ドル円激しい上下動の往来相場、結局レンジ内(2/28夕)

28日の東京市場は、ドルが小安い。値動きそのものは30ポイント程度にとどまったものの、「寄り付き高・大引け安」の様相で、終盤にかけてドルの弱さが目に付いた。

ドル円激しい上下動の往来相場、結局レンジ内(2/28夕)

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28日の東京市場は、ドルが小安い。値動きそのものは30ポイント程度にとどまったものの、「寄り付き高・大引け安」の様相で、終盤にかけてドルの弱さが目に付いた。

前日のNYで一時111円台を回復するなど、ドル逆行高の流れを継ぐなか、ドル/円は110.95-00円で寄り付いた。しかし、結局は同レベルが日中の高値となり、ドルは冴えない。日本時間11時過ぎから始まった2日目となる米朝会談の行方などをにらみつつ、ドルはじり安に推移。夕方には110.70円レベルまで値を下げ、16時時点でも日中安値である110.75-80円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米朝協議関連」と「米貿易問題」について。
前者は、昨日実施された1対1の首脳同士の会談について、朝鮮中央通信が「米朝首脳、画期的な成果に向け協議」と報じるなど、好意的な論調が目に付いた。しかし、本日実施された首脳プラス側近を含めた「拡大会談」については、ブルームバーグが「首脳会談に疑問符、予定の突然の変更で」と指摘するなど、当初から厳しめの声が多くなっている。なお、首脳会談は予定より早く終了したうえ共同声明の発表も見送られている。
対して後者は、米中貿易協議が終了し、取り敢えずヤマ場を越えた感があるなか、米通商代表部代表が「中国の為替操作は疑いない」、「中国による追加購入だけでは、通商合意には不十分」と指摘、返す刀で「日米貿易協議は来月にも開始したい」と発言していた。いよいよ、日米についても待ったなしの状況に陥りつつあるようだ。

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ドル高方向のリスクが高まったと思えば下方向に、逆にドル安リスクが強くなったと思えば上向きに動くという天邪鬼の往来相場だ。しかし、足もとの価格変動そのものはなかなか激しいものの、「変動幅」ということでいえば、12日以降すでに半月以上も110.25-111.25円という1円レンジにとどっている。そうした意味では、いまだ方向性が乏しいと言わざるを得ない。本稿執筆時に推移している110.75-80円は、ちょうどその真ん中にあたる。今後どちらの方向に動くのか、動静を注視したい。

材料的には、19-20日実施された「パウエルFRB議長の議会証言」は取り敢えず消化したが、もうひとつの注目材料であった「米朝首脳の再会談」については協議そのものを終えたものの、まだ波乱の要素を残している。たとえば、このあと実施されるトランプ米大統領による一連の協議についての会見も要注意であるし、北委員長は中国経由で帰国する公算が大きいとされ、その過程で「報告を含めた中朝会談が実施される」可能性も取り沙汰されていた。予断は許さない。

テクニカルに見た場合、先で指摘したように110.25-111.25円の1円レンジは、早くも2週間を超えてきた。まずは、足もとの1円レンジをめぐる攻防が注視されている。上抜ければ112円台回復が視界内に捉えられる反面、底割れした場合には109円半ばが取り敢えずのターゲットとなりそうだ。

一方、材料的に見た場合、10-12月期のGDP統計速報や2月のシカゴ購買部協会景気指数といった重要な米経済指標が発表されるほか、クラリダFRB副議長やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁などによる講演が実施される予定となっている。ここ最近、発表される米経済指標はまだら模様となっているだけに、本日もその内容には要注意。減税効果の息切れや貿易摩擦懸念がマイナス要因となる反面、年明け以降については政府機関閉鎖に絡む様々な要因が不確定要素となりかねない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.20-111.20円。ドル高・円安方向は、昨日NY高値である111.05-10円が最初の抵抗で、超えれば年初来高値の111.23円あるいは移動平均の200日線が位置する111.30円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の110.35円や15日安値の110.25円などは強いサポートとみられる。その攻防には要注意だが、しっかり割り込むようだと110円割れの可能性も。

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