<< 先週の回顧 >>
先週のドル/円は、ややドル高・円安。ザラ場ベースでは112.13円の年初来高値を視界内に捉えた局面も見られたが、結局112円にもとどかなかった。
前週末に、3月中にも実施される見込みとされていた米中首脳会談について、CNBCが「米NEC委員長、米中首脳会談は4月にズレ込む可能性を示唆」と報じるなか、週明けのドル/円はオープン。しかし、目立った影響もなく、寄り付きは先週末のNYクローズより、わずかに円高の111円前後で取引を開始している。
その後は、週間安値となる110.90円レベルをボトムに底堅く推移するも、上値も重くレンジ取引。週末にかけて、それまで上値をキャップしていた111円半ばを抜けると111.90円レベルまで値を上げたが112円台には乗せられず。大引けにかけては、若干緩むと週末NYは111円半ばで取引を終え、越週となった。
一方、週間を通して注目された材料は、「英国情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、「英離脱問題」に絡む様々な発言や報道を受け、その都度一喜一憂。ポンド相場も、上下に大きく振れる展開をたどっている。たとえば、12日の東京時間には、予想外ともいえる「英とEUがアイルランド国境問題の見直しに向けた2つの共同文書で合意」−−と報じられたことが好感されポンドが急騰。対円では、比較的短時間で一時2円近い上昇を記録した。その後も、「英議会での離脱法案が審議」などのイベントを受け、一週間を通して全般的に荒っぽい変動をたどっている。
対して後者は、週末にかけて、38ノース「北朝鮮の発射場、運用可能な状態続く」、朝日新聞「北朝鮮当局、核放棄を否定か」、タス通信「北朝鮮高官が米国との非核化協議の停止を検討と発言」−−などといった米朝関係の先行きを懸念させるネガティブ報道や発表が相次ぎ、様々な思惑を呼んでいたようだ。
そのほか、「米中首脳会談が4月に延期」との報道や、週末の日銀会合と総裁会見なども、折につけ話題に。
<< 今週の見通し >>
先週は、トータルして市場の関心がポンドに集まるなか、ドル/円は間隙を突く格好で112円に接近するも越えられなかった。結局、ドルの上値トライは、少なくとも仕切り直しとなった感を否めない。そんなドル/円は先月末から見た場合、110.75-112.15円という1.4円ほどのレンジを形成しているようだ。今週も、前述したレンジ内での変動を予想する声も聞かれるが、すでに2週間以上も保ち合いを続けており、日柄的にはそろそろ要注意かもしれない。どちらに抜けるのか、方向性ならびにタイミングが注視されている。
先週は、トータルして市場の関心がポンドに集まるなか、ドル/円は間隙を突く格好で112円に接近するも越えられなかった。結局、ドルの上値トライは、少なくとも仕切り直しとなった感を否めない。そんなドル/円は先月末から見た場合、110.75-112.15円という1.4円ほどのレンジを形成しているようだ。今週も、前述したレンジ内での変動を予想する声も聞かれるが、すでに2週間以上も保ち合いを続けており、日柄的にはそろそろ要注意かもしれない。どちらに抜けるのか、方向性ならびにタイミングが注視されている。
テクニカルに見た場合、先週は112円トライを一時うかがうも失敗に終わった感を否めない。ただ、懸念していた週末NYクローズでの、移動平均200日線(111.40-45円)割れは辛うじて回避されている。ドルの強気派からは、200日線をサポートに、今週再び上値を試すとの見方もあるようだ。
いずれにしても、先で取り上げた先月末からの1.4円レンジを抜けない限り、どうにもならないだろう。まずは、レンジブレークの行方を注視したい。
一方、材料的に見た場合、3月のフィラデルフィア連銀景況指数や、3月の製造業・総合PMI速報などといった米経済指標が相次ぎ発表される予定となっているほか、19-20日にはFOMCが実施され、20日には声明発表とFRB議長の会見が実施される見込みだ。
そのほか、経済指標や中銀会合という点では、豪州や英国でも同様の発表やイベントが実施される予定とされ、そちらも一応要注意。また、「材料」ではないが、日本企業にとっては3月末決算をにらんでいることで、期末特有の需給要因を警戒する声も聞かれていた。
そんな今週のドル/円予想レンジは、110.50-112.50円。ドル高・円安については、先週高値の111.90円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ先週越えられなかった112円台乗せ、そして年初来高値の112.13円が視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末ベースで辛うじて上回った移動平均の200日が位置する111.40-45円が最初のサポート。割り込めば111円レベル、そして今月安値の110.78円などがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2019.03.18
ドル円もみあいからの放れは持ち越し(週報3月第3週)
先週のドル円は週初が安値でスタート、その後はドルがじり高の展開を辿り他の中銀同様に日銀会合でもハト派なコメントが出るのではとの思惑も重なりましたが
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.03.18
ドル円2か月で7円超の上昇 基調転換警戒(3月第3週)
米連銀FRBは3月19日から20日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。