ドル円戻り売りの地合いが強まる週(週報3月第2週)

金曜の中国貿易収支と米国雇用統計のダブルパンチで110円台へと入り込みました。

ドル円戻り売りの地合いが強まる週(週報3月第2週)

今週の週間見通し

先週のドル円は、週前半に112円台で上値も重さを確認し、じり安の動きとなっていたところに、金曜の中国貿易収支と米国雇用統計のダブルパンチで110円台へと入り込みましたが、週を通して見ると値幅も大きくはなく、ドル円はいまだ蚊帳の外といった印象だったと思われます。

しかし、前週末にトランプ大統領が強すぎるドルは望まないと発言した後に、高値圏でのもみあいを経て下げてきた動きには注意を要すると思われます。また昨日の中国人民銀行総裁の会見では、米中通商協議において輸出を後押しする通貨の切り下げを行わないことで合意したというニュースも出ています。期末に向けての国内の実需のドル売りが出やすい時期となりますし、4月の日米通商協議再開においても為替条項というキーワードが見え隠れしていることから、一定水準(115円?)以上の円安については警戒が必要となるでしょう。ドル円市場を取り囲む環境としては円高にバイアスがかかりやすいと言えます。

次にポジションですが、ようやくシカゴのポジションが正常な期日へと追い付いてきました。週末に発表された5日付のポジションでは再び円売りポジションが増えつつあり、ピーク時から比べれば半分以下ではあるものの5万枚を超え始めていて、ポジション的にも何かあった時には円買いの動きとなりやすいと考えられます。

テクニカルにも先週の112円台前半での反転は重要な意味を持っています。日足チャートをご覧ください。

注目すべきは黄色のラインマーカーで示した112円台前半です。同水準は昨年11〜12月に何度も試して最終的に下抜けした水準です。また、昨年高値114.55と年初来安値104.90の78.6%(61.8%の平方根)戻しと戻しの限界点とも重なっています。さらに、直近の上昇チャンネル(青)の上限はフィボナッチ・リトレースメントと重なりと、112円台前半はテクニカルにも強いレジスタンスとなる水準でした。

金曜の下げでもって上昇チャンネルを下抜けてきましたので、現在のターゲットとしては年初来安値の翌日4日からのサポートライン(ピンク)の水準(現在110円レベル)をターゲットとしやすい流れになってきたと考えられます。日柄的にも先週6日からは変動しやすい時間帯に入っていて、特に今週後半はドル安の動きに注意すべき日柄です。110円の大台程度までの押しは考えておくべきかと思います。

今週も押し目買いは出てきそうですが、上記の通り戻り売りが本流であると見ています。今週は大台110.00レベルをサポートに、111.60レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週の週間見通し

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2019年FOMCメンバー(ニューヨーク、シカゴ、ボストン、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

3月11日(月)
**:** 米国市場夏時間
16:00 ドイツ1月貿易収支、鉱工業生産
16:00 トルコ10〜12月期GDP、経常収支
21:30 米国1月小売売上高
23:00 米国12月企業在庫
**:** ユーロ圏財務相会合


3月12日(火)
09:30 豪州2月NAB企業景況感
09:30 豪州1月住宅ローン件数
18:30 英国1月GDP
18:30 英国1月貿易収支、鉱工業生産
21:30 米国2月CPI
**:** 英国議会「離脱修正案」採決

3月13日(水)
08:30 豪州3月WBC消費者信頼感
19:00 南ア1〜3月期企業信頼感
19:00 欧州1月鉱工業生産
21:30 米国2月PPI
21:30 米国1月耐久財受注
23:00 米国1月建設支出
23:30 週間原油在庫統計
**:** 英国議会「合意無き離脱可否」採決(12日否決の場合)


3月14日(木)
**:** 日銀金融政策決定会合
11:00 中国2月鉱工業生産、小売売上高
16:00 ドイツ2月CPI改定値
16:00 トルコ1月鉱工業生産
16:45 フランス2月CPI改定値
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国2月輸入物価指数
23:00 米国1月新築住宅販売件数
**:** 英国議会「離脱延期」採決(13日可決の場合)

3月15日(金)
**:** 日銀金融政策決定会合結果発表
15:30 黒田日銀総裁記者会見
16:00 トルコ12月失業率
19:00 ユーロ圏2月CPI改定値
21:30 米国3月NY連銀製造業景況指数
22:15 米国2月鉱工業生産、設備稼働率
23:00 米国3月ミシガン大消費者信頼感速報値

前週の主要レート(週間レンジ)

前週の主要レート(週間レンジ)

上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

3月4日(月)
ドル円は東京前場に112.01レベルをつけたものの112円台では常に上値を抑えられる状況が続きました。その後も基本的に狭いレンジで動意薄の展開となりましたが、NY市場に入りダウが大幅安となったことからリスクオフの円買いが出て111.64レベルへと押し安値圏での引けとなりました。


3月5日(火)
ドル円は底堅い動きが続いたもののNY市場までは111円台後半の狭いレンジでの取引となりました。予想よりも強い米国経済指標を受け、一時ストップも巻き込んで112.14レベルと直近高値を上回る場面も見られましたが、引けにかけては東京朝方の水準へと押し、改めて112円台の重さを感じさせる展開となりました。


3月6日(水)
ドル円は112円台での上値の重さを確認したことから値幅は狭いものの売りが先行してのスタートを切りました。その後は戻しも入ったものの111.92レベルまで、NY市場に入り米国貿易赤字が予想よりも大きかったことをきっかけに111.62レベルまで押し、引けにかけては若干戻す動きとなりました。

3月7日(木)
ドル円は111円台後半で上値の重たい1日となりましたが、NY市場まではほとんど動きが見られませんでした。NY市場ではユーロドルの大幅安から一時的にドル買いは見られたものの、ダウが大幅安となったことから下げに転じ111.48レベルまで下げた後にやや戻して引けました。


3月8日(金)
東京時間に発表された中国の貿易黒字が予想を大幅に下回る結果となったことをきっかけに中国株安、そして主要な株価指数が全面安となり、リスクオフの動きが強まりました。ドル円は東京後場には111円割れとなりましたが、米国雇用統計を控えていることもあって、その後は111円手前でもみあい。雇用統計はNFPが予想よりも大幅に悪い数字となったことから110.75レベルへと下値を拡大しまし、引けにかけては株価も週末前の調整が入り、111円台を回復しての引けとなりました。

ディスクレーマー

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  • ・米景気の先行き見通しと金融政策 ◎
    ・米中貿易戦争をはじめとする米保護主義の拡大懸念◎
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