リスクはドル高、年初来高値も視界内に(週報4月第2週)

先週のドル/円は、ドルが堅調裡。移動平均の200日線が強い抵抗となり、なかなか越えられなかったが、週末にかけて同レベルをNYクローズでも超えてきた。

リスクはドル高、年初来高値も視界内に(週報4月第2週)

リスクはドル高、年初来高値も視界内に

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドルが堅調裡。移動平均の200日線が強い抵抗となり、なかなか越えられなかったが、週末にかけて同レベルをNYクローズでも超えてきた。

前週末に実施されたウクライナ大統領選について、地元メディアが「トップは人気コメディアン、4月21日に決戦投票実施へ」などと報じるなか、週明けの市場が寄り付いた。ドル/円は先週末のNYクローズより、ややドル高・円安の111円前後でオープン後、しばらくは揉み合い。
しかし、上値をギャップしていた111.20円レベルを超えると代替わり。続けて移動平均の200日線が位置した対抗の111円半ばも上抜け、週間高値である111.82円へ。週末に発表された注目の米雇用統計も好数字でドルの支援要因になっていたという。そのまま週末NYはドルの高値圏、110.70円前後で取引を終え、越週している。

なお、為替市場はポンドを中心に、なかなか荒れ模様の展開をたどった通貨ペアも少なくなかったが、先週もっとも注視されていたのは仮想通貨。ビットコインは2日に突然20%もの暴騰、5000ドル台を回復し、ロイターが「『仮想通貨の冬』が終わる」と報じるほどだった。また、その後も乱高下を繰り返すなど、値動きは定まらず。

一方、週間を通して注目された材料は、「英国情勢」と「米中通商協議」について。
前者は、「英議会がメイ首相のEU離脱案を3度目の否決」したことに続き、スカイニュース「英中銀総裁は『合意なき離脱リスクが高い』と発言」、ブルームバーグ「EU、英の長期離脱延期がもっともあり得る展開と認識」といったようにネガティブな見通しが相次ぎ観測されていた。しかし、週末にBBCが「EU大統領が英EU離脱の12ヵ月間延期を提案」と報じ、ポンド安の流れに変化も。

対して後者は、3-5日に実施される閣僚級協議を前に、英紙FTが「米中当局者、貿易合意に向けた問題の大半を解消」と報じ、これが111円半ば突破に向けたドル買いの材料となっていた。その後も、トランプ米大統領や米NEC委員長から「米中通商協議は進展している」などといった楽観的な発言が相次ぐなか、ついには中国サイドからも「習主席、米国での貿易協議で大幅な進展」、「習主席が中国と米国の貿易協議めぐる文書で早期決着求める」(ともに新華社電)といった報道が観測され、協議進展への期待感が一週間を通してドルの支援要因となっていたことは間違いない。
そのほか、週の初めに「日本の新元号が決定、5月から『令和』」となることが決定、日本株市場ではご祝儀買いの動きなども観測されていた。

<< 今週の見通し >>

テクニカルには、ドルの上値を抑制してきた移動平均の200日線(111円半ば)を、週末のNYクローズでも超えており、リスクは上方向にバイアス。112円ならびに、112.13円という年初来高値も視界内に捉えられていることは間違いない。なお、昨年高値114.55円を起点としたフィボナッチの観点では、下げ幅の76.4%戻しが112.10円レベルにあたるため、年初来高値を超えれば100%戻しの114.55円がターゲットとなりそうだ。

材料的には、全体を通せばまだら模様ながら、先週末に発表された雇用統計が良好な内容となるなど米景気減速懸念が一服。また、「米中通商協議」も若干予断の許さないところが残っているが、一時期ほどの不安要因ではなくなった。つまり、ドルを積極的に売っていく要因にも乏しい。ただ、唯一気になるのはトランプ米大統領が、FRBに対し利下げと量的緩和再開の強い圧力をかけていることだ。いまのところ、為替市場の反応はいまひとつだが、今後の動静如何ではドル売り要因として意識される危険性も取り沙汰されている。

テクニカルに見た場合、先週末には111.80円台まで値を上げ、112円そして年初来高値の112.13円も視界内に捉えた動きとなっている。リスクはドル高方向にバイアスがかかりそう。
しかし、3月28日の安値110円前後を起点に1週間以上、2円近い上昇をたどっていることで、調整を懸念する声も聞かれている。先週上回ってきた111円半ばの移動平均200日線をしっかりと割り込むようだと、再び上値トライは「ダマシ」だった可能性も否定できなくなるだけに、攻防には引き続き注意を払いたい。

一方、材料的に見た場合、2月の製造業受注や3月の消費者物価指数、4月のミシガン大消費者信頼感指数といった米経済指標が相次ぎ発表される予定となっている。先週発表された米雇用統計がなかなかの好数字だっただけに、それに続く良い内容となるのか要チェックだ。
そのほか、FRB当局者などによる講演に加え、米金融機関を中心に発表が始まる1-3月期決算、週末にかけて実施されるG20財務相・中銀総裁会議も波乱要因となりかねないかもしれない。

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