ドル高基調だが、基本はレンジ取引続く公算(2/21夕)

21日の東京市場は、110円台後半で乱高下。レンジそのものは決して大きくなかったが、そのなかで上下動をたどっていた。

ドル高基調だが、基本はレンジ取引続く公算(2/21夕)

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21日の東京市場は、110円台後半で乱高下。レンジそのものは決して大きくなかったが、そのなかで上下動をたどっていた。

ドル/円は、110.80-85円で寄り付いたのち、一時ドル売りが進展。日中安値である110.60円レベルまで小幅に値を下げた。しかし、昨日NY安値に近い同レベルで下げ止まると再びドル買いが優勢となり、「行って来い」に。寄り付きレベルである110.85円前後まで値を戻し、その後は110.70-85円で一進一退となった。16時時点では、110.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかオセアニア通貨が荒っぽい動き。たとえば豪ドル/円は、東京高値の79.80円台から夕方にかけては78.40円台まで、実に1円を超える下げを記録していた。

一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な中国ファクター」と「英国情勢」について。
前者のうち米中貿易問題については、米歳入委員会が「USTR代表、27日に米中貿易問題について公聴会で証言」と発表、ロイター「米中貿易交渉では、主要な構造問題で6つの覚書を準備」などと報じていた。ほかに、ロイターが「中国・大連の港湾当局、豪州産石炭の輸入を禁止」と指摘、これが東京タイムの豪ドル安の一因になっていた。
対して後者は、ブルームバーグが「スペイン外相、英のEU離脱は間もなく修正合意と発言」と報じるも、そののち「英首相が欧州委員長と会談も離脱めぐる打開は示せない」ことが明らかになるなど、昨日欧米時間のポンド相場は右往左往。そうしたなか、英首相「ホンダの英工場閉鎖はブレグジットのせいではない」、英内相「合意なきEU離脱の可能性排除できず」といった発言が聞かれていた。

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ドル高基調は続いていると予想するが、ドルの上値は重そうだ。ここ最近の時間足などをみると、少なく見積もっても3-4回は111円台乗せを視野に入れた動きが観測されているが、そのいずれもが失敗に終わっている。予断は許さないものの、年初来高値の111.13円あるいは移動平均の200日線が位置する111.30円レベルを上値とした強保ち合い、しばらくは110.20-111.30円というレンジ取引をたどる可能性も。

材料的には、引き続き「米中貿易協議」と「米非常事態宣言問題」が相場の注目要因となるなか、前者については2日間の「次官級」を終え、21-22日には「閣僚級」の協議が実施される。最終的には米中首脳会談で決定するとはいえ、「次官級」や「閣僚級」協議で道筋がつけられるのか否かに注目したい。なお、ロイターが報じた「米中協議における6つの覚書」だが、同じ記事のなかで「関係筋の1人は、交渉がまとまらない可能性もあると指摘」といった言及も見られるなど、やはり一筋縄ではいかない気もしている。

テクニカルに見た場合、リスクという意味ではドル高方向。111円台乗せは失敗に終わっているが、今週に入って以降、ドルの下値は週初の寄り付きレベルを週間安値にジリジリと切り上がっているようだ。しかし、逆に言えば底買いが故に、目先安値の110.60円など、下方向のサポートレベルをしっかり割り込むようだとむしろ予想以上の深押しが入る可能性もある。

一方、材料的に見た場合、2月のフィラデルフィア連銀景況指数や12月の耐久財受注速報といった米経済指標の発表が予定されているほか、米財務省による30年物インフレ連動債の入札、ボスティック・アトランタ連銀総裁による講演などが実施される見込みだ。
また、それらとは別に前述した「米中貿易協議閣僚級会合」の行方なども気掛かり。市場はやや楽観論に傾斜している感があることから、逆の目が出た場合の反応には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.20円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値である110.95円レベルが最初の抵抗。超えれば111円台回復で、年初来高値の111.13円、あるいは111.30円レベルなどを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の110.60円レベルをめぐる攻防にまずは注視。ただ、下回っても110円台前半にサポート多く、下げ足は緩慢か。109円台は見た目以上に遠いイメージも。

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