ドル円見通し112円に届かず仕切り直しECB理事会やFOMC議事録待ち(4/9)

ECB理事会とドラギ総裁会見、米FOMC議事録公開を控えてのポジション調整買いと思われるが、ドル安要因となってドル円には下落圧力となった。

ドル円見通し112円に届かず仕切り直しECB理事会やFOMC議事録待ち(4/9)

【概況】

1月3日の暴落時安値からの出直り上昇が2か月間続いてきたが、3月5日高値112.12円からは失速し、3月20日の下落で3月8日安値を割り込んだために二段下げ型となったのだが、3月25日からの反騰で4月5日高値111.82円まで戻し、直前下げ幅に対しては8割強のリバウンド率となった。今後、3月5日高値を超えてゆけばダブル天井破りによる一段高入りとなり、1月3日からの上昇も第二段階に入って昨年10月4日天井114.54円を目指す可能性も出てくるところだが、ダブル天井破りへ進むには材料不足として4月5日夜高値の後はやや失速している。

週明けはユーロが反発、原油高から資源通貨が上昇、新興国通貨も買い戻されてドル安感が強まり、週末まで連騰してきたNYダウも下げたためにドル円は111円台序盤まで下げた。
ユーロは3月21日未明の米FOMCでドル売り材料一巡となって急落に入り、その後は欧州経済指標の鈍化・悪化やブレクジット問題の混乱等から4月2日安値1.1182ドルまで続落して3月7日安値1.1176ドルに迫ったが、底割れをひとまず回避してやや戻している。4月10日にはECB理事会とドラギ総裁会見、11日未明には米FOMC議事録公開を控えてのポジション調整買いと思われるが、ドル安要因となってドル円には下落圧力となった。

【リスク回避的諸要因、中東情勢、米中問題】

4月8日はNY原油が前日比1.32ドル高の64.40ドルへ上昇、上昇率は凡そ2%だったが、12月24日底からの上昇がさらに加速している。12月からの反騰はOPECやロシア等による協調減産がきっかけだったが、サウジやロシアの減産よりも政情不安によるベネズエラの減産やイラン制裁による減産が全体の供給量を減らしたことが相場を押し上げてきた。この状況に加えてリビアの内戦が激化したこと、米国がイラン軍をテロ組織に指定したこと、その対抗措置としてイランが米国をテロ支援国家指定したことで中東情勢不安が強まったことが一段高要因となったようだ。原油高は資源通貨高を招いてドル円にはドル安効果となりやすい。
イスラエルのゴラン高原占領地に対してトランプ大統領が主権を認める姿勢を示したことでトルコ等が反発していることも地政学的リスクの高まりとして意識されている。

米中通商協議については先週のワシントンでの閣僚協議では結論が出ず、今週も電話協議が続いているようだが、ホワイトハウスの通商担当顧問ウィレムス国家経済会議(NEC)副委員長は「幅広い分野で進展が見られているものの我々は幾つかの点で満足していない」と述べており、まだ合意への楽観が見えないところだ。
先週末にはトランプ大統領が「合意できるか予断を持ちたくない」「合意できるかどうかは4週間前後で分かる」と述べて4月中の米中首脳会談実現と合意が難しい印象を与えている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、4月3日午前安値を前回のサイクルボトムとして上昇したが、4月2日高値から3日目となる4月5日夜高値で直近のサイクルトップをつけて弱気サイクル入りしたと思われる。3日午前安値を基準として今回の安値形成期は4月8日から10日午前にかけての間と想定されるので、早ければ8日夜安値をボトムとして上昇期に入る可能性もあるが、5日夜高値を超えない内は一段安余地が残り、特に111.50円以下での推移中は下向きと思われる。4月5日高値更新からは新たな強気サイクル入りとして4月10日夜から12日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では8日午前の下落で先行スパンから転落した。先行スパンから転落中は安値試し優先とする。11.60円を超える状況が続けば遅行スパンが好転し、先行スパンも上抜けてくるので高値試し優先とするが、その場合でも両スパン揃って再び悪化するところからは下げ再開と思われる。上昇本格化のためには5日夜高値を上抜く必要がある。

60分足の相対力指数は8日午前と夜の安値形成時で指数のボトムが切り上がり気味のため小規模な強気逆行の可能性がある。50ポイント台を維持して上昇なら5日夜高値試しへ向かう可能性ありとするが、50ポイントに乗せても維持できない内はもう一段安へ進む懸念が残り、40ポイント割れからは下げ再開注意とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4月8日夜安値111.28円を下値支持線、111.60円を上値抵抗線とみておく。
(2)111.60円以下での推移中は下向きとし、111.28円割れからは111.00円前後への下落を想定する。111円割れは買い戻されやすいとみるが、リスク回避要因が強まっての円高なら110.75円前後まで下値目処が切り下がる可能性ありとする。
(3)111.60円超えからは5日夜高値111.82円試しとする。高値更新できずに111.50円割れへ崩れる場合は下げ再開を警戒するが、5日夜高値超えからは3月5日高値112.12円超えを目指す上昇を想定する。ただし、ECB理事会やFOMC議事録等から下落に転じる場合は4月5日夜以降の安値更新から下げ再開とする。

【当面の予定】

4/9(火)
イスラエル総選挙
22:00 IMF、世界経済見通し

4/10(水)
07:45 クラリダFRB副議長、講演
08:50 (日) 3月 国内企業物価指数 前月比 (2月 0.2%、予想 0.2%)
08:50 (日) 3月 国内企業物価指数 前年同月比 (2月 0.8%、予想 1.0%)
08:50 (日) 2月 機械受注 前月比 (1月 -5.4%、予想 2.9%)
08:50 (日) 2月 機械受注 前年同月比 (1月 -2.9%、予想 -4.6%)
09:30 (豪) 4月 ウエストパック消費者信頼感指数 (3月 98.8)
15:15 (日) 黒田東彦日銀総裁、信託大会で挨拶
17:30 (英) 2月 商品貿易収支 (1月 -130.84億ポンド、予想 -128.51億ポンド)
17:30 (英) 2月 貿易収支 (1月 -38.25億ポンド、予想 -39.00億ポンド)

17:30 (英) 2月 鉱工業生産指数 前月比 (1月 0.6%、予想 0.1%)
17:30 (英) 2月 鉱工業生産指数 前年同月比 (1月 -0.9%、予想 -0.8%)
17:30 (英) 2月 製造業生産指数 前月比 (1月 0.8%、予想 0.2%)
20:45 (欧) 欧州中央銀行(ECB)理事会
21:30 (欧) ドラギ欧州中銀(ECB)総裁、定例記者会見
21:30 (米) 3月 消費者物価指数 前月比 (2月 0.2%、予想 0.3%)
21:30 (米) 3月 消費者物価指数 前年同月比 (2月 1.5%、予想 1.8%)
21:30 (米) 3月 消費者物価コア指数 前月比 (2月 0.1%、予想 0.2%)
21:30 (米) 3月 消費者物価コア指数 前年同月比 (2月 2.1%、予想 2.1%)
27:00 米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
27:00 (米) 3月 月次財政収支 (2月 -2340億ドル、予想 -2128億ドル)

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