ドルに続伸リスク、200日線めぐる攻防注視(4/2夕)

2日の東京市場は、揉み合い。前日に111円台をしっかりと回復した感はあるものの、本日は111円台前半、かなり狭いレンジ取引に終始している。

ドルに続伸リスク、200日線めぐる攻防注視(4/2夕)

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2日の東京市場は、揉み合い。前日に111円台をしっかりと回復した感はあるものの、本日は111円台前半、かなり狭いレンジ取引に終始している。

ドル/円は懸案であった111円台を回復し、111.30-35円で寄り付いた。しかし上値も重く、ドルは続伸するに至らず。結局、終日を通して111.25-45円といった20ポイント程度の膠着相場に。明確な方向性がうかがえないまま、16時時点では111.35-40円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、東京時間はドル/円以外の通貨ペアも総じて静か。ポンド/円は、前日のNY時間最終盤に146円台から145円台前半へと1円程度の急落をたどったものの、東京では落ち着いた動き。145円前半を中心とした一進一退にとどまっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、引き続き「EU離脱」に絡む報道や発言が目につく。最大の注目材料は「英下院、EU離脱をめぐる政府案の代わりとなり得る選択肢4件の採決すべて否決」したことで、下院は離脱協定案を合計3回否決したことになる。そのため、我慢を重ねてきた国内外から「いい加減にしてほしい」といった非難や、突き放したコメントも徐々に増えてきている。
対して後者は、韓国大統領府が「11月の『韓国・ASEAN首脳会議』に北委員長の招請検討」と発表、米ラジオが「米国務長官、米朝首脳再会談は『数ヵ月以内』を期待と発言」と報じるなど、ややポジティブな感もうかがえた反面、聯合ニュースは「韓国高官、北が『衛星』を主張しても長距離ミサイルとの認識の方針」と指摘するなど、楽観ムードに釘を刺すような報道も観測されていた。

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昨年来、レンジブレークについては「ダマシ」の多いことが特徴のひとつだが、今回ばかりは111円台をしっかりと回復、ようやくレンジを上抜けてきた感がある。移動平均の200日線が位置する111円半ばを超えられていないところが一抹気掛かりだが、リスクはドル高方向にバイアスが掛かりそう。200日線を超えると112円台乗せ、112.13円の年初来高値も視界内に。

材料的に見た場合、先週に続き実施される「米中閣僚級通商交渉」に注目。トランプ氏からは依然として「楽観的な見方」が聞かれ、マーケットもそれを織り込む動きとなっているが、果たしてどうか。2月の米朝首脳会談のような、「突然のちゃぶ台返し」を警戒する声も聞かれる。そのほか、発表される米経済指標などにも、引き続き注意を払いたいところだ。

テクニカルに見た場合、昨日のNY時間に強い抵抗だった111円台を上抜けしたあとは一度も111円台を下回っておらず、ドルはかなり底堅い感がうかがえるものの、上値も200日線にはとどいていない。基本的なリスクは上向きだが、そうした意味では一抹の不安も残る。ドル高リスクを確立するためにも、200日線をNYクローズでもしっかりと越えていきたいところだろう。
なお、フィボナッチの観点では、年初来高値を起点とした下げ幅の61.8%戻しに当たる111.20円レベルを超えてきており、次の抵抗は76.4%戻しの111.55円レベル。それを超えると全戻し、112円台が見えてくる。

一方、材料的に見た場合、2月の耐久財受注などの米経済指標が発表される予定だ。今週もっとも注視される米経済指標は週末の米雇用統計だが、昨日も発表されたISM製造業景況指数が予想を上回ったことを受け、ドル買いで反応したという実績がある。数字次第だが、指標発表前後の相場動静には注意を払いたい。
そのほか、引き続き「英国情勢」が注視されるほか、スイスやウクライナ、トルコを含めた欧州全般の動きも気掛かりか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-111.80円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線も位置する、直近高値の111円半ばが最初の抵抗。超えた場合には、112.13円の年初来高値が薄っすら視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値圏である111.25円レベル、そして111円など。底堅いイメージだが、上抜け後一度も割り込んでいない111円台を下回るようだと、かなりの深押しが入るといった見方も一部で聞かれていた。

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