【概況】
9月7日安値110.38円からの上昇基調が継続している。先週は9月18日に米中双方が関税拡大を決定して9月24日から発動するとしたがドル円は18日午前中の下落でこれを消化して上昇再開となり高値切り上げを継続した。9月22日にWSJ紙が中国通商協議団の訪米が中止となったと報じたことで24日朝のオセアニア市場時間では一旦下落して112.38円をつけたが、24日昼過ぎ及び夕刻に米中双方が予定通りに関税拡大を発動したものの市場反応はさほど見られずにドル円の上昇基調も継続となった。
9月25日午前には112.96円まで上昇して21日高値を上抜き、25日夜の小反落も112.71円までに止まり、26日早朝は113円に迫っている。
9月25日夜にはトランプ大統領の国連演説があった。また日米欧貿易相会合等も開かれたが市場が反応するような内容は見られなかった。また米経済指標に対する反応も限定的で25日から始まった米連銀FOMCの結果待ちという状況だった。
7月のケース・シラー米住宅価格指数(前年同月比)は5.9%となり前月の6.3% (6.4%へ修正)及び市場予想の6.2%を下回った。
9月のリッチモンド連銀製造業指数は29となり前月の24、市場予想の20を上回った。
米民間調査会社コンファレンス・ボードが発表した9月の消費者信頼感指数は138.4となり前月の134.7及び市場予想の132.0を上回った。
トランプ大統領は24日に発動した関税拡大について中国が対抗する場合は中国製品全てに関税拡大を適用すると公言してきたが今のところはその発動決定への報道は見られない。
【米FOMC始まる、利上げの終点見えるか】
米連銀(FRB)は9月25日から連邦公開市場委員会(FOMC=金融政策決定会合)に入った。昨年末にメンバー予想中央値として年4回の利上げ姿勢が示され、今年は3月と6月の会合で二度の利上げが実施されてきた。今回で今年3度目の利上げが決定されることはほぼ確実視されているが、12月に今年4回目の利上げが実施される可能性がさらに高まるのかどうか、メンバーの金利推移予想について今回からは2021年についての予想が示されるため、利上げの終点及び目標金利水準が見えるかどうかも焦点となる。
利上げペースの鈍化や終点を示す姿勢が出てくるようなら利上げサイクルを織り込み済としたドル安円高となる可能性があり、逆に終点がまだ見えずに利上げ継続性が強く示されればタカ派姿勢としてドル高円安基調を継続しやすくなると思われる。
【60分足 サイクル及び一目均衡表分析】
9月7日以降、おおよそ2日から3日間の上昇で1円強の円安ドル高となり、その後に0.50円前後の円高ドル安を入れてまた上昇するというパターンを繰り返してきた。9月21日高値112.87円からの下落も24日早朝オセアニア市場時間の安値112.38円までが0.49円の円高ドル安であり、その後の切り返しもこれまでのパターン及びトレンドの範囲での推移となっている。
概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは9月18日午前安値から4日目の24日早朝安値ないしは24日夜安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクルに入ったと思われる。今回の高値形成期は26日の日中から28日にかけての間と想定される。27日未明のFOMCから上昇の場合はサイクルトップ形成の継続として27日夜へさらに続伸する可能性があるが、イベントに対する市場反応ではいったん強気反応してから材料消化として反落するケースも多々あるので、FOMC後にピークをつけて下落に転じる可能性、ないしはFOMCを弱気して下落に転じる可能性に注意する。また24日夜安値112.43円割れからは弱気サイクル入りとして27日夜から10月1日にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では25日未明の上昇で先行スパンを突破、遅行スパンも好転しており、26日朝時点でも両スパンが揃って好転している。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、遅行スパン悪化からは弱気転換注意とし、先行スパン転落からは弱気サイクル入りとして遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は60ポイント台にあるが、21日高値から25日高値への上昇期において指数のピークが切り下がっている。50ポイント台を維持する内は上昇基調継続性ありとするが、25日のピークを26日に上抜いても21日のピークに届かずに50ポイント割れとなる場合は弱気逆行を伴っての下落となるために下げが大きくなる可能性がある点に注意する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、下値支持線を112.70円、次いで9月25日夜安値112.43円、上値抵抗線を7月19日高値113.15円とみておく。
(2)112.70円を上回る内は高値試し優先とし、113円乗せからは7月19日高値113.15円試しへ向かう可能性ありとみる。7月19日高値を上抜く場合は3月26日からの上昇が三段上げとなるが、高値更新できない場合及びわずかに超えても27日に下落する場合はダブル天井で終わる可能性がある。FOMC等を通過して続伸なら113円台後半へ向かい、さらに昨年11月天井等のある114円台を目指す可能性も出てくるとみる。
(3)112.70円割れからは弱気転換注意とし、9月25日夜安値112.43円割れからは弱気サイクル入りとして112円試しへ向かうとみる。またその場合は9月7日からの60分足レベルの上昇トレンドから転落するために下げが大きくなる可能性が出てくる点に注意する。FOMCから下落し、112.70円以下での推移が続く場合は27日の日中、夜にかけても安値試しを続けやすいとみる。
【当面の予定】
9/26(水)
日米首脳会談
10:00 (NZ) 9月 NBNZ企業信頼感 (8月 -50.3)
23:00 (米) 8月 新築住宅販売件数 前月比 (7月 -1.7%、予想 0.5%)
23:00 (米) 8月 新築住宅販売件数 [年率換算件数] (7月 62.7万件、予想 63.0万件)
27:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、政策金利発表 (現行 1.75-2.00%、予想 2.00-2.25%)
27:30 (米) パウエル米連銀(FRB)議長、定例記者会見
9/27(木)
06:00 (NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利 (現行 1.75%、予想 1.75%)
15:00 (独) 10月 GFK消費者信頼感 (9月 10.5、予想 10.5)
15:35 (日) 黒田日銀総裁、全国証券大会挨拶
17:00 (欧) 欧州中銀(ECB)月報
18:00 (欧) 9月 経済信頼感指数 (8月 111.6、予想 111.2)
18:00 (欧) 9月 消費者信頼感指数 確定値 (速報 -2.9、予想 -2.9)
21:00 (独) 9月 消費者物価指数(CPI、速報値)前月比 (8月 0.1%、予想 0.1%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 20.1万件、予想 21.0万件)
21:30 (米) 4-6月期GDP、確定値 前期比年率 (改定値 4.2%、予想 4.2%)
21:30 (米) 8月 耐久財受注 前月比 (7月 -1.7%、予想 1.9%)
21:30 (米) 8月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (7月 0.2%、予想 0.4%)
23:00 (米) 8月 住宅販売保留指数 前月比 (7月 -0.7%、予想 -0.2%)
23:00 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、パネル討論会 フランクフルト
25:30 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、イベントで講演
26:05 (欧) プラートECB理事、講演 ロンドン
27:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁、講演
29:30 (米) パウエルFRB議長、上院関連イベント発言
オーダー/ポジション状況
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