リスクはドル高だが、上値も重そう(2/6夕)

6日の東京市場は、ドルが小安い。再び110円台を回復する局面も見られたが、今回もトライは失敗に終わると、最終的にはマイナス圏に。

リスクはドル高だが、上値も重そう(2/6夕)

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6日の東京市場は、ドルが小安い。再び110円台を回復する局面も見られたが、今回もトライは失敗に終わると、最終的にはマイナス圏に。

ドル/円は、109.95円前後で寄り付いたのち、しばらくは20ポイント強のレンジ取引。その過程のなかで110円台を一時的に突破する局面も観測されていた。しかし、東京時間昼前に実施された「トランプ米大統領の一般教書演説」を受けてドルは値を崩すと、109.60−65円まで軟落。日中安値を記録後は、やや持ち直すも上値はすでに重く、以降は110円台を回復できなかった。16時時点では109.75-80円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「複合的な米国ファクター」と「英国情勢」について。
前者で主たるものは、「トランプ米大統領の一般教書演説」。そのなかでトランプ氏は「選挙から2年で前例のない経済の好景気をもたらした」と自画自賛、続けて「わたしは壁を建設する」、「中国に対して、米国の雇用と富を盗み取る行為を終わらせることを明確に示したい」とも述べている。また、米朝首脳会談の開催日程と場所についても明らかにした。なお、そのほか別に、DJが「米財務長官とUSTR代表、北京で通商協議へ」、共同通信「日米、今月中旬の外相会談を見送り」−−と報じている。

対して後者は、「英首相、7日に欧州委員長と会談実施」との発表が確認されるなか、英紙テレグラフは「英閣僚、EU離脱を5月24日に延期する計画を協議」と報じ、またもや物議を醸していた。

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ドルは今週に入って以降、多くの時間を109円台後半で過ごしており、一時的には110円台を回復する局面も観測されている。リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかりそう。しかし、いまだ110円台に定着は出来ておらず、ドルの上値の重さは相変わらず。そうした意味では、次の動意に向けた時間調整とも言える動き、109円台を中心とした揉み合いがいましばらく続くとの見方は少なくないようだ。
今週の新規材料は比較的が少なめとなるなか、週内最大の注目要因といっても過言ではない「米大統領の一般教書演説」もすでにこなしてきた。目先は決め手を欠くことで、金利や株価の動きをにらみつつ、基本的にはレンジ取引が続く可能性も否定出来ない。ただ、ツイッターを通したトランプ米大統領の発言などは、相場のかく乱要因として一応注意しておきたいところだ。

テクニカルに見た場合、これまでのレンジ109.00-110.00円をやや拡大させ、108.50-110.20円といった新たなボックス圏を構築、足もとは新レンジ内での一進一退となっている。明確な方向性はやや乏しい。
しかし、110円の突破は完全に失敗したわけではなく、足もとのリスクを敢えて指摘すればドル高方向か。実際、今週に入ってからのドル/円は、多くの時間を109円半ば以上で推移している。少なくとも、非常に底堅いイメージだ。分厚いオファーをこなし、110円台へと定着が出来れば、ドルはさらなる戻りを試す可能性もある。

一方、材料的に見た場合、順延されていた11月の米貿易収支が発表されるほか、欧米企業の決算発表も依然として続く。それらの内容には一応要注意。
上記を除くと、新規要因はやや乏しいものの、韓国から北朝鮮へとわたり、首脳会談の議題など詰めの協議を行うとみられるビーガン北朝鮮担当特別代表ら一行の動きはやや気掛かり。また、明7日の「英首相と欧州委員長との会談実施」を前にした、さまざま駆け引きや報道などもポンドの波乱要因として注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.20円。ドル高・円安方向は、今週のドル高値である110.16円が最初の抵抗。超えれば、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントの110.35円、110.55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京も近いレベルで下げ止まった109.60円前後が、なかなか強いサポートとして育ちつつある。まずは同レベルの攻防に要注意。ただ、下回ってもサポートは多く、短期的には108円台も少し遠い存在になってきた感がある。(了)

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