一時年初来高値更新するも、下値不安再燃か(3月2週)

先週のドル/円は、ドル安・円高。週のザラ場ベースでは、一時的に年初来高値を行使するも続かず「行って来い」、ドルは週の安値圏で取引を終えている。

一時年初来高値更新するも、下値不安再燃か(3月2週)

一時年初来高値更新するも、下値不安再燃か

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドル安・円高。週のザラ場ベースでは、一時的に年初来高値を行使するも続かず「行って来い」、ドルは週の安値圏で取引を終えている。

前週末に、米USTRが「日本は自動車・農業分野の市場開放を」とした報告書を発表するなど、米貿易問題に絡めた発言や報道が聞かれ、市場への波及的影響を警戒する声も多いなか、ドル/円は111.80-85円で寄り付いた。先週末のNYクローズよりは若干円高ながら、大きな差異はなく、米貿易問題による直接的な影響は限定的だったようだ。
そののち、ドルはじり高推移をたどり、112円台を回復すると112.14円の年初来高値を示現。しかし、高値を記録したあとは流れが一変、ドルが下値を探る展開になると、週末には111円割れまで一時下落している。発表された米雇用統計がネガティブサプライズ、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回ったことが嫌気されていたという。結局、週末NYはドルが小戻した111.15-20円で取引を終え、越週に。

一方、週間を通して注目された材料は、「米貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、先の米USTR報告書のほか、トランプ米大統領から「中国に農産品関税の全廃を要求」、「非常に強いドルは望んでいない」などといった発言が聞かれている。また、米紙WSJによる「米中貿易協議、追加関税の引き下げも議論」も一時思惑を呼んでいたようだ。
対して後者は、前週実施され決裂した米朝協議の裏側を指摘するような報道がいくつか観測されるなか、聯合ニュース「韓国情報機関、北のミサイル基地に『復旧兆候』」、分析サイト38ノース「北のミサイル施設、再び稼働が可能に」といった発表や報道もあり物議を醸す結果に。なお、前述の発表を受け、トランプ氏から6-7日と2日連続で「北委員長への失望表明」が聞かれ、一部では関係悪化を懸念する声も高まっていた。

そのほか、5日から中国で始まった「全人代(=国会に相当)」が話題に。たとえば、そのなかで「2019年の経済成長率目標を引き下げ、6.0-6.5%に」、「人民元レートの柔軟性を高める」などの発表がなされている。また、別途日産やホンダに続き、今度は「トヨタ、英生産撤退の可能性も」との発表が観測され、ポンド相場で話題となっていた。

<< 今週の見通し >>

先週一時112.14円を示現。ドルは年初来高値を更新したものの、そののち110円台まで押し戻されるなど上値リスクはさほど高くない。と言うより、111.35-40円に位置する移動平均の200日線を週末のNYクローズでも割り込むなど、微妙なところだが、むしろドルの下落リスクが再燃しているすらも否めないだろう。移動平均の25日線や、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する110円半ばから後半を割り込むようだと、さらなる深押しが入る可能性もある。
材料的には、米朝協議が決裂した北朝鮮情勢に再び不安定さをうかがえることや、依然としてギクシャクしている米中関係も気掛かりだ。たとえば、後者について、この週末に「米中首脳会談の開催は4月以降にズレ込む可能性」−−などといった報道も観測されるなど、予想以上に協議は難航しているもようだ。一方、日米貿易問題についても、トランプ氏が「対日貿易赤字は大き過ぎる」と発言しているだけに、今後の動静には注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、一時112円台を回復した動きから一転、足もとはドルの下値正念場を迎えている。
これは、104.10円まで急落した今年1月3日以降、ドルはおおむね緩やかな右肩上がりをたどってきたが、それが崩れる可能性があるためだ。日足などのチャートを見れば一目瞭然なように、年明け以降ドルの調整的下押しは目先高値から1.5円程度までにとどまっており、それより下がれば過去のパターンが崩れることになりかねない。取り敢えずは、移動平均の25日線や、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する110円半ばから後半がサポートとなるものの、長い目で見た場合には、さらなる深押しが入ることもありそうだ。

一方、材料的に見た場合、2月の消費者物価指数や3月のNY貿易連銀製造業指数、同ミシガン大消費者信頼感指数といった重要な米経済指標が相次ぎ発表される予定となっている。先週末に発表された米雇用統計が冴えない内容になったこともあり、同様の指標悪化が続くようならドル売りを支援することになりかねないかもしれない。
また、今週は、12日までに予定されている「英議会における政府の離脱修正案を採決」や、14-15日に実施される「日銀の金融決定会合」も注視されている。ちなみに、後者については日本の景気悲観見通し浮上もあり、「先行きの緩和強化地ならし催促」を懸念する声も聞かれていた。

そんな今週のドル/円予想レンジは、110.00-112.20円。ドル高・円安については、移動平均の200日線が位置する111.35-40円、そして111.60円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ先週記録した112.14円の年初来高値が再びターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の中期線である25日や75日線が位置する110.80円前後が最初のサポート。先週も同レベルでドルは下げ止まっている。割り込んだ場合には110.40円前後、110円などを目指す展開となりそうだ。(了)

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