4日からの下落一服だが半値戻しに届かず(10月第4週)

ドル円と日経平均は同調しやすい。金融市場全般でリスク選好的な楽観心理が高まれば株高円安がセットで進み、リスク回避感が高まれば株安円高となりやすい。

4日からの下落一服だが半値戻しに届かず(10月第4週)

4日からの下落一服だが半値戻しに届かず

【概況】

7月19日高値を上抜いて3月26日底からの上昇は三段上げ型へ発展したが、昨年何度も跳ね返された114円台に到達したことで高値警戒感を呼び、日米株安によるリスク回避感から下落に転じた。10月8日の上海株急落で9日未明に113円を割り込み、11日の世界連鎖株安で12日未明には111.84円まで続落した。
先週は週明け15日に111.62円まで安値を切り下げたが、世界連鎖株安不安一服で戻しに入り、18日未明の米連銀FOMC議事録公開後には米連銀の利上げ継続姿勢によるドル高で112.72円まで戻り高値を切り上げた。
18日夜にはNYダウが反落したために19日未明安値で111.96円まで下げたが、112円割れは買い戻されて19日夜には112.64円まで戻し、112.50円で週を終えた。

10月4日高値から15日安値への下落幅は2.92円であり、5月21日から5月29日安値までの下落幅3.27円を超えていないこと、5月29日安値を下支えした52日移動平均まで到達してから戻していること、3月26日安値と8月21日安値を結んだ上昇トレンドの支持線も維持されているため、現状はまだ5月29日への調整安並みの水準にあり、上昇トレンド維持から10月4日高値を試す、あるいは高値を更新してゆく可能性も残っている。
しかし、世界連鎖株安や中国市場の先行き不安等を背景に下落していること、特に日米株の下落レベルが1月末から2月序盤へ急落した時に近い状況にあること、3月26日からの上昇も6か月を超えていることを踏まえれば、3月底から上昇開始して間もなく、株式市場も比較的平穏だった状況での5月末への下落時よりも今回は厳しくなる可能性を警戒すべきではないかと懸念する。

【ドル円と日経平均の同調下落 2月との比較】

ドル円と日経平均は同調しやすい。金融市場全般でリスク選好的な楽観心理が高まれば株高円安がセットで進み、リスク回避感が高まれば株安円高となりやすい。アベノミクスとして日銀の異次元金融緩和による円安誘導が株高とセット化されてきたことの影響も大きい。
日経平均は10月2日に今年1月天井を突破して昭和バブル崩壊後の戻り高値を更新した翌日から下落に転じた。NYダウは10月3日に史上最高値を更新した翌日の4日から下落に転じた。「万人総強気」の翌日から下落したわけだが、10月8日の上海株暴落、10日から11日への世界連鎖株暴落と続いたために日経平均の下落規模は今年1月23日天井から2月14日へ急落し、さらに3月26日へ一段安した時に近い印象がある。
日経平均の2月暴落時、ドル円はすでに前年11月6日に天井をつけた後であり、1月序盤から株安に先行して下落していた途中だったが株安発生から下落を加速させた。円高ドル安は3月26日に日経平均が大底をつけるまで続いた。

日経平均は10月15日安値からいったん戻したが19日にはザラバで15日の安値を割り込み、終値ベースでも2日連続でマイナスだったため、まだ10月2日からの下落が一巡したという印象には至らないと思われる。また3月26日への下落時には途中で千円強の反発を入れているが、2月6日への急落で開けた窓埋めに至らずに一段安しているため、今回も10月11日への急落で開けた窓を埋めてさらに続伸するような反騰に入らないうちは株安継続不安が拭えず、株安連鎖での円高も継続する懸念が残ると思われる。

【米長期債利回り上昇と株安・新興国通貨安の継続性】

10月の世界連鎖株安発生は米長期債利回り急騰がきっかけだった。株安が米長期債への安全資産買いを誘ったために長期債利回りは低下して株安も一服となったが、17日以降は米10年債及び30年債利回りが上昇を再開しており、この間の利回り高値を更新するようだと新たな株安の引き金となりかねない。
10月18日未明に公開されたFOMC議事録では、景気過熱を抑制するレベルへの利上げ継続感が強まる内容だった。2月に大きな株安が発生したにもかかわらず米連銀は3月に今年1回目の利上げを決断している。確かに世界連鎖株安というレベルではあったがリーマンショックを彷彿とさせるようなパニックではない。米連銀にしてみれば2月の株安も今回の株安もショッキングなことではなく、トランプ大統領に非難されようがバブル形成とその崩壊リスクを抑え込む利上げが必要との認識は変わらないだろう。

すでに利上げ終了時点の議論もされているが、利上げ終了時の政策金利水準及び長期債利回り水準に対する予想には幅があるために株式市場もこの問題を織り込み済とできずに長期債利回りの一段高に対して暴落で反応したということだろうと思われる。
8月と比較すれば落ち着いている新興国通貨安も米連銀の利上げが進んできたことによる投資マネーの逆流が根底にある。日米欧の株安と米中貿易戦争問題による中国株の下落継続感は新興国株安を深刻化させる懸念も抱える。米長期債利回り上昇は金利差からはドル高円安要因になるが、株安が発生すれば長期債利回りがやや落ち着く中でリスク回避感による円高が勝るために株安円高がセットで進みやすくなる。
しばらくは日経平均、NYダウ及び上海株価指数、米長期債利回り及び恐怖指数等に影響されつつ、株式市場が相当程度に楽観的なスタンスを回復できないうちはドル円の戻りも限定的とし、さらに一段安へ進みやすい環境に置かれていると考えるべきところかもしれない。

【当面のポイント】

【当面のポイント】

(1)ひとまず10月15日安値111.62円からやや戻しているところだが、10月4日から15日への下落に対する半値戻し=113.08円に到達できていない。
(2)概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは10月15日夕安値から3日半となる10月19日未明安値で底を付けて戻しているので、10月19日未明安値を割り込まないうちは10月23日から25日にかけての間へ上昇しやすい時間帯と考えられる。10月18日高値112.72円を超える場合は半値戻しの113.08円を含めて113円台序盤への上昇余地ありとするが113円以上は反落警戒圏と考える。
(3)10月19日未明安値を割り込む下落発生の場合は底割れによる弱気サイクル入りとなるために短期的には24日朝から26日にかけての間への下落で111円台序盤試しへ進みやすいと考える。また10月15日安値を割り込む場合は10月4日からの下落が二段下げ型へと発展すること、3月26日からの上昇トレンドからの転落とも重なるために下落速度が加速する可能性もあると注意し、週後半へ続落の場合は110円台前半まで下値目途が切り下がる可能性も考えておく。(了)<21日20:50執筆>

【当面の主な予定】

10/22(月)
休 場 (NZ)
13:00 白川前日銀総裁、講演
13:30 (日) 8月 全産業活動指数 前月比 (7月 0.0%、予想 0.4%)

10/23(火)
休 場 (タイ) チュラロンコーン大王祭
15:00 (独) 9月 生産者物価指数 前月比 (8月 0.3%、予想 0.3%)
23:00 (米) 10月 リッチモンド連銀製造業指数 (9月 29、予想 24)
22:30 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、会合挨拶
23:00 (欧) 10月 消費者信頼感・速報値 (9月 -2.9、予想 -3.2)
24:20 (英) カーニー英中銀総裁、講演
26:30 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
27:15 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、講演

10/24(水)
14:00 (日) 8月 景気先行指数(CI)・改定値 (速報 104.4)
16:30 (独) 10月 製造業PMI、速報値 (9月 53.7、予想 53.5)
16:30 (独) 10月 サービス業PMI、速報値 (9月 55.9、予想 55.5)
17:00 (欧) 10月 製造業PMI、速報値 (9月 53.2、予想 53.0)
17:00 (欧) 10月 サービス業PMI、速報値 (9月 54.7、予想 54.5)
22:00 (米) 8月 住宅価格指数 前月比 (7月 0.2%、予想 0.3%)
23:00 (加) カナダ銀行(BOC) 政策金利 (現行 1.50%、予想 1.75%)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (8月 62.9万件、予想 62.5万件)
23:00 (米) 9月 新築住宅販売件数 前月比 (8月 3.5%、予想 -0.6%)
26:00 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演
26:10 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
27:00 (米) 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

10/25(木)
06:45 (NZ) 9月 貿易収支 (8月 -14.84億NZドル、予想 -13.65億NZドル)
08:00 (米) ブレイナードFRB理事、講演
08:50 (日) 9月 企業向けサービス価格指数 前年同月比 (8月 1.3%、予想 1.2%)
15:00 (独) 11月 GFK消費者信頼感指数 (10月 10.6、予想 10.5)
17:00 (独) 10月 IFO景況指数 (9月 103.7、予想 103.1)
20:00 (ト) トルコ中銀、政策金利 (現行 24.00%、予想 24.00%)
20:45 (欧) 欧州中銀(ECB)政策金利 (現行 0.00%、予想 0.00%)
21:30 (欧) ドラギECB総裁、定例記者会見
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.0万件、予想 21.3万件)
21:30 (米) 9月 耐久財受注 前月比 (8月 4.5%、予想 -1.5%)
21:30 (米) 9月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (8月 0.1%、予想 0.4%)
23:00 (米) 9月 住宅販売保留指数 前月比 (8月 -1.8%、予想 -0.1%)
25:15 (米) クラリダFRB副議長、講演

10/26(金)
08:30 (日) 10月 東京都区部消費者物価コア指数 前年同月比 (9月 1.0%、予想 1.0%)
10:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
21:30 (米) 7-9月期GDP前期比年率 速報 (前期 4.2%、予想
23:00 (米) 10月 ミシガン大学消費者信頼感指数 確報値 (速報 99.0、予想 99.0)

10/28(日)
欧州各国が冬時間入り(英との時差9時間、仏独伊とは8時間に拡大)



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