レンジ上限に再び接近、110円台の攻防注視
週明け11日の東京市場は、ドルが堅調裡。再び110円台を回復する局面も観測されたが、定着するには至らなかった。
週末に、米CNBCが「米政府高官、対中通商協議期限を延長する可能性も」、米メディアから「与野党が予算協議を中断、『壁』めぐり対立続く」−−といった報道が観測されるなか、週明けのドル/円相場はオープン。ただ、旧正月休み明けとなる中国勢などは取引に戻ってきたものの、今度は東京勢が「建国記念の日」で3連休となり、当初は動意に欠ける値動きとなった。
先週末のNYクローズに近い109.70-75円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。109.70-85円といった値動きをたどるも、上抜くと一時110円台を回復する局面も観測されている。結局、110円台への定着はならなかったが、16時時点でも109.95-00円というドル高値圏で強保ち合い、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、先で指摘したCNBC報道が観測されるなか、米WHが「米中は11日から次官級協議、14-15日に閣僚級貿易協議を開催」と正式に発表、協議の進展が期待されていた。ただし一方で、ポリティコ「米、11日週にも中国製品排除を強化へ」といった報道もあったようで、ドラスティックな協議進展、関係改善は見込みにくいとの声も依然として少なくない。
対して後者は、先週末に掛けて3日間訪朝した米担当特使から「米朝会談前にまだ難しい作業が残っている」との発言が聞かれるなか、共同通信が「米、北朝鮮の体制保証めぐり譲歩の可能性」、朝鮮中央通信は、「朝鮮人民軍創建71年に合わせて実施された演説で、北委員長は核やミサイルに言及しなかった」と報じていた。
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先週のドル/円は、結局1週間を通して109円後半を中心としたレンジ取引に終始。実際、値幅はわずか70ポイント強にとどまっている。その流れは週が明けた本11日も変わらないが、110円台をワンタッチするなど、敢えて言えばドル高方向にバイアスのかかった値動きだ。ドルはこのまま続伸し、110.16円という最近のレンジ上限を超えていくことが出来るのかどうかにまずは注視をしたい。
今週は材料的にも、週末にかけて注目材料が多く、相場の動意が期待されている。発表される米経済指標や、米国を中心とした要人発言などにも要注意だが、米国ファクターとしては週末15日に迎える「つなぎ予算の期限」をめぐる与野党の攻防が気掛かり。また、それ以外の要因としては、「英議会による離脱案修正の審議採決(14日)」を警戒する声は少なくないようだ。動静如何でポンドを中心に、相場が乱高下をたどる可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドルの下値はかなり堅い反面、上値も重い状況で109円台後半を中心としたレンジ取引となっている。そのため、基本的な方向性は喪失している感を否めないが、それでもあえて指摘するならドル高方向にバイアスがかかりそう。これまで何度も失敗している110円台の定着、ならびに前回高値である110.16円を超えていくことが出来るかどうかを注視したい。
なお、上方向にブレークすれば、110.35円や110.55円などが次のターゲットとなる。
一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表は予定されていないものの、ボウマンFRB理事の講演が実施される見込みで注意を払いたい。また、米国ファクターとしては、11日からの米中次官級通商協議の行方も波乱要因になりかねないとして、警戒する声は少なくない
そのほか、米国以外では、依然として英国情勢が気掛かり。とくに本日は英の10-12月期GDP統計速報なども発表される予定で、「EU離脱手続きの混迷や欧州経済の減速などが悪材料になる」−−可能性も取り沙汰されており、数字如何ではポンド相場が荒っぽい変動をたどることもありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.50-110.30円。ドル高・円安方向は、先週記録したドル高値である110.16円が最初の抵抗。超えれば、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントの110.35円、110.55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、6日そして7日と連続でドルの下値を阻んだ109.55-60円の攻防をまず注視。ただ、下回っても下方向のサポートは多く、目先の109円割れは困難かもしれない。(了)
オーダー/ポジション状況
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