2月11日以来の110円割れ、下値余地拡大か(3月4週)

先週のドル/円は、ドル安・円高。週末にかけて、2月11日以来となる110円割れを記録するなど、ドルの弱さが目についた。

2月11日以来の110円割れ、下値余地拡大か(3月4週)

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先週のドル/円は、ドル安・円高。週末にかけて、2月11日以来となる110円割れを記録するなど、ドルの弱さが目についた。

前週末に、香港紙が「米中首脳会談、6月に延期の可能性も」などと報じ物議を醸したが、寄り付いた週明けのドル/円は111.45円レベルと前週末のNYクローズと大差なし。その影響は取り敢えず限定的だった。
その後しばらくは111.15-70円程度のレンジ取引をたどるも、20日のNY時間に下限を割り込むと、そのまま110円台前半へ。1円近い下げ幅をたどったこともあってか、一度は下げ止まるも、週末にかけて下落第2波が到来。ドルは再び下落に転じると、今度は110円を割り込み、週末NYは109.90-95円の週安値圏で取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注目された材料は、「英国情勢」と「FOMC」について。
前者は、引き続き週間を通して「英離脱問題」に絡む様々な発言や報道が相次いだ。週初から英紙FT「英与党議員、離脱案支持の条件として首相に退任時期表明を要求」、BBC「英首相、EU離脱最大2年先送り要請の可能性」、仏大統領府当局者「英のEU離脱延期を拒否する用意」−−などといった報道が観測されるなか、週末にかけて「EU首脳会議、メイ氏提案の『6月末まで延期』案を却下」、EU首脳会議声明「英離脱の4月12日までの無条件延期を提案」−−といった報道も。いよいよ大詰めを迎えつつある感がある。

対して後者は、発表されたFOMCの金利見通しが、事前予想どおり「据え置き」となったものの、声明で「今年は利上げなし、2020年に1回の見通しを示唆」とされたことが嫌気され、前述した20日NYのドル急落トリガーを引く格好となった。なお、その後の記者会見でパウエルFRB議長は「金融政策の判断は忍耐強いものとなる」、「忍耐強くとは判断を急がないことを意味する」などと発言している。

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先週の週半ばまでは、「居心地の良い」111円台、2月半ば以降1ヵ月以上も推移していたレンジを維持していたものの、週末にかけて割り込む展開に。また、その勢いを借りて、週末NYはクローズベースでも110円以下のレベルとなった。さすがに、ドル安方向へのリスクを考えざるを得ない足形で、ドルの続落には注意を払いたい。ちなみに、年初来安値104.10円を起点としたドル上昇に対するフィボナッチ38.2%戻しは109.05円レベル。まずは、同レベルをめぐる攻防に要注意だ。

材料的には、注目されていたFOMCが予想以上にハト派の内容となるなか、不穏な雰囲気が再び漂い始めた米朝関係などがドルの弱材料として浮上している。また、米中通商協議についても、トランプ米大統領から「近く合意する」などと楽観的な発言が聞かれる反面、ブルームバーグが「米政府当局者らは中国との合意が差し迫っているとの見方に否定的な見解を示している」と報じるなど、むしろ懸念を抱く参加者の方が少なくない。予断は許さないが、本邦勢にとっては3月期末の最終週ということもあり、駆け込み的な需給要因を含め、何かあればドル安が進展する展開には要注意という気もしている。

テクニカルに見た場合、2月11日以降、過去1ヵ月以上にわたりドルの下支えとなっていた110.25-30円を週末NYクローズでも、しっかりと割り込んできた。ドル安方向のリスクを考えざるを得ない。
そんなドルの下値メドは、フィボナッチで見た109.05円や、1月31日安値の108円半ばなど。対する抵抗は、週初は110円半ばに位置し、毎日3ポイント程度ずつ上値を切り下げてくる移動平均の75日線か。抜ければ、再び111円台回復も。

一方、材料的に見た場合、3月のリッチモンド連銀製造業指数や、同消費者信頼感指数といった米経済指標が相次ぎ発表される予定となっているほか、週初のハーカー・フィラデルフィア連銀総裁を皮切りに、週間を通して通貨当局者の講演が相次ぐことになる。ここ最近発表される米経済指標はやや冴えない内容のものが多いだけに、引き続きその内容には要注意か。また、当局者がどういった認識を持っているのか、発言にも注意を払いたい。
そのほか、「3月末」という足かせは外れたものの、英国情勢は依然として予断許さず。今週もポンドの動きは波乱含みであるかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.00-111.20円。ドル高・円安については、先週までサポートとして寄与していた移動平均の75日線(週初は110円半ばに位置)の攻防にまずは注視。抜ければ111円前後、そして同じ移動平均の25日線や200日線が位置する111前半から半ばがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値である109.75円レベルが最初のサポートで、下回るとフィボナッチから見たポイントの109.05円が意識されそうだ。(了)

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