ドル円は3月安値109.70円に急接近、米中協議を注視(5/9夕)

9日の東京市場は、ドルが小幅安。再び110円を割り込むと、前日安値109.90円を更新する局面も観測されていた。

ドル円は3月安値109.70円に急接近、米中協議を注視(5/9夕)

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9日の東京市場は、ドルが小幅安。再び110円を割り込むと、前日安値109.90円を更新する局面も観測されていた。

ドル円は110.05-10円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。引き続き110円レベルを、しっかり割り込めない動きを続けてきたが、日経平均株価が大きく下落したことが嫌気され、為替もリスク回避の動きが優勢となった。日中安値圏である109.80-85円まで下落したのちは、低位にての一進一退。109.80-00円といったレンジ取引をたどるなか、16時時点では最安値圏の109.80円前後で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、仮想通貨ビットコインは小高く推移。先日ワンタッチのみにとどまり、しっかりとは越えられなかった6000ドルの大台に乗せただけでなく、6100ドル台も回復。堅調推移が光っていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」について。
9-10日に実施される閣僚級協議を前に、引き続き米中ともにジャブの応酬となった。たとえば、米ホワイトハウス報道官「中国は通商合意実現に意欲示す」、中国商務省「対中関税引き上げ実行なら報復」といった発言などが聞かれるなか、トランプ米大統領から「中国はディールを破った」、「中国について心配無用、すべてはうまくいく」との発言が聞かれ、物議を醸していたようだ。
そのほか単発モノとして、朝鮮中央通信「北朝鮮報道官、『飛翔体発射は正常な軍事訓練の一環』と発言」、北京放送「夏季ダボス会議、7月1日から中国大連で開催」、英紙「メイ英首相、辞任は秋以降か」、黒田日銀総裁「少なくとも20年春ごろまで現在の極めて低い金利を維持」−−などといった発言やニュースが報じられている。

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日経平均株価は4日続落。10連休明け以降も、連日で値を下げていることになる。それもあり、為替市場はリスク回避志向が強いものの、ドル円はというと、それでも目先安値は109.80円程度まで。むしろ、思いのほかドルは底堅い印象だ。取り敢えず下値ではビッドもしっかりしているが、3月安値である109.70円を下回れば、さらなる深押しが入る可能性も取り沙汰されていた。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」に対する警戒感も強いが、目先的には9-10日に実施される「米中閣僚級貿易協議」が最重要ファクターか。米国サイドからはやや楽観的な見方も聞かれるが、中国も国内世論を考えると安易な妥協はできそうにない。と言うより、株式市場の動きなどを見ると、決裂といった最悪の状況を想定する向きも増えている感を否めないだろう。ただ、逆に言えば順調に協議が進展し、妥結に向けての道筋などが示されるようだと、ドルが大きく買い戻される可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドルは小幅に続落すると、110円割れ。まだザラ場ではあるが、110円以下のレベルへと定着しそうな感もうかがえはじめた。そんなドルのサポートは、まず3月安値の109.70円、さらに年初来安値104.10円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しの109.20-25円などとなる。そして、後者を下回ると108円台突入の芽も。

一方、材料的に見た場合、3月の貿易収支や2月の生産者物価指数といった米経済指標の発表が予定されているほか、米財務省による30年債の入札も実施される見込みだ。また、パウエルFRB議長によるスピーチ、エバンズ・シカゴ連銀総裁の講演なども行われるもようで注意を払いたい。
そのほか、再三再四指摘している「米中閣僚級貿易協議」はもちろんのこと、日米については訪米へと旅立った菅官房長官の動静が気掛かりだ。ちなみに、後者は現地時間の9日午後にシャナハン国防長官代行やポンペオ国務長官と個別に会談すると報じられていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.20円。ドル高・円安方向は、これまでサポートとして寄与してきた110円レベルが最初の抵抗。超えてくれば、一目の雲の下限が位置する110.30円などが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、3月安値である109.70円の攻防にまずは注視。割り込めばフィボナッチサポートの109.20-25円などを目指す。ポジションの偏りを加味すると、本格的な下げとなれば108円台突入も否定できない。

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