ドル円10連休を前に今週も動きにくい(週報4月第4週)

今週は火曜から欧米勢は戻ってきますが、東京勢は週末からの10連休を控えて特に材料が無ければ様子見を決め込む状況となりそうです

ドル円10連休を前に今週も動きにくい(週報4月第4週)

今週の週間見通し

先週のドル円は、先週の概要でも連日動かずと書いた通りで、金曜にはついにユーロ導入後の歴代最小レンジに並ぶ11銭とまるで固定相場状態でした。また、週間レンジも40銭に留まり、こちらは同期間において2番目に狭いレンジとなります。注目の日米通商協議では反応するような材料が出ず、週末を挟んで欧米の主要市場がイースター休暇ということもあって市場参加者は主要通貨ペアからは離れていたように思えます。

今週は火曜から欧米勢は戻ってきますが、東京勢は週末からの10連休を控えて特に材料が無ければ様子見を決め込む状況となりそうですから、今週も先週同様に冴えない一週間になりそうです。
ただ、動きが止まった後は大きく動くということもありますので、今週気にすべき材料について書いていきましょう。

先週の日米通商協議では市場参加者の反応は無かったものの、米国側からのコメントとして対日貿易赤字を気にしている発言がありますし、協議前にはムニューシン財務長官から為替条項も考慮する旨の発言がありました。先週の協議では早期決着のために協議範囲を狭めること、そして具体的な協議は次回以降といった程度に見えましたが、日本側からは茂木経済財政政策担当相が為替は財務省の管轄といった発言をしています。何も話が出なければ、こんなことをあえて言うことはありませんので、為替条項について米国側から切り出されたと考えてよさそうです。

また、今週末26・27日には日米首脳会談がありますが、その前に日米閣僚での協議がもたれる予定となっていますし、そろそろ米国財務省による為替報告書が議会に提出される時期でもあります。日本は中国、ドイツと並んで監視リスト常連ですし、中国に対しては人民元の話が出たり、日米後の対EU協議に向けて制裁関税の話を持ち出したりと、日本にだけ甘い態度で臨むとも思えません。最終的には6月のG20大阪サミットまでの最終合意を考えていると思いますが、そのゴールに向けて今週末はハードルのひとつであることは間違いありません。

その場合、米国が日本に対して何か言ってくる、それに対して日本が判断し、双方の妥協点を見つけるということになりますので、材料としては円高材料となります。ただ、よほどのことが無い限り、急落ということは考えにくく、水準をやや円高方向にシフトしたという程度の動きに収まるとは思っています。

テクニカルな観点から日足チャートを見てみましょう。

先週は動きがほとんどありませんので、基本的に前回書いたことが今週もそのまま当てはまります。つまり、1月4日からの上昇チャンネル(ピンクの平行線)の中での推移であること、2015年高値からのレジスタンス(赤の太線)が現在112.70水準を下降中で、そのラインが強いレジスタンスになること、です。

しかも、先週は3月高値を超える動きがあったものの、まったく追随する動きは見られず、改めて112円台前半ではまだドル売りが残っていることを感じさせる動きとなりました。今週も多少の高値更新があったとしても、それをきっかけにドル高に動くというよりは絶好の戻り売りの場とされる可能性が高いであろうと考えられます。

今週は基本はもみあい継続も、何かある場合には円高に動く可能性の方が高いというスタンスで111.25レベルをサポートに、112.25レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

*10連休中の予定ですが、来週は一週間お休みをいただき、5月6日から再開いたします。

今週の週間見通し

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2019年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、ボストン、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

4月22日(月)
**:**  日本と米国を除く主要市場休場
23:00 米国3月中古住宅販売件数


4月23日(火)
22:00 米国2月住宅価格指数
23:00 ユーロ圏4月消費者信頼感速報値
23:00 米国4月リッチモンド連銀製造業景況指数
23:00 米国3月新築住宅販売件数


4月24日(水)
**:** 日銀会合(〜25日)
10:30 豪州1〜3月期CPI
15:00 南ア1〜3月期消費者信頼感
15:45 フランス4月企業景況感
17:00 ドイツ4月ifo企業景況感
23:00 カナダ中銀政策金利発表
23:30 週間原油在庫統計

4月25日(木)
**:** 日銀会合結果発表
15:30 黒田日銀総裁会見
18:30 南ア3月PPI
20:00 トルコ中銀政策金利発表
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 デギンドスECB副総裁講演
21:30 米国3月耐久財受注


4月26日(金)
07:45 NZ3月貿易収支
08:30 本邦2月失業率・有効求人倍率
08:30 本邦4月東京区部CPI
10:30 豪州1〜3月期PPI
10:30 豪州1〜3月期輸入物価指数
15:45 フランス4月消費者信頼感
21:30 米国1〜3月期GDP速報値
23:00 米国4月ミシガン大消費者信頼感確報値
**:** 日米首脳会談(〜27日)


28日(日)
 **:** スペイン総選挙

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

4月15日(月)
週明けのドル円は同意薄の一日となりました。日経平均株価は22,000円台乗せとなりましたが、為替市場は輸出のドル売りとぶつかって仲値前の112.10レベルを高値に、その後は日米通商協議を控えて様子見のまま、1日のレンジもわずか21銭に留まりました。


4月16日(火)
ドル円は株高にも関わらず同意薄の一日となり、日米通商協議の行方を見守る展開が続きました。NY引け時点では協議継続中で、引け後に日米双方からコメントは出たものの交渉の範囲が示された程度で、動きには繋がりませんでした。


4月17日(水)
ドル円は株高の動きも手伝って朝方に112.17レベルと3月高値をわずかに上抜ける動きが見られたものの、その後はドル売りオーダーにも阻まれ112円へと押してからは終日狭い値幅での取引に終始しました。

4月18日(木)
ドル円は寄り付き直後から下げ足を強めた日経平均株価を横目で見ながらドル売りが先行、その後も株安とともに欧州市場序盤には111.77レベルの安値をつけました。しかし、ユーロドルが大きく下げる動きがドル買い戻しにつながり、112円を回復後は112.00近辺での小動きのまま引けました。


4月19日(金)
金曜のドル円は全く動かずの一日となりました。グッドフライデーで欧米を中心に主要市場が休場となりましたが、1日のレンジはわずか11銭。これは24時間の値幅としてはユーロ導入後(過去20年強)において最も狭いレンジに並びました。当然何も無いままの週末クローズとなりました。

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