ドル高再燃、年初来高値が視界内に(1/23夕)

23日の東京市場は、ドル高・円安。一時109.80円レベルまで値を上げ、18日に記録した前回のドル戻り高値に接近する局面も観測されている。

ドル高再燃、年初来高値が視界内に(1/23夕)

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は、ドル高・円安。一時109.80円レベルまで値を上げ、18日に記録した前回のドル戻り高値に接近する局面も観測されている。

ドル/円は、寄り付いた109.35円前後を日中安値にドルがしっかり。株価の動きをにらみつつ、109.80円レベルまで値を上げてきた。最終的に、日経平均株価は前日比29円安とマイナス圏に沈んだものの、アジアの株価は総じて堅調。また、時間外で取引されているNYダウ先物も上昇したことがリスク志向の動きに繋がっていたようだ。さらに、日銀が金融決定会合で、予想通りだが物価の見通しを下方修正したことも材料視されていたという。
16時時点では、高値から小緩んだ109.65-70円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」と「米政府機関閉鎖問題」について。
前者は、英紙FTが「米中貿易交渉、中国提示の準備会合案を米国側が拒否」と報じ物議を醸すも、そののち米NEC委員長が「FT紙報道は事実でない」と否定したことで鎮静化した。そうしたなか、米国務長官から「対中通商協議で良好な結果が得られる」との発言も聞かれている。
対して後者は、米共和党上院院内総務「政府閉鎖解除案を今週採決」、「議会上院、与野党それぞれの予算案を24日に採決する方針を決定」−−といった発言などが聞かれ、事態好転への期待感が高まる反面、「米大統領は予定通り29日に一般教書演説を計画。ただ、演説は議会以外で実施も」とし、政府機関の閉鎖がいましばらく続く可能性も取り沙汰されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

目先は108-110円といったレンジ取引が続く、と予想していたが、本日の東京時間に109.80円レベルへと到達、想定レンジの上限超えをうかがう展開になっている。目先高値の109.89円を示現後の調整は、もう少し長期化かつ深押しを見込んでいたのだが、あまりに早い切り返しだ。それだけドル買いの勢いが強いのかもしれない。このあとの欧米時間、前回高値だけでなく110円を超えていく展開となるのかを注視しておきたい。
少しずつ好転しはじめた気配もうかがえる「米政府機関の閉鎖」は、前述したように「24日のつなぎ予算案採決」がひとつのヤマ場となりそうだ。個人的には、可決できるか不透明で予断は許さない気がするものの、マーケットはポジティブに捉え、短期的にはドル買いの材料となる可能性もある。また、米中貿易協議や米朝融和などについても、足もとの地合いからするとドルの支援要因となりかねないだろう。

テクニカルに見た場合、引き続きレンジ取引ではあるものの、足もとはレンジ上限超えを視界内に捉えた動き。年初来高値の109.89円、あるいは心理抵抗の110円を超えれば、さらなるドルの戻りを否定出来なくなる。
ちなみに、上抜けた場合はフィボナッチの観点からすると、昨年11月高値114.23円を起点とした下げ幅の61.8%戻しに当たる110.35円レベルがターゲット。また、そのレベルも超えるようだと移動平均の200日線が位置する111.20円レベルが意識されかねない。

一方、材料的に見た場合、1月リッチモンド連銀製造業指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、欧米企業の決算発表も引き続き予定されている。
決まり物としては、それほど新規材料が多くないものの、いわゆる「ダボス会議」が25日までに日程で実施されており、昨日もポンペオ米国務長官をはじめとする参加者などによる複数発言が観測され、一部で話題となっていた。本日も引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.10-110.10円。ドル高・円安方向は、先週末に記録した年初来高値109.89円が最初の抵抗に。抜ければ、110円台回復が現実味を増し、具体的には110.35円などがターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の109.14円が目先のサポート。ただ、割り込んでもテクニカルポイントは多くもかなり底堅いイメージだ。(了)

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