一時ドル高進行も失敗、FRB議長証言を注視(2/26夕)

26日の東京市場は、一転してドルが小安い。前日の欧米時間に111円台を突破したものの、再び110円台後半へと押し戻されている。

一時ドル高進行も失敗、FRB議長証言を注視(2/26夕)

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26日の東京市場は、一転してドルが小安い。前日の欧米時間に111円台を突破したものの、再び110円台後半へと押し戻されている。

ドル/円は、前日のNYを終値ベースでも111円台を回復、そのままの流れで東京も寄り付いた。しばらくは、110.95-111.10円程度のレンジ取引で底堅く推移したが、底割れすると一気に日中安値である110.75円レベルまで値を下げている。前日比27円高とプラス圏で寄り付いた日経平均株価がマイナス圏へ転落、下げ幅も一時100円を超えたことなどが嫌気されていた。その後は、110.80円挟みでドル弱保ち合いをたどるなか、16時時点では110.80-85円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米朝再会談関連」と「英国情勢」について。
前者は、列車が現地入りする北朝鮮委員長の行動が逐一報じられるなか、韓国大統領府から「米朝会談で『朝鮮戦争の終結宣言』も」などとする期待感を示すコメントが発せられていた。そのほか、AP通信「トランプ米大統領、27日に北委員長と夕食会」、ロイター「米朝首脳は27日夜に最初の会談、その後夕食会」−−などといったように日程に関する報道も幾つか観測されている。
対して後者は、引き続き関連報道などが相次ぐ。「EU大統領、英首相と離脱延期の可能性を協議」と報じられたほか、「英米当局、『金融取引の継続性を維持する』との共同声明発表」、「英企業相、ホンダ工場閉鎖について訪日し直談判へ」−−などといった報道が観測されていた。また、ブルームバーグからは「メイ首相は離脱延期を検討」との指摘も見られ、これが一時ポンド買いを誘っていた。

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昨日の欧米時間に111円台を回復。過去2週間ほどに及ぶレンジの上限を上抜けただけでなく、年初来高値も同時に更新している。素直に考えれば、再びドル高リスクが高まったと言えるだろう。しかし、テクニカルには移動平均の200日線が位置する111.30円レベルで上値をキャップされ、そののち110円台後半へと小反落に転じていることが気掛かり。再三再四レポートしている、昨年来の相場でよくみられた「形成されたレンジを一時ブレークするも回帰。結局レンジを少し広げただけ」−−の可能性も否定出来ないようだ。

材料的には、「米中貿易協議」に一応の道筋がつくなか、マーケットは「米朝首脳の再会談」と「パウエルFRB議長の議会証言」の2つが注視されている。なかでも、本日だけに限定すると、後者の「議長証言」への関心が高く、市場筋からは「当面の利上げ停止や年内のバランスシート縮小終了は織り込み進む。それ以外の対応が焦点になる」との指摘も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、昨日レポートした過去2週間にわたるレンジを一時上抜くも攻めきれず。本稿執筆段階では110.80円前後で推移するなど、あろうことか「行って来い」の様相だ。リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかると予想するが、判断は難しい。ともかく、ドル高リスクを指摘するには、昨日上値を阻まれた移動平均の200日線(111.30円レベル)をしっかりと超えていくことが必要だろう。その場合、112円台回復に向けたドルの続伸もみえてくる。

一方、材料的に見た場合、2月のリッチモンド連銀製造業指数や同消費者信頼感指数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による7年債の入札も実施される見込みだ。また、先でも指摘した「パウエルFRB議長の議会証言」も実施されるもようで、発言内容如何では相場の波乱要因に。
米国ファクターが盛りだくさんだが、欧州に関しても注目材料が幾つかあり、そのひとつは「英議会によるEU離脱の今後の方向性を審議・採決」すること。英国情勢には引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.30円。ドル高・円安方向は、昨日高値も近い、移動平均の200日線などが位置する111.30円レベルが最初の抵抗。超えれば111.40円レベル、そして112円台も視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日もドルが下げ止まるなど、先週半ば以降110.55円レベルがかなり強いサポートとなっている感。まずは、その攻防を注視したい。下回った際には、15日安値の110.25円がターゲットに。

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