米雇用統計を注視、ただドル売りは限定的か(2/1夕)

1日の東京市場は、108円台後半で一進一退。NYタイムに予定されている米雇用統計発表をにらみ、積極的な売買は見送られている。

米雇用統計を注視、ただドル売りは限定的か(2/1夕)

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1日の東京市場は、108円台後半で一進一退。NY時間に予定されている米雇用統計発表をにらみ、積極的な売買は見送られている。

ドル/円は、108.85円レベルで寄り付いたものの、動意に乏しい。実際、終日を通した変動は20ポイント強にとどまっていた。早朝から米長期金利と株価次第などと指摘されていたものの、日経平均株価も前日比横ばい圏で冴えず、為替市場へ目立った関与はうかがえなかった。16時時点では、108.85-90円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」について。
訪米した中国の劉副首相は、トランプ米大統領と会談し、「米国産大豆の輸入を大幅に増やす方針を伝えた」とされるなか、全米商工会議所は「知的財産権などでいくらか進展」と辛めの評価。ただ、中国サイドは「米国との貿易協議で重要な進展」とかなりの好評価をしていたようだ。なお、対中通商協議について、トランプ氏は「交渉は90日間が厳格な期限」、「中国国家主席との直接会談で最終合意」と発言していた。
そのほか、単発モノとして「ペロシ米下院議長、壁建設費は一切認めずと発言」、AP通信「米、早ければ本日にもINF条約破棄を通告へ」、BBC「英外相、EU離脱に関し時間的猶予は乏しいとの認識」、「米特別代表が3日訪韓、韓国担当と米朝交渉などを協議」−−などといった発言やニュースが観測されている。

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過去2週間近くに及ぶレンジの下限を割り込んでいるものの、予想ほど下押しはせず、ドルの安値は108円半ばまで。その後は108円半ばから109円程度という狭いレンジ取引となっている。少なからず下値リスクが高まってきたことは間違いないものの、昨年たびたび観測された「レンジをブレークしたかに見えたが、このあと再びレンジ内に回帰する」可能性もいまだ捨てきれない。本日は週末、来週に繋がることもあり、ザラ場の動きはもちろんのことNYクローズにも注意を払いたい。
今週は週間を通して注目材料が目白押し。本日はその掉尾を飾る「米雇用統計」が発表される予定となっている。数字自体は、さほど奮わない見込みだが、すでにFOMCで当局のハト派スタンスが示されていることもあり、悪い数字はある程度織り込み済みでドル売りも限られそう。むしろ、好数字にこそ反応しやすい、との指摘も聞かれていた。

テクニカルに見た場合、週末ということもあり、週足・一目均衡表の先行帯の雲をめぐる攻防に要注意。今週は109.65-110.05円に位置、ここまではおおむね、雲の下限がドルの抵抗になっていることが見て取れたが、米雇用統計発表後の展開は果たしてどうなるのか。週足が雲の下限を超えて雲の中に埋没、あるいは雲の下限だけでなく上限も突破すれば、来週にかけてはさらなるドル高進行が期待出来そうだ。

一方、材料的に見た場合、1月の雇用統計を筆頭に、同ISM製造業景況指数や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。また、政府機関閉鎖により発表が先延ばしされていた11月の建設支出も本日発表される見通しだ。
そうしたなか、もっとも関心の高い雇用統計のなかの非農業部門雇用者数は、事前予想でプラス16.5万人程度が見込まれている。これは、前月(プラス31.2万人)から約半減との見方になる。ただ、ある程度の悪化は「政府機関閉鎖や年末商戦向け臨時雇用の反動剥落によるもの」(外資系ストラテジスト)といった具合に織り込まれているようで、大きなドル売り要因とはなりにくいのかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.60円。ドル高・円安方向は、本日の東京でとどかなかった109円レベルが最初の抵抗。ただ、抜けても109.10円前後に次の抵抗が位置している。それを超えると前回高値109.73円や110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値108円半ばの攻防にまずは注視。依然として底堅いイメージもあるが、割り込めば10日安値107.77円が薄らと視界内に捉えられそうだ。

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