ドル円米中協議楽観論など後退、戦略練り直し(2/15夕)

15日の東京市場は、110円台前半を中心とした揉み合い。ただ、前日までのドル強気見通しは鳴りを潜めた感があり、上値は重い雰囲気だった。

ドル円米中協議楽観論など後退、戦略練り直し(2/15夕)

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15日の東京市場は、110円台前半を中心とした揉み合い。ただ、前日までのドル強気見通しは鳴りを潜めた感があり、上値は重い雰囲気だった。

ドル/円は、110.40-45円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。110.40-55円といったレンジ取引をたどっていたが、下限を割り込むと日中安値である110.25円レベルへと小幅に下落した。日経平均株価が続落、終値ベースで239円の大幅安となったことなどが嫌気されていたという。
しかし、下値を確認後ドルは小戻すと、110.30円台を中心とした一進一退に。16時時点では110.35-40円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米つなぎ予算問題」と「米中貿易協議関連」について。
前者は、事前にCNNが「トランプ氏が予算案に署名しないのではと懸念」と報じ、市場を慌てさせるも、なんとか無事に「予算案への署名」となった。しかし、同時に「メキシコ国境の壁建設費用を確保するために国家非常事態を宣言する方針」とされたことが新たな失望を誘っていた。また、ペロシ下院議長からは「トランプ氏が非常事態宣言なら法的異議申し立ての公算」との発言が聞かれるなど、再び全面対立の様相も。
対して後者は、トランプ大統領などから楽観論的な見通しが聞かれる反面、ブルームバーグは「米中通商協議は平行線、溝が埋まらず」、またFOXはカドローNEC委員長の発言として「対中通商協議の期限延長は決定していない」と報じるなど、やはり協議において目に見える進展は簡単でなかったようだ。なお、米中閣僚級協議そのものは15日も実施される予定となっている。

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昨日の東京時間をみると、111円台をしっかりと回復した感があったものの、結局続伸は出来ず。むしろ、本日東京時間には110円台前半まで押し戻されての推移となっている。とは言え、下値110円前後がサポートされれば、ドル高基調そのものに変化はなさそう。株価や金利のほか次なる材料をにらみつつ、従来のレンジを上方修正した110.00-111.20円といった新レンジを形成し、そのなかでの一進一退が続く可能性もある。
材料的には、2つの大きな米国ファクターである「米中貿易協議」と「米つなぎ予算問題」に楽観的な見通しが台頭、それが先日までのドル高を後押ししていたが、前述したように一部についてはハシゴを外された感を否めない。とは言え、「米中協議は決裂」といったような最悪の状況に陥ったわけではないことで、さらなるドル売りにも限界がありそう。いずれにしても、いわゆる米国ファクターをしっかりと精査、状況をいま一度しっかりと見極め戦略を練り直したい。

テクニカルに見た場合、移動平均の75日線や200日線が位置する111.25-40円を目前にドルは反落に転じてきた。同レベルがドルの抵抗として寄与していた。
ただ、週足をみてみると、今週110.05-10円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の上限を現段階で超えているなど、ドル高基調そのものに変化はなさそうだ。本日は週末・金曜日ということで、NYクローズで週足・一目の雲の上限を維持すれば、来週にかけて再びドル買い機運が高まる可能性もある。

一方、材料的に見た場合、2月のNY連銀製造業景況指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数速報などの米経済指標が発表されるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演も予定されている。なお、今週は昨日そして一昨日と連日、発表された米経済指標が相場の変動要因となっているだけに、本日も指標内容には要注意かもしれない。
そのほか、15日まで中国北京で実施される「米中閣僚級貿易協議」、そして「つなぎ予算」そのものにはメドが立ったが、新たに派生しそうな「トランプ米大統領vsペロシ下院議長」といった争いの行方には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.00円。ドル高・円安方向は、110.70-80円に弱い抵抗が位置しており、その攻防にまずは注視。超えると、直近高値の111.13円あるいは移動平均の200日線などが位置する111.25-40円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の110.25円レベルが最初のサポート。割り込めば110円前後を目指す。引き続き底堅いイメージだが、110円台のテクニカルポイントも、昨日から今日にかけ幾つも下回ってきており、110円をしっかり割り込むと予想以上の深押しも否定出来なくなる。

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