ドル円見通し 12月5日安値を割り込む(12/7)

5日未明安値112.57円の後は下げ一服で6日朝には113.24円まで戻したものの再び失速、6日昼過ぎは5日未明安値割れを回避したものの深夜の下落で112.24円まで一段安した。

ドル円見通し 12月5日安値を割り込む(12/7)

【概況】

11月28日深夜高値114.03円の後、パウエル米連銀議長講演が利上げ終点を意識させるものだったとしてドル安となり29日夜に113.19円まで下落したがいったん戻しに入り、12月1日の米中首脳会談で関税拡大等が先送りされたことを好感して12月3日朝には113.82円まで戻した。しかし米中合意は不透明なままであり、米国の長短金利逆転が発生した事が先行きリセッション入りの懸念を助長して株安となり、リスク回避的に113円割れへと崩れた。5日未明安値112.57円の後は下げ一服で6日朝には113.24円まで戻したものの再び失速、6日昼過ぎは5日未明安値割れを回避したものの深夜の下落で112.24円まで一段安した。

【三角持合いから転落するか】

ここまでの下落で11月28日深夜高値からの下落は60分足レベルで三段下げ型に発展した。また11月28日深夜高値へ上昇した時の起点である11月20日安値112.29円をわずかに割り込んだ。
日足レベルでは10月26日安値と11月20日安値を結ぶ三角持合いの支持線から転落している。また8月21日安値と10月26日安値を結ぶ支持線からもザラバで転落したが、6日深夜からの反発で日足は下ヒゲとなったために終値ベースでは支持線より上に戻している。しかし10月4日以降の三角持合いから下放れし始めているため、7日夜の米雇用統計で反騰してこないと下放れによる下落加速となりかねないところに来たという印象だ。

【株式市場乱調、米国の長短金利逆転続く】

5日はNY株式市場が休場だったが、休場明けのNYダウは一時780ドル安まで急落した。引けにかけては反騰して暴落分をかなり解消したが79.40ドル安で終了している。米中首脳会談直後の楽観ムードが早々に薄れる中、6日はファーウェイCFOがカナダで逮捕されていたことが報じられ米中問題がさらに険悪化する可能性が懸念された。
米国の長短金利逆転が話題となっているが、3年債と5年債の利回り逆転が続いている。また10年債利回りは2.867%で終了したが一時は2.826%まで低下して3か月振り低水準となった。長期債利回り低下は先行きの政策金利低下見込みを反映しているが、その背景になるのがリセッションへの懸念であり、2000年ITバブル崩壊前や2008年リーマンショックの前にも長短金利逆転が発生している。10月に世界連鎖株安となり、その後も乱調な展開が続いているために長短金利逆転が象徴的な不安要因として意識されている状況だ。

米商務省が発表した10月の貿易収支では対中赤字が前年同月比22.14%増の431億ドルとなり前月に続いて過去最大を更新。関税強化での駆け込み需要を反映しているが、赤字拡大によりトランプ政権が強硬となる懸念も広がると思われる。
米オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)が発表した11月の全米雇用報告では非農業部門民間就業者数が前月比17万9000人増となり市場予想の19万5000人増を下回った。米サプライ管理協会(ISM)が発表した11月の米非製造業景況指数は60.7となり前月の60.3から上昇、市場予想の59.2も上回った。
米アトランタ連銀のボスティック総裁(FOMCの投票権あり)は6日の講演で「景気が過熱している明確な兆候は出ていない」「現在の金利が景気を過熱も冷やしたりもしない中立水準の射程圏内にある」「金融政策はより中立的な位置にすべきだ」と述べて当面は利上げ継続が望ましいとの姿勢を示した。
7日早朝に米パウエル連銀議長が講演したが金融政策への言及はなかったようだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、12月3日朝高値からの下落で11月29日安値を割り込んだために5日朝時点では底割れによる弱気サイクル入りとし、12月4日夜から6日深夜にかけての間への下落を想定した。しかし5日昼への上昇で113円をつけ、夜間に113.24円まで続伸したために6日朝時点では5日未明安値を直近のサイクルボトムとし、底割れ回避のうちは6日未明から10日朝にかけての間への上昇余地ありとしたが、6日朝高値からの反落により既にサイクルトップをつけてしまった可能性がある。6日深夜への下落で5日未明安値を割り込んだため現状は6日朝高値をサイクルトップとした新たな弱気サイクル入りと思われる。6日深夜安値から戻しているものの底打ちの日柄が浅いため、113円手前までを戻り抵抗とし、112.50円割れからはボトム形成への下げ再開として8日早朝から12日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6日朝高値からの下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落している。新たな安値更新回避なら遅行スパンは好転してくるが、先行スパンを上抜けないうちは一時的に遅行スパンが好転してもその後の悪化から下げ再開に入りやすいとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、112.50円、次いで6日深夜安値112.24円を支持線、113.00円を抵抗線とみておく。
(2)113円を下回る内は112.50円割れから下げ再開とみて6日深夜安値試しとし、底割れからは111円台前半への下落を想定する。
(3)112.70円台から112.90円台までは戻り売りにつかまりやすいとみる。113円超えの場合は6日朝高値113.24円手前を試す可能性が出てくるが113円台を維持できずに112.70円割れしてくるところからは下げ再開とみる。強気転換は6日朝高値超えからとする。

【当面の主な予定】

12/7(金)
14:00 (日) 10月 景気先行指数(CI)速報値 (9月 104.3、予想 104.9)
16:00 (独) 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 0.2%、予想 0.3%)
16:00 (独) 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 0.8%、予想 2.0%)
19:00 (欧) 7-9月期GDP確定値 前期比 (改定値 0.2%、予想 0.2%)
19:00 (欧) 7-9月期GDP確定値 前年同期比 (改訂値 1.7%、予想 1.7%)
22:30 (米) 11月 非農業部門雇用者数 前月比 (10月 25.0万人、予想 20.0万人)
22:30 (米) 11月 失業率 (10月 3.7%、予想 3.7%)
22:30 (米) 11月 平均時給 前月比 (10月 0.2%、予想 0.3%)
22:30 (米) 11月 平均時給 前年同月比 (10月 3.1%、予想 3.2%)
24:00 (米) 12月 ミシガン大学消費者信頼感指数 (11月 97.5、予想 97.0)
29:00 (米) 10月 消費者信用残 前月比 (9月 109億ドル、予想 150億ドル)

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