<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、ドルが小じっかり。とは言え、ドルは底堅いものの、上値も重く110円台に定着できず。結局、狭いレンジ内を抜けきれなかった。
ドル円は、109.95円前後で寄り付いたのち、じり高推移。日中高値である110.25円レベルまで値を上げたものの続かず。その後は110.00-20円といったレンジでの一進一退をたどっている。昨日終値ベースで650円もの大幅安となった日経平均株価は、本日逆行高。同じく終値ベースで451円高となり、わずかながらリスク志向のドル買いを支援していたようだ。16時時点では、110.05-10円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、昨日荒れたトルコリラは総じて落ち着いた動き。ただ、対円では終盤にかけ、19.60円レベルから20円台へと一時急騰する局面が観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
相も変わらず「EU離脱」に絡む報道や発言が多い。たとえば、英紙サンが1面の社説で「『英首相辞任』を呼び掛け」、メイ首相「離脱協定案は3度目の採決実施支持になお不十分」、欧州委報道官「英が別の手段提示しないかぎり離脱を想定」、「欧州委員会、英国の『合意なき離脱』への備えを完了と発表」−−などになる。
そのほか単発モノとして、ロシア通信「北朝鮮の金委員長、今年の春か夏に訪露」、イエレン前FRB議長「イールドカーブは利下げの必要を示唆」、「米露外相が電話会談、米は『ベネズエラへの介入停止』を要求」、「中仏首脳が会談、中国はエアバス300機購入へ」、麻生財務相「物価だけ上がっても意味がない、全体を考えるべき」−−といった報道や発言が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルの下値不安は払しょくされた感もあるが、如何せん上値も重そう。実際、短期的には先週までドルのサポートとして寄与してきた110.25-30円が今度は強い抵抗となっている。まずは同レベルの攻防に要注意だ。仮に抜けていくようだと、移動平均の75日線が位置する110円半ば、そして110.95円などがターゲットに。
材料的に見た場合、米中そして米朝関係への関心が高く、引き続き潜在的な波乱要因。そうしたなか、足もとは米国ファクターとして、発表される米経済指標や米要人発言などが警戒されている。本日は注目度の高い米経済指標の発表も予定されていることで、米利回りや株価の動きなどに影響を与えれば、相場の波乱要因となりそうだ。また、アイルランド首相の発言ではないが、「英離脱めぐり、EUに疲れ」が見られるだけでなく、金融市場参加者もだいぶ疲弊している感があるものの、英国情勢には引き続き注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、ドル円相場は再び膠着の様相を呈している。実際、先週末からの数日とはいえ、値動きはわずか50-60ポイントに過ぎない。方向性を欠いた状態で、足もとの110円絡みから、上下どちらに放れていくのか、タイミングと抜けていく方向性が注視されている。
前述したように上抜けすれば移動平均の75日線が位置する110円半ば、そして110.95円などがターゲットとなる反面、下抜けした場合にはフィボナッチで見たテクニカルポイントの109.05円が意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、3月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数といった重要な米経済指標が複数発表されるほか、米財務省による2年債の入札、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などによる講演が実施される見込みだ。
そのほか、米国ファクター以外で、欧州ファクターにも要注意。英国情勢はいうまでもないが、ここにきて週末31日に予定されている「ウクライナ大統領選」を警戒する声もチラホラ聞かれている。投票まで残り1週間を切る状況下、関連報道などには目を配っておきたい。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、109.70-110.60円。ドル高・円安方向は、本日東京の高値圏である110.25-30円が引き続き抵抗。超えた場合には、移動平均の75日線が位置する110円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足など短期ベースでは幾度となく下値を支えている109.70-75円の攻防を注視。割り込めば、フィボナッチで見たサポートの109.05円が意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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