ドル円見通し 三角持合い下放れ(11/15)

14日は114円を抵抗として113円台後半の膠着状態で推移していたが、14日深夜からのNYダウ下落をきっかけに113.29円まで下げた。

ドル円見通し 三角持合い下放れ(11/15)

【概況】

11月12日に114.20円の高値をつけて10月26日安値111.37円以降の高値を更新した。13日の高値は114.14円で止まり高値更新へは進めなかった。14日は114円を抵抗として113円台後半の膠着状態で推移していたが、14日深夜からのNYダウ下落をきっかけに113.29円まで下げた。11月13日安値113.58円を割り込み、また10月26日深夜安値と11月7日安値、13日安値をほぼ1直線で結ぶ上昇トレンドの支持線から転落した。
10月の米消費者物価指数は全体の前月比が0.3%で前月の0.1%から上昇、市場予想の0.3%と一致。前年同月比では2.5%で前月の2.3%から上昇、市場予想と一致した。コア物価指数の前年同月比は2.1%で前月及び市場予想の2.2%をわずかに下回った。これは概ね市場予想通りだったため市場の反応は鈍かった。

【株安が重石】

NYダウは10月29日から反騰してきたが11月8日高値で戻り一巡となって失速、9日からは201.92ドル安、602.12ドル安、100.69ドル安と続落してきた。14日も一時は前日比で351ドル安、当日高値から566ドル安と急落となり、終値でも205.99ドル安で4日続落となった。10月3日高値から10月29日へ急落し、いったん戻してから反落し始める姿は今年1月26日高値から2月9日へ急落した後に2月27日まで急反騰したものの反落開始となり3月に一段安した流れに近い印象もある。日経平均も同様の展開となっている。株安不安が継続している中でドル円も楽観的な上昇へは進めずに114円台に達しても上値が重いという状況が続いてきたが、日米株安継続不安が再び高まって15日未明へ下落したという印象だ。

【英国とEUが離脱協定案で合意】

11月15日未明に英国がEUとの離脱協定合意案への承認を閣議決定し、それを受けてバルニエEU首席交渉官も英政府と協定案に合意したと発表した。協定案は25日に予定されるEU首脳会議で正式に決定される見通しとなった。
合意案では英国がEUに手切れ金を支払い、2020年末までを移行期間とし、その間は英国がEU加盟国並みの関係を維持、将来は英EU間で包括的な自由貿易圏を創設するとした。また北アイルランド問題が未解決の場合は移行期間の延長か英国全体のEU関税圏残留かを2020年7月までに選択することとされた。北アイルランド問題が棚上げ的な扱いになっていることから今後もこの問題での英国内及びEUとの軋轢が続く可能性があるため、これでブレクジット問題が決着したというほどには市場も反応していない。ポンドは15日未明にかけて乱高下しつつも12日夜からの戻り高値を切り上げたが15日早朝はやや失速しており、ポンド高の勢いには欠ける。またユーロドルも13日朝安値からは上昇基調にあるが7日からの下落に対する半値戻しに届かない程度に留まっている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

11月15日未明への下落で13日安値を割り込んだため、60分足チャートでは12日高値を中心に9日高値と13日高値を両肩とした三尊天井型、ないしは12日高値と13日高値によるダブルトップ型を形成しての下落という印象となった。10月26日安値からの上昇トレンドラインからも転落している。株安不安による下落だったため日米株安が15日、16日と続くようだとドル円も10月26日からの上昇に対する修正安局面に入る可能性がある。
11月13日安値を割り込んだため、下値計算値は12日高値から13日への下げ幅の二倍値で112.96円、10月26日からの上昇幅に対する半値押しとして112.78円等が意識されるが、さらに下落が加速する場合は3分の2押しとなる112.31円等まで目安が切り下がる可能性も警戒する。
株高再開でドル円も同調して上昇する場合は113.80円超えから上昇再開の可能性を優先、次の114円超えからは12日高値114.20円超えから114.50円前後を目指す流れへ向かいやすくなるとみるが、113.80円以下での推移中は下向きと考えておく。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは11月13日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、12日高値超えへ進む場合は15日から19日にかけての間への上昇と想定したが、12日高値を超えないうちは三尊型ないしはダブルトップ型形成からの弱気転換注意とし、14日朝時点では13日午前安値割れからは新たな弱気サイクル入りとした。13日安値を割り込んだため弱気サイクル入りとして16日から20日にかけての間への下落を想定する。113.80円以下での推移中は15日夜、16日午前へ下落しやすいとみる。

60分足の一目均衡表では15日未明への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。このため遅行スパン悪化中は安値試し優先とし、遅行スパン好転からは強気転換注意として先行スパン突破試しとし、両スパン揃って好転からは上昇再開とみる。

60分足の相対力指数は15日未明に30ポイント割れまで下げたが、指数の強気逆行型はまだ見られないため50ポイント以下での推移中は一段安警戒とみる。15日未明安値を割り込む際に指数のボトムが切り上がれば強気逆行から上昇再開となる可能性ありと注目する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月15日未明安値113.29円を支持線、113.80円を抵抗線とみておく。
(2)113.80円以下での推移中は15日未明安値割れからの一段安警戒とし、安値更新からは113.00円から112.70円台への下落を想定する。112.80円以下は反発注意とするが、113.50円以下での推移中は16日の日中も安値を試しやすいとみる。
(3)113.80円前後では戻り売りにつかまりやすいとみるが、113.80円超えから続伸の場合は114円試しとし、さらに続伸に入れば上昇再開としてまず12日高値114.20円試しを想定し、高値更新からは114.50円台への上昇を想定する。

【当面の主な予定】

11/15(木)
18:30 (英) 10月 小売売上高 前月比 (9月 -0.8%、予想 0.5%)
19:00 (欧) 9月 貿易収支 (8月 117億ユーロ)
22:30 (米) 10月 小売売上高 前月比 (9月 0.1%、予想 0.5%)
22:30 (米) 10月 小売売上高・除自動車 前月比 (9月 -0.1%、予想 0.5%)
22:30 (米) 11月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (10月 21.1、予想 20.0)
22:30 (米) 11月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (10月 22.2、予想 20.0)
22:30 (米) 10月 輸入物価指数 前月比 (9月 0.5%、予想 0.1%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.2万件)
24:00 (米) 9月 企業在庫 前月比 (8月 0.5%、予想 0.3%)
24:00 (米) クオールズ米FRB副議長、上院銀行委員会証言
27:15 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会(マドリード)
28:00 (メ) メキシコ中銀、政策金利 (現行 7.75%、予想 8.00%)
29:00 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演

11/16(金)
17:30 ドラギECB総裁とワイトマン独連銀総裁、講演
19:00 (欧) 10月 消費者物価指数・HICP、改定値 前年同月比 (速報 2.2%、予想 2.2%)
23:15 (米) 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 0.3%、予想 0.2%)
23:15 (米) 10月 設備稼働率 (9月 78.1%、予想 78.2%)
25:30 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、講演

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