【当面の主な予定】

5/10(金)
10:30 (豪) 豪準備銀行(RBA) 四半期金融政策報告
15:00 (独) 3月 貿易収支 (2月 179億ユーロ、予想 200億ユーロ)
15:00 (独) 3月 経常収支 (2月 163億ユーロ、予想 260億ユーロ)
17:30 (英) 1-3月期 GDP速報値 前期比 (前期 0.2%、予想 0.5%)
17:30 (英) 1-3月期 GDP速報値 前年同期比 (前期 1.4%、予想 1.8%)
17:30 (英) 3月 貿易収支・物 (2月 -141.12億ポンド、予想 -138.00億ポンド)
17:30 (英) 3月 貿易収支・全体 (2月 -48.60億ポンド、予想 -46.00億ポンド)
17:30 (英) 3月 鉱工業生産指数 前月比 (2月 0.6%、予想 0.1%)
17:30 (英) 3月 鉱工業生産指数 前年同月比 (2月 0.1%、予想 0.5%)
17:30 (英) 3月 製造業生産指数 前月比 (2月 0.9%、予想 0.2%)

21:30 (米) 4月 消費者物価指数 前月比 (3月 0.4%、予想 0.4%)
21:30 (米) 4月 消費者物価指数 前年同月比 (3月 1.9%、予想 2.1%)
21:30 (米) 4月 消費者物価コア指数 前月比 (3月 0.1%、予想 0.2%)
21:30 (米) 4月 消費者物価コア指数 前年同月比 (3月 2.0%、予想 2.1%)
21:30 (米) ブレイナード米FRB理事、会議の冒頭の挨拶
22:08 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
23:00 (米) ウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁、講演
27:00 (米) 4月 月次財政収支 (3月 -1470億ドル、予想 1650億ドル)

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