リスクはドル高、112円台の定着目指す(3/4夕)

週明け4日の東京市場は、ドルが小じっかり。先週末のNY時間に一度到達した112円台に再び乗せる時間帯も観測されている。

リスクはドル高、112円台の定着目指す(3/4夕)

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週明け4日の東京市場は、ドルが小じっかり。先週末のNY時間に一度到達した112円台に再び乗せる時間帯も観測されている。

週末に、米USTRが「日本は自動車・農業分野の市場開放を」とした報告書を発表するなど、米貿易問題に絡めた発言や報道が聞かれるなか、ドル/円は110.80-85円で寄り付いた。先週末のNYクローズよりは若干円高ながら、大きな差異はなく、米貿易問題による直接的な影響は限定的だったことになる。
その後は、ドルが持ち直す展開となり、一時112円台を回復する局面も見られるなどドルは小じっかり。しかし、またもや112円台に惜しいところで定着できないまま、16時時点では111.95円前後で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「米朝協議関連」について。
前者は、トランプ米大統領から「中国に農産品関税の全廃を要求」、「非常に強いドルは望んでいない」などといった発言が聞かれた一方で、ブルームバーグ「米中の通商合意近い、対中関税撤回の公算」、米紙WSJ「米中貿易協議、追加関税の引き下げも議論」といった報道もあり思惑を呼ぶ格好に。また、それとは別に「米USTR、『日本は自動車・農業分野の市場開放を』との報告書を発表」、ブルームバーグ「浅川財務官、日本の経常黒字は貿易問題と別物と発言」、茂木再生相「日米交渉、物品だけとは言っていない」−−などとする発言や報道も観測されていた。

対して後者は、先週実施され決裂した米朝協議についての裏側を指摘するような報道がいくつか観測されている。たとえば、韓国野党代表「米朝会談決裂の裏に日本の影」と発言、米紙「北委員長、米の『核完全放棄提案』に難色」などで、そのほか関連報道として、北外務次官「金委員長は核協議の停止を考えている」、トランプ氏「北は核兵器ある限り、未来がない」、聯合ニュース「北委員長が中国を北上中、北京に寄らない公算大」といったニュースもあったようだ。

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ザラ場ベースでは、フィボナッチで見たテクニカルポイントの112.05-10円に上値を阻まれるなど、112円台に定着することができない。ドルの上値は引き続き重そう。とは言え、リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかることは間違いなく、このあとについても112円台にしっかりと乗せられることができるかどうかが、注目のひとつとなりそうだ。112円台に乗せてくれば、112.35-40円が次のターゲットとなる。

材料的には、決裂に終わった米朝協議を受けた北朝鮮情勢も気掛かりだが、今週はザックリ言って「中国ファクター」が最大の注目点か。そのひとつは先でも指摘した「米中貿易問題」であり、また5日から10日間程度の日程で実施される予定の「全人代(=国会に相当)」が波乱要因として警戒されている。ちなみに、後者については、今年の経済成長について、昨年の6.5%前後から6%前半へと下方修正されるとの見方が有力だ。

テクニカルに見た場合、2週間ほど続いていたレンジの上限である111.25円を上放れたものの、112円台に乗せたところで失速。以降は111円台後半を中心としたドルの強保ち合いだ。
リスクがドル高方向に高いことは間違いないものの、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントである112.05-10円で上げ止まっており、その攻防が注視されている。超えれば112.25-30円が意識される反面、再びレジストされれば移動平均の200日線が位置する111.30円レベルをメドに調整が入る可能性も。

一方、材料的に見た場合、12月の建設支出という米経済指標が発表される予定となっているが全般的には材料難。米通貨当局者による講演なども、とくには見当たらない。やや動きにくそうな雰囲気も。
ただ、米国ファクターで積み残し案件が多数存在するうえ、「英国」や「北朝鮮」、「中国」などの情勢も気にかかる。思わぬ価格変動にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.50-112.40円。ドル高・円安方向は、フィボナッチのテクニカルポイントにもあたる年初来高値112.05-10円の攻防にまずは注視。抜ければ112.25-30円を目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値である111.65円レベルが最初のサポート。ただ、下回っても111.30円レベルは移動平均の200日線が位置しており、かなり強いサポートとして意識されそうだ。底堅いイメージに変化はみられない。

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