<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、ドルが小安い。前日NY時間の流れを継ぎ、一時110.40円レベルまで値を崩す局面も観測されていた。
前日、NYでドルが急落した流れを継ぎ、ドル/円は2月28日以来となる110円台で寄り付いた。しかし、東京休場で参加者が限られたこともあり動意は乏しく、しばらくは110.55-75円といたレンジ取引に。
ただ、昼ごろにレンジを下放れると、日中安値である110.40円レベルまで軟化。16時時点では110.45円前後で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「FOMC」と「英国情勢」について。
前者は、発表された金利見通しが、事前予想どおり「据え置き」となったものの、声明で「今年は利上げなし、2020年に1回の見通しを示唆」とされたことが嫌気され、前述したNYのドル急落のトリガーとなった。なお、その後の記者会見でパウエルFRB議長は「金融政策の判断は忍耐強いものとなる」、「忍耐強くとは判断を急がないことを意味する」などと発言している。
対して後者は、英首相「6月30日以降にEUからの離脱を延期する用意はない」、欧州委員長が英首相と会談し「離脱日、5月23日越えるなと警告」、EU大統領「来週に再度EU首脳会議招集も」−−などといったように、この日も引き続き発言や報道が相次いでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
発表されたFOMCを受け、3月以降のレンジ下限だった110.78円を割り込み、そののち本日のアジア時間には110.40円レベルまで値を下げてきた。素直にみれば、形成レンジを下放れてきたのだから、「リスクは下向き」ということになるものの、多少引っ掛かるのは2月12日以降ドルのサポートとして寄与してきた110.25-30円をまだ割り込めていないこと。つまり、短期のレンジは下放れたが、過去1ヵ月以上に及ぶ大きなレンジ内には、いまだとどまっている可能性を否定できないのかもしれない。いま少し情勢を見極めたいところだ。
材料的に見た場合、今週最大の注目材料だったFOMCを終え、マーケットの関心は今後米中そして米朝関係に戻ってきそうな気配もある。とくに前者については、来週に予定されている「米中通商協議」への警戒感が再び高まりつつあるなか、昨日はトランプ米大統領から「中国製品に対する関税を、かなりの期間維持する可能性がある」などとした発言が聞かれていた。いずれにしても、引き続き要人発言などには注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、先でも指摘したように「3月以降」というレンジは下放れたものの、それ以前からの長期ボックス圏にはいまだとどまっている感がある。次の一手は、その長期ボックスの下限である110.25-30円ならびに、心理サポートである110円をめぐる攻防に注目だ。
対するドルの抵抗は、現状下回っている移動平均の75日線(110.55-60円)や同25日線、一目均衡表の基準線が位置する111.20円レベルなどとなる。
一方、材料的に見た場合、3月のフィラデルフィア連銀景況指数や2月の景気先行指数といった幾つか米経済指標が発表される予定となっている。
また、そのほか米国ファクターには気になる要因が多いものの、本日は「英中銀政策金利発表」や「EU首脳会議」など欧州絡みで、大きなイベントが実施される見込みだ。再びポンドなどが主導する相場変動にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.10円。ドル高・円安方向は、昨日までサポートだった移動平均の75日線が位置する110.55-60円が最初の抵抗。超えれば111円台回復がみえてくる。
対するドル安・円高方向は、再三再四指摘してきた110.25-30円、あるいは110円をめぐる攻防にまずは注目。割り込めば、一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する109.65-70円がターゲット。(了)
オーダー/ポジション状況
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