ドル円110円維持ならドル高基調継続か(週報2月第3週)

先週のドル/円は、ドルが小高い。ザラ場ベースで一時111円台を示現したほか、定着出来なかった110円台を週末NYクローズで超えてきている。

ドル円110円維持ならドル高基調継続か(週報2月第3週)

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先週のドル/円は、ドルが小高い。ザラ場ベースで一時111円台を示現したほか、定着出来なかった110円台を週末NYクローズで超えてきている。

米メディアから「与野党が予算協議を中断、『壁』めぐり対立続く」−−といった報道が観測されるなか、週明けのドル/円相場は前週末のNYクローズに近い109.70-75円でオープン。週初は東京勢が「建国記念の日」で3連休となるなか、旧正月休み明けとなる中国勢などは取引に戻ると相場を牽引、前記した週初寄り付きレベルをドルは週間安値に緩やかな右肩上がりをたどっている。前週高値である110.16円を超えると、週の半ばにはそのまま111円台まで続伸となった。
そのレベルではさすがに上げ止まり、調整と思しき動きが入るものの底堅く、ドルの下値は110円前半まで。結局、一度も110円を割り込むことなく、週末NYは110円半ばレベルで取引を終え、越週している。

一方、週間を通して注目された材料は、「米つなぎ予算問題」と「米中貿易協議」について。
前者は、前述した米メディア報道が聞かれたのち、「複数の米有利議員が現地時間11日夜に、国境警備めぐり協議。共和党上院歳出委員長が、協議で原則合意が成立したとの見解を示した」との続報が好感されると、ドル買いが進展。111円台に向けたドル高を後押していた感がある。そののち、CNNが「トランプ大統領、『壁』建設の与野党合意案に署名へ」と報じ、さらに楽観論が強まるも、一方で「メキシコ国境の壁建設費用を確保するために国家非常事態を宣言する方針」とされ、後者が失望を誘い調整のドル売りを呼んでいたようだ。

対して後者は、11日から実施された次官級協議に続き、14日からは閣僚級協議が実施され、進展度合いに市場の期待が高まる。事前には、トランプ米大統領から「米中通商協議は合意近ければ期限延長可能」といった楽観的な発言が聞かれた反面、米紙WSJは「米中通商協議の争点は首脳決着か、履行検証も難題」とやや辛口の見通しを示していた。なお、閣僚級などによる会合の結果は、一定の進展は見られたものの、合意には至らず。今週(18日から始まる週)に改めて協議することが確認されている。

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超えそうで超えられなかった110円台に乗せてきたことで、リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかる。そんなドルの上方向におけるテクニカルポイントは、先週記録した高値の111.13円、そして移動平均の200日線なども近い111.35-40円など。それらを超えれば、112円台乗せが視界内に捉える。また、先で指摘したようにドル高リスクがまだ高いとみてはいるが、NYクローズベースで110円を割り込むようだと、その限りではない。ドルの下押しにも一応要注意。

材料的には、2つの大きな米国ファクターである「米中貿易協議」と「米つなぎ予算問題」に引き続き一喜一憂する展開か。前者は、トランプ氏自身が発言しているように、「最終的には首脳会談で決着」されるもようだが、閣僚級協議の継続が決定しているだけに、その内容には注意を払いたい。対して後者は、「つなぎ予算」そのものではなく、トランプ氏による非常事態宣言をめぐる動きへと関心が移行している。CNNの世論調査では「トランプ氏の国家非常事態宣言、3分の2が反対」とされるような状況下、強行突破するのか、はたまた撤回するのか、どういった結論に落ち着くのか予断は許さない。

テクニカルに見た場合、一時111円台まで上昇するも、週の終値ベースでは110円半ばまで押し戻されている。移動平均の75日線や200日線が位置する111.25-40円を目前に反落に転じてきた格好で、同レベルがドルの抵抗として寄与した感を否めない。今週も引き続き同レベルの攻防には要注意だ。
ただ、週足の一目均衡表をみてみると、先週110.05-10円に位置した先行帯の雲の上限を上抜けてきたことが、ドルの強気派にとっては好材料だろう。一目の雲の上限をサポートに、ドルは再び上値を試す展開も否定出来ない。

一方、材料的に見た場合、2月のNAHB住宅市場指数や1月の景気先行指数といった米経済指標が発表されるほか、FOMCの議事録要旨公開、米財務省による米債入札なども実施される見込みだ。また、米地区連銀総裁などによる講演が相次ぐ。
そのほか、先で取り上げた「延長された米中通商協議」をはじめ、米国に関して注目要因は少なくないほか、「EU離脱案をめぐる英国情勢」のほか、4月28日に前倒し総選挙を実施すると発表した「スペイン情勢」なども気掛かり。欧州リスクにも注意を払いたい。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.50-111.50円。ドル高・円安については、先週記録した高値111.13円の攻防にまずは注視。ただ、抜けても111円前半にはテクニカルポイントは多く、ドルの上値は限られそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週14日安値である110.25円レベルが最初のサポート。割り込んだ場合には110円を目指す展開となろう。底堅いイメージだが、110円をしっかり割り込むようだと、逆に下値の展望が拡大する可能性も。

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