先週は揉み合い、レンジ続くか否かを注視(11月第4週)

先週のドル/円相場は、レンジ取引。週末にかけて日米が感謝祭の休場になったことで、積極的な売買は手控えムード。週間を通した値動きは1円に満たなかった。

先週は揉み合い、レンジ続くか否かを注視(11月第4週)

先週は揉み合い、レンジ続くか否かを注視

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、レンジ取引。週末にかけて日米が感謝祭の休場になったことで、積極的な売買は手控えムード。週間を通した値動きは1円に満たなかった。

前週末にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)に絡むニュースが幾つか観測され、そのなかには「米中の対立で初の首脳宣言の採択を見送り」といった報道も。しかし、為替市場への影響は軽微で、前週末のNYクローズと大差ない112.75円レベルで寄り付いている。
そののち、週間安値である112.30円へと値を下げるも底堅く、反発に転じると113円台を回復した。ただ、ドルの上値も113.22円まで。その後は週末の日米それぞれの休場をにらみ動意が乏しくなると、112円台を中心とした揉み合い商状に。結局、週末NYは112.90-95円で取引を終え、越週している。
なお、それとは別に、EU離脱に関する様々なニュースが飛び交ったポンドが週間を通して乱高下。また、為替以外では週初5600ドル台で推移していたビットコインが、週末にかけては4200ドル台となるなど、仮想通貨が全般を通じて大荒れの様相を呈していた。

一方、週間を通して注目された材料は、「米中貿易戦争再燃観測」と「英国情勢」について。
前者については、APEC首脳宣言見送りに関して米中が非難合戦を繰り広げるなか、中国商務省報道官から「米国による対中貿易問批判は根拠がない」との発言が聞かれた反面、トランプ米大統領は「通商問題で中国が望むなら『ディール(=取引)』することは可能」といったコメントを発していた。関心は、G20とあわせた米中首脳会談に。
対して後者は、週の初めに英紙サンが「英保守党議員42人が書簡でメイ首相支持しないと表明」と報じたことに対し、メイ首相が「いま首相が代われば離脱は実現しないおそれ」と応じるなどバチバチの対決姿勢をうかがわせるなか、週末に「英とEUが『政治宣言』で原則合意」と報じられている。
また、それらとは別に、週の初め突如として伝えられた「ゴーン日産会長逮捕」との報道が、のちのちまで様々な物議を醸す結果となった。

<< 今週の見通し >>

ドル/円相場は短期的に見た場合、方向性を喪失している感を否めない。実際、先週は1週間を通して112.30-113.22円といった変動にとどまっている。週間を通したレンジが1円未満に終わったのは、今年7月1日週以来のこと。
米感謝祭が過ぎ、マーケットは名実ともにクリスマス・年末モードへと入ることもあり、今週以降参加者も徐々に減退しそう。そんななか目先はいましばらくレンジ取引が続く可能性を否定出来ないが、週末にかけて注目のG20サミット、ならびに米中首脳会談などが実施される見込みとされ、それらは波乱要因となりかねない。先週は1週間を通して小動きとなり、エネルギーの蓄積に努めただけに、レンジ放れにともなう予想以上の変動にも注意を払いたいところだ。ちなみに、先週形成したおよそ1円レンジを上放れた場合には114円台回復が視野に入ってくる反面、逆に下方向へとブレークすると111円台突入、10月安値の111.38円が視界内に捉えられかねない。

テクニカルに見た場合、方向性は極めて乏しい。前述したように短期的には112円台を中心とした、およそ1円程度のレンジを形成している状況だ。それをどちらの方向に放れるのか、タイミングかつ方向性が注視されている。
なお、レンジを上放れた場合はともかく、仮に下放れるようだと、年末までに10月に記録したドル高値114.55円を超えていく可能性が低くなる。つまり、かつて日経新聞が懸念していた「年間の変動幅が変動相場制以降で最小となる可能性」−−が、いよいよ現実味を帯びてくることになりそうだ。

一方、材料的に見た場合、11月の消費者信頼感指数や7-9月期のGDP改定値といった米経済指標の発表が相次ぐほか、11月7-8日開催分のFOMC議事録要旨公開などが予定されている。また、パウエルFRB議長による講演や米地区連銀総裁によるパネル討論会参加なども連日のように実施される見込みだ。通貨当局者による発言にも要注意。
そのほか、先で指摘したG20サミット、ならびに米中首脳会談などのほか、継続案件である英国やイタリアを中心とした欧州関連のニュースも波乱要因になりかねないかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、112.00-113.80円。ドル高・円安については、先週のドル高値である113.22円が目先の抵抗。超えれば11月高値114.23円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる113円半ば円や、同76.4%戻しの113.75-80円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、週末にかけて112円半ば近くまでレベルを切り下げてくる日足・一目均衡表の雲の上限をめぐる攻防にまずは注視。先週安値の112.30円、一目の雲の下限が週を通して位置する112.15円レベルなどが意識されそうだ。(了)

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