12月相場入り、薄商いのなか荒れた展開も(12月第1週)

先週のドル/円相場は、小幅にドル高・円安。

12月相場入り、薄商いのなか荒れた展開も(12月第1週)

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先週のドル/円相場は、小幅にドル高・円安。週のザラ場ベースでは、一時114円台をワンタッチしたものの続かず、113円に半ばまで押し戻されている。

前週末には、「EU首脳会議、英離脱合意案を正式決定」など幾つかの気になるニュースがあったものの、為替市場への影響は限定的。ドル/円は前週末のNYクローズと大差のない112.85円レベルで寄り付いている。
そんな週初のオープンレベルを週間安値にドルは小じっかり。月末週ということに加え、クリスマスや年末を控え、タイトとされる需給要因もドル高に寄与していたようだ。ドルは週の半ばに114円台まで上昇するも、維持できず反落。パウエルFRB議長による「利上げ終了の前倒し示唆」発言が嫌気され、ドル売り要因になっていたという。その後の揉み合いを経て、週末NYは113円半ばで取引を終え、越週となった。
なお、それとは別に、為替市場ではポンドが引き続き乱高下。また、為替以外では仮想通貨のビットコインキャッシュが大荒れの展開をたどっている。

一方、週間を通して注目された材料は、「英国を中心とした欧州情勢」と、週末のG20や米中首脳会談をバックにした「米中貿易戦争懸念」について。
前者については、前述した「EU首脳会議、英離脱合意案を正式決定」ことに続き、メイ英首相が「離脱案を12月11日に議会採決」と発言、着々と進展している感がみられる反面、スカイニュースは「バークレー英担当相がEU離脱合意の英議会通過は難しい、との認識を示した」と報じるなど、依然として一筋縄ではいかない状況も垣間見えた。また、英国以外では財政赤字問題に揺れるイタリア情勢が、週間を通して様々取り沙汰されユーロの波乱要因に。
対して後者は、米中首脳会談を前にトランプ米大統領から「対中関税を見送る可能性は低い」、「対中関税を予定通り25%に引き上げへ」といったけん制発言が聞かれたほか、クドロー米NEC委員長からも「米中首脳会談で貿易問題の打開がなければ、トランプ氏は関税引き上げへ」といった追い打ちをかけるようなコメントが聞かれていた。

<< 今週の見通し >>

11月高値114.23円だけでなく、年初来高値114.55円も視界内に捉えたドル一段高トライは仕切り直しとなった。そのキッカケになったのが、FRB議長による「利上げ終了の前倒し示唆」発言ということも気に掛かる要因だ。しかし、ドル安方向へ基調転換したかどうかは微妙なところ。単なる一時的な下押し、ドル高の調整にとどまる可能性もある。いま少しのあいだ、動静を見極めたい。
マーケットの関心が高かった週末の米中首脳会談後は、「追加関税猶予で合意」し、90日間の猶予が与えられた。事前には米国からの強いプレッシャーもあり、交渉決裂懸念も取り沙汰されていたが、今回の決定で市場は一息つくことになりそうだ。材料的にはドルの支援要因か。ただ、米感謝祭が過ぎただけでなく、カレンダー的にも12月入り。マーケットは名実ともにクリスマス・年末モードへと入り、これから先は商いの薄くなることが予想されるだけに、思わぬニュースなどが聞かれれば、一気に逆方向に動く危険性も孕んでいる。

テクニカルに見た場合、明確な方向性は依然として乏しい。チャートは、今年10月以降綺麗な三角保ち合いを形成しているようで、現在はちょうどその中間地点だ。非常にザックリ言えば、保ち合いの上限は週の初め段階で114円レベル、下限は同様に113円レベルに位置している。NYクローズで抜けた方向に、次のトレンドが決定することになるのかもしれないだけに、その動きを注視したい。
ちなみに、下抜けした場合には112.30円の直近安値、あるいは今週もおおむね112.15-20円で推移する一目均衡表の先行帯の雲の下限がターゲットとなる反面、上抜けの際には11月高値114.23円や年初来高値114.55円が意識されそうだ。

一方、材料的に見た場合、11月のISM製造業景況指数や11月の雇用統計といった重要な米経済指標の発表が週間を通して相次ぐほか、パウエルFRB議長による経済見通しの議会証言なども実施される見込みだ。米地区連銀総裁の講演などを含め、要人による発言にも注意を払いたい。
そのほか、継続案件である英国やイタリアを中心とした欧州関連のニュースも、依然として予断は許さず。波乱要因になりかねないかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、112.50-114.50円。ドル高・円安については、先週のドル高値である114.04円が目先の抵抗。超えれば11月高値114.23円や年初来高値114.55円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、週の初め段階で113.25-30円に位置する移動平均の25日線をめぐる攻防にまずは注視。割り込むようだと、週間を通し112.50-70円レベルで推移する日足・一目均衡表の雲の上限がサポートとなりそうだ。

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