ドル円レンジ上限突破、ドル続伸の期待かかる(2/12夕)

12日の東京市場は、小幅にドルが続伸。一時110.60円台まで値を上げ、直近のドル戻り高値を更新している。

ドル円レンジ上限突破、ドル続伸の期待かかる(2/12夕)

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12日の東京市場は、小幅にドルが続伸。一時110.60円台まで値を上げ、直近のドル戻り高値を更新している。

ドル/円は、110.35円前後で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。日経平均株価が終値ベースで531円高となったことなどが支援要因となり、リスク志向の動きが強かった。テクニカルポイントである110.55円レベルでは一旦上げ渋るも上抜くと、戻り高値である110.65円レベルを記録している。
高値を示現後はやや軟化するも底堅く、16時時点では110.50-55円というドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米つなぎ予算問題」と「英国情勢」について。
前者は、ロイターが「複数の米有利議員が現地時間11日夜に、国境警備めぐり協議」などと報じるなか、ブルームバーグは続報として「交渉を担当している共和党上院歳出委員長が、協議で原則合意が成立したとの見解を示した」と指摘、株高進行とともに東京時間のドル高・円安の支援材料になっていた。
対して後者は、またもやEU離脱に関する発言や報道が相次ぐ。たとえば、英報道官「メイ首相が離脱交渉状況を12日議会で説明へ」、「英とスイス、離脱後も貿易条件維持で合意」、欧州委当局者「英のEU離脱は早急な解決が必要」、英紙「英閣僚ら、メイ首相が辞任を準備中と考えている」−−などとなる。

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先週は110.16円レベルがトップとなり、ドルの上値を強く阻まれた格好だったが、昨日欧米時間に同レベルを突破。それに続き、本日東京でドルはさらに値を伸ばすと、一時110.60円台を記録している。再びドル高方向にバイアスがかかった。

テクニカルに見た場合、昨年高値114.55円を起点とした大きな下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.55円をわずかながら上抜いてきた格好で、次のターゲットは76.4%戻しの112.05-10円。ドルの続伸に注意を払いたい。
今週は注目材料が少なくないが、そのほとんどが週の半ば以降は週末にかけて。昨日ドルが上値を更新してきたのは予想外だった。しかしながら、今週最大級の材料と目される「米つなぎ予算期限(15日)」をめぐる問題について、確定ではないものの、前述したような明るい展望が開けたことはドルにとって好材料だろう。米株の動き次第といった側面もあるが、NY時間などにドルが改めて買い進められる可能性もある。

さらにテクニカルに見た場合、昨日レポートした「これまで何度も失敗している110円台の定着、ならびに前回高値である110.16円の更新」−−を成し遂げ、ドルは110.60円台まで続伸している。リスクはドル高方向にバイアスがかかりそうだ。
なお、フィボナッチの観点では110.55円を超えたことにより次のターゲットは112.05-10円に。さすがに、現状レベルとではやや乖離があることから、現実問題としては移動平均の200日線が位置する111.25-30円をまずは目指す展開が予想される。

一方、材料的に見た場合、12月の雇用動態調査などの米経済指標が発表されるものの、全体的には小粒。よほどの数字にならない限り、影響は限定的だろう。ただ、前日に続く米中次官級通商協議の行方などは気に掛かる。トランプ米大統領からは「貿易で素晴らしい取引をするだろう」といった発言も聞かれるなか、目に見える進展があればさらなるドルの買い要因となるかもしれない。そのほか、米国以外では依然として英国情勢、先で取り上げた「メイ首相が離脱交渉状況を12日議会で説明」などに要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.00円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である110.65円レベルが最初の抵抗。超えれば、移動平均の200日線など複数のテクニカルポイントが位置する111円台前半がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の110.30-35円の攻防にまずは注視。ただ、ドルの下値は切り上がってきており、足もとでいえば110円前後から109円後半はかなり底堅そうだ。

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