先週は50Pのレンジ、保ち合い放れ期待(週報2月第4週)

先週のドル/円は、動意が乏しい。実際、1週間を通したレンジはわずか50ポイント強にとどまるなど、動きらしい動きはほとんど観測されなかった。

先週は50Pのレンジ、保ち合い放れ期待(週報2月第4週)

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先週のドル/円は、動意が乏しい。実際、1週間を通したレンジはわずか50ポイント強にとどまるなど、動きらしい動きはほとんど観測されなかった。

前週末に「米中」や「米朝」、あるいは「米国家非常事態宣言」に絡む報道などが相次ぐなか、ドル/円相場は先週末のNYクローズに近い110.40-45円で寄り付いた。その寄り付いたレベルが週間を通した安値となり、ドルは底堅く推移したが上値も重い。
結局111円台には一度もとどかず、110円台後半を中心とした一進一退、わずか50ポイント程度と非常に狭いレンジ取引に終始している。週末NYは、110.65-70円で取引を終え、越週となった。
なお、そうしたなかポンドがやや荒っぽい変動。対円では週初を安値に2.5円ほどの上昇を記録している。週末NYも144円半ばの高値引け。

一方、週間を通して注目された材料は、「米中貿易協議」と「英国情勢」について。
前者は、前週から協議が延長された「米中貿易協議」について、19-20日に「次官級」、21-22日に「閣僚級会合」が実施されることがまず決定、それと絡めた発言や報道などが相次いだ。たとえば、ブルームバーグ「米中通商協議、米側は人民元の安定維持を要求」、ロイター「米中貿易交渉では、主要な構造問題で6つの覚書を準備」−−などと報じられ物議を醸すなか、トランプ大統領からは改めて「対中通商合意期限の延長」示唆発言が聞かれていた。
対して後者は、20日に実施された「英首相と欧州委員長の会談」が注目を集めるも、結局打開案は示せず。それに続き週末にかけては、ロイター「英政府筋、来週までのEU離脱修正案とりまとめ難しい」、英政府「『合意なし』なら日英貿易協定はいったん失効との見解示す」といった、ややネガティブな報道が観測されている。なお、それらとは別に、日産やホンダの英工場閉鎖が報じられ、ポンド相場の価格変動にも影響を与えていた。

<< 今週の見通し >>

以前にもレポートしたように、今年は「週間を通したレンジが1円未満」という週がすでに2回も観測されていたが、先週の価格変動は110.42-95円のわずか53ポイントにとどまり、3度目の記録となった。しかも、「今年の週間最小変動幅」を更新というオマケまでついている。そんな狭いレンジ取引が今週も続く可能性を否定出来ないが、材料的には後述するように今週はレンジ放れを期待させる要因が少なくない。どちらの方向かは別にして、相場が大きく動意付く展開が期待されている。

材料的には、積み残し案件である「米中貿易協議」をめぐる市場の反応にまずは注意。22日に終える予定だった閣僚級貿易協議が24日まで2日間延長されることになり、トランプ氏からの楽観的な見解ばかりが目に付いた協議の難航が改めて明らかになった。また、実際に閣僚級協議に参加した米側のライトハイザー通商代表からは「構造改革で進展があった」とする反面、「乗り越えるべき大きな障害がいくつかある」との発言も聞かれている。週末には3月1日の「休戦期間終了」を控え、場合によっては失望売りがかさむ可能性も。そのほか、「パウエルFRB議長の議会証言(26-27日)」、「米朝首脳会談(27-28日)」、「英下院がEU離脱方針巡り審議・採決(27日)」−−などにも要注意だ。

テクニカルに見た場合、前述したように先週は1週間で50ポイント強のレンジ取引。明らかに目先は方向性を欠いている。先週形成した110.40-95円のレンジを上下どちらに放れるのか、その方向性をまずは注視したい。
ちなみに、上抜けた場合には年初来高値の111.13円、あるいは移動平均の200日線が位置する111.30円レベルなどがターゲットとなる反面、下限を割り込むようだと週足・一目均衡表の先行帯の雲が位置する109.65-110.15円がサポートとして意識されそうだ。


一方、材料的に見た場合、2月の消費者信頼感指数や10-12月のGDP速報値、2月のISM製造業指数といった重要な米経済指標が相次ぎ発表されるほか、米財務省による米債入札、「FRB議長の半期議会証言」など材料が盛りだくさん。
さらに、3月1日の「休戦期間終了」を控えた「米中貿易協議」の行方や「米朝首脳会談」、欧州における「英国情勢」なども引き続き波乱要因となりかねないかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.60-111.30円。ドル高・円安については、先週高値である110.95円の攻防にまずは注視。抜ければ年初来高値111.13円、あるいは111.30円などがターゲットに。ただドルの上値も限られそうだ。
対するドル安・円高方向は、15日安値である110.25円レベルが最初のサポート。割り込んだ場合には110円を目指す展開となろう。底堅いイメージだが、110円をしっかり割り込むようだと、逆に下値の展望が拡大する可能性も。

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