<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、ドルが小じっかり。110円半ばを中心とした一進一退をたどるなか、黒田日銀総裁の発言をうけ、一時110.70円レベルまで値を上げている。
ドル/円は110.55円前後で寄り付いたものの動意が乏しい。NYなど北米市場が休場となった前日の流れを継ぎ、積極的な売買が見送られている。110円半ば挟みのレンジ取引を続けるなか、黒田日銀総裁から「為替で経済物価に影響出て目標達成に必要なら緩和検討」といった発言が聞かれたことを材料に、円売りが進展。110.70円レベルまで小幅ながらドル高・円安となった。16時時点では110.65-70円の日中のドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「米通商問題」について。
対中を中心としたものながら、米商務省が提出した「自動車関税めぐる報告書」が物議を醸す。たとえば、EU報道官からは早々に「追加関税なら対抗措置」との発言が聞かれていたほか、独紙はユンケル欧州委員長の発言として「欧州車への追加関税は当面ない」と報じている。なお、日本サイドは茂木経財相から「内容が明らかではなくコメント控える」との発言があったようだ。
そのほか個別のモノとして、先で取り上げた黒田日銀総裁の発言のほか、ロイター「トランプ氏の非常事態宣言、米16州が提訴」、中国商務省「米中が21-22日に閣僚級貿易協議実施」、米ホワイトハウス「米中通商協議がワシントンで19日に再開、21日からは高官級協議」、日経新聞「政府、5月の日米首脳会談前にTAG交渉入りへ」−−などといった報道が思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
大きな意味では110.00-111.20円といったレンジ内にとどまっているものの、ドルは再び上値をトライする様相を呈している。本日の東京時間には110.70円レベルまで、一時上昇する局面も観測されていた。このあとについては、ドルがさらに続伸し前記したレンジの上限、先週超えられなかったレベルを超えていくことが出来るのかどうかに注視したい。超えれば、移動平均の200日線なども位置する111.30-40円を目指すことになりそうだ。
材料的には引き続き「米中貿易協議」と「米非常事態宣言問題」が相場の注目要因となるなか、前者については中国商務省と米ホワイトハウスの発表に若干の齟齬がうかがえるものの、ともかく本19日から協議が再開される公算が大きく注意を払いたい。また、米国以外でも注意すべき要因は多く、たとえば18日に野党7議員の離党が報じられた「英国情勢」などは本日も波乱要因となりかねないだろう。
テクニカルに見た場合、レンジ内ではあるものの、ドルは底堅いだけでなく、再び上値トライの機運がうかがえる。
そんなドルのレジスタンスは、先週高値の111.13円あるいは移動平均の200日線なども位置する111.30-40円など。超えれば112円に向けた続伸が予想される反面、再び上値を阻まれれば直近安値の110.25円、もしくはレンジ下限の110円を目指す展開もあるだろう
一方、材料的に見た場合、2月のNAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表されるほか、メスター・クリーブランド連銀総裁による講演などが予定されている。また、講演という意味では、本日は欧州要人によるものも少なくなく、そちらも注意を払いたい。
そのほか、先で指摘した本日から再開される「米中貿易協議」の行方なども状況次第で波乱要因に。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.30-111.30円。ドル高・円安方向は、直近高値の111円前後や111.13円などが最初の抵抗。抜けても、移動平均の200日線などが位置する111.30-40円に抵抗があり、上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日安値の110.45円レベルの攻防注視。割り込んだとしても、引き続きドルの下値は堅いイメージだが、110円を仮に下回るようだと下げが加速する可能性もある。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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