ドル高傾向は継続、ただ調整の動きにも注意(9/19夕)

19日の東京市場は、ドルが強保ち合い。形成レンジは20ポイントそこそこながら、112円台という高値圏で一進一退の値動きをたどっており、ドルの強さが目についた。

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ドル高傾向は継続、ただ調整の動きにも注意(9/19夕)

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19日の東京市場は、ドルが強保ち合い。形成レンジは20ポイントそこそこながら、112円台という高値圏で一進一退の値動きをたどっており、ドルの強さが目についた。

ドル/円相場は112.35円レベルで寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。終日を通したレンジは112.20-45円といったところで、目立った方向性も乏しい。クロスを見れば全般的に円安だったが、同時にドルも弱く、弱者同士の組み合わせになったことで結局上下とも動けなかったようだ。16時段階では112.35円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、前述したようにクロスを含めた円全面安商状は本日も継続。豪ドル/円やNZドル/円もカナダドル/円などは夕方にかけ、直近高値を更新する局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」について。
読売新聞が「北朝鮮が米国に『ウラン施設破壊』を打診」と報じるなか、前日に続き南北朝鮮の首脳会談が実施され、『平壌共同宣言』への署名が実施されている。ちなみに、その中身としては「米国が米朝共同声明の精神に基づき、相応の措置を取れば、寧辺の核施設の永久的な廃棄のような追加的な措置を継続的に取っていく用意がある」−−といったものが含まれていたようだ。
また、それ以外では日銀による政策金利の発表(結果は「据え置き」)と、黒田総裁の記者会見が思惑を呼んでいた。なお後者の黒田氏会見では、「2%目標をできるだけ早期に達成すべく緩和続ける」との発言が聞かれていたという。

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値動きそのものは鈍いものの、ドルはじりじりと上値を伸ばし、本日の東京時間には112.40-45円まで値を上げていた。同レベルはフィボナッチから見たテクニカルポイントに当たり、それをまだ完全に抜けたわけではないものの、7月高値の113.17円が薄らとではあるが視界内に捉えられた感も否めない。ポジションの偏りは気掛かりだが、リスクはドル高でドルの続伸にも要注意だ。

材料的に見た場合、米中そして日米を中心とした貿易戦争懸念の高まりが、引き続き気掛かりではある。しかし、昨日のNYダウは184ドル高と大幅続伸、本日の日経平均株価も終値ベースで252円高となるなど、日米を中心とした株価は総じて堅調だ。つまり、マーケットは米貿易戦争懸念をそれほど問題視していないか、あるいはこれまでのところはほぼ織り込まれたのかのどちらかであるのだろう。
そんな株価の動きが本日も注視されるだけでなく、トランプ米大統領誕生後、なにかと「口先介入」が聞かれることの少なくない113円台がジワリと接近していることがやや引っ掛かる。
タイミング的には、早いと思われるが、たとえば日米貿易問題と絡めてのドル高不満発言などにも一応の注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、再三再四指摘している7月高値113.17円を起点とした下げ幅の76.4%戻しに当たる112.35-40円までドルは上昇してきた。完全に上抜けたわけではないことで、同レベルの攻防が引き続き注目だが、抜ければ113円台回復もみえてくる。その場合には、7月高値の113.17円あるいは年初来高値113.38円などがターゲットとなりそうだ。

一方、材料的に見た場合、8月の住宅着工件数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。
ただ、それよりも短期的には米中貿易協議などを中心とした幾つかの政治ファクターを警戒する声が少なくない。たとえば、そのひとつとして本日から明日にかけて実施されるEUの非公式首脳会談には要注意。英の離脱交渉について協議される見通しで、結果如何では直接的な影響ではないにせよ、ドル/円にとっても相場のかく乱要因となりかねない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.70-112.70円。ドル高・円安方向は、本日東京時間に記録した高値112.40-45円の攻防にまず注視。
これは、フィボナッチで見たテクニカルポイント(112.35-40円)に近い。しっかり超えれば113円台回復、7月高値や年初高値も見えてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京時間安値に近い112.20円前後に弱いサポートあり。割り込むと111.60-70円や一目均衡表の転換線が位置する111.40円などがターゲットに。ただ、いずれにしても底堅そう。

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ドル円日足

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