下値リスク軽減されたが、上値も重そう(3/27夕)

27日の東京市場は、一進一退。110円半ば挟み、30ポイントにもとどかないレンジ取引で、方向性は乏しかった。

下値リスク軽減されたが、上値も重そう(3/27夕)

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は、一進一退。110円半ば挟み、30ポイントにもとどかないレンジ取引で、方向性は乏しかった。

ドル/円は、110.60-65円で寄り付いたものの、動意に欠ける展開。注目された日経平均株価が一時100円を超える下げを記録したが、為替市場の反応は鈍く、リスク回避の動きも限定的だった。結局、110.40-65円といった狭いレンジ内での一進一退に終始したまま、16時時点では110.50-55円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか、目を見張る変動を記録したのがNZドル。対円では、76円半ば近くから75円台前半まで、一時1円を超す下落となった。NZ中銀が金利据え置きを発表すると同時に、「次の政策金利変更は利下げになる可能性が高い」との見通しを示したことがネガティブサプライズになっていたという。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米政策金利」について。
前者は、引き続き「EU離脱」に絡む報道や発言が目につく状況。幾つか例を挙げると、英紙サン「メイ首相、28日未明に保守党議員向け会合開く」、英首相報道官「27日のブレグジット本採決の可能性は極めて低い」、スカイニュース「アイルランドDUP、英首相交代ともなうEU離脱の長期延期望む」、ロイター「英首相、27日に退陣計画表明か」−−などになる。メイ首相の辞任も待ったなしになってきた感を否めない。

対する後者は、先日のFOMCでFRBが明確なハト派転換したことは周知のなか、サンフランシスコ連銀総裁は「利上げもしくは利下げの必要性は経済データが教えてくれる」と、中立的な発言。しかし、ブルームバーグは「ボストン連銀総裁が『次の動きは利上げの公算』と発言」と報じる反面、NYタイムズは「ムーアFRB理事候補が『昨年9月と12月の利上げは間違いだった』、『ただちに方針転換し0.5%の利下げを実施すべき』と述べた」と正反対の意見を指摘し物議を醸していた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の欧米時間に、目先の抵抗と目された110.25-30円を上抜け、ドルは110.70円近くまで上昇。それを受けて、一時110円割れを記録するようなドルの下値リスクがかなり軽減された感はあるものの、その後の動静をみていると新たなレンジを形成したのかもしれない。しばらくは110.20-111.00円、あるいは109.70-111.20円といったレンジ内での一進一退をたどる可能性もありそうだ。
材料的に見た場合、米中そして米朝関係への関心が高く、引き続き潜在的な波乱要因。ただ、短期的には発表される米経済指標や米要人発言などが警戒されている。前述したように、次の米金融政策については、当局者のあいだでも意見のわかれるところであるため、発表される指標内容などによってはマーケットが勝手に一喜一憂することとなりそうだ。また、米国以外では本日も英国情勢に引き続き注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル下落のリスクは後退したが、上昇リスクが高まったとも言いにくい。敢えて言えば、相場観はスクエアか。パターンを参考にすれば、ドルは多少の時間をかけつつも、上抜けを期待したいところだが、111円前半には移動平均の25日線や同200日線が位置していることもあり、上値は重そう。簡単に抜けていく展開も見込みにくいようだ。
それに対するドルのサポートは、110円前半に位置する一目均衡表の先行帯の雲となる。

一方、材料的に見た場合、1月の貿易収支や10-12月期の経常収支といった米経済指標が複数発表されるほか、米財務省による5年債の入札が実施される見込みだ。
また、本日は米要人ではなく欧州要人、たとえばドラギECB総裁をはじめとする通貨当局者の講演が数多く予定されており、注意を払いたい。なお、英国に関しては、ロイターが「英首相、27日に退陣計画表明か」と報じるなか、「メイ首相が日本時間28日午前2時に保守党議員に向けた会合を開く」との別の報道も観測されていることはやや気掛かり。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.10-111.00円。ドル高・円安方向は、昨日高値の110.70円レベルが最初の抵抗。超えた場合には、110.95円や移動平均の25日線が位置する111.10-15円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もと上回って推移している移動平均の75日(110.40-45)線の攻防を注視。割り込めば、110.25-30円や110円などが意識されよう。(了)

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